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PCデポ問題にみる。高額すぎる契約解除料の妥当性は?

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 関東圏を中心に、パソコン関連製品の販売や修理を手掛ける「PCデポ」(運営企業はピーシーデポコーポレーション)。
 購入後のパソコンについての設定やスマホの操作を説明するなど、いわゆるアフターフォローを契約化したのが、同社の「プレミアムサービス」です。

 ところが、この契約を巡って、SNS上から火が付いた問題があります。それが、契約解約金が20万円という高額なものであるという点です。
 すべての場合に解約金が生じるというわけではなく、解約時期によって、タブレット端末などの使用機器を返却しない場合に、高額な解約金が生じるという仕組みではあります。しかしながら、20万円という金額はいかにも高い…。

 多数のメディアにもこの問題が取り上げられているため、大まかな内容を知っている方は多いのではないでしょうか。
 では、このPCデポに見られるような、高額な解約金は果たして法的な妥当性があるのでしょうか?

 ここでポイントになる法律が消費者契約法です。これは、企業対個人を想定し、弱い立場に立たされる個人側に、その保護を目的として契約の適正化を図るための法律です。
 そして、同法の9条には「消費者が支払う損害賠償請求の額を予定する条項等の無効」という規定があります。

 この規定は、いわゆる解除料や違約金、解約料などとして、当初の契約において「こうした条件で契約解除になった場合は、解約金などとして幾らを請求しますよ」という規定がある場合、どのような場合にいくらの金額を支払うのが適正かを定めたものです。
 法的に言えば、「損害賠償額の予定」についての適正化を図るための規定と言えます。PCデポの問題でも、まさにそうした条項が当初の契約に盛り込まれており、解約時にトラブルとなったので、参考になると思われます。

 この規定においては、簡単に言えば、同じようなPCサポート契約の解除によって生じる、平均的な損害を超える部分について無効になるとされています。
 平均的な損害という部分が曖昧な表現であり、「いったい幾らなら妥当なのか?」と思うかもしれません。

 アフターフォローなどを契約化する場合、継続的なサービスとして、例えば使用方法の説明やパソコンなどの設定補助などが生じます。これらについていちいち作業ごとの金額支払いをしていては面倒なので、月極めで料金を支払っておき、その期間においては予め取り決めたサポート業務を行うというのが一般的だと考えられます。

 とすれば、解約したからと言って、PCデポ側には解約に伴って大きな損害が生じるようなビジネスモデルとは言いづらい部分があると思われます。生じる費用としては、せいぜい解約にともなう事務作業に関連した費用でしょうか(もっとも、契約内容の詳細は不明であり、仮にタブレット端末などを、サービスを提供する人向けにPCデポが購入し、それをレンタルしているような形態であれば、端末代金などがPCデポ側の損害として認められることもありえます)。
 そうだとすれば、20万円の解約料金というのは高すぎるのではないかということになりそうです。

 しかしながら、この結論は実際に訴訟の場において争い、裁判例としての先例がない段階においては、あくまでも見込みにしかすぎません。
 PCデポに限らず、高すぎると思われる解約金などが設定された契約があれば、どういった費用項目の積み上げによってその解約金となっているかを確認することが必要になると考えます。
 もし、法外な解約金を請求された場合は、消費者センターや消費者問題に明るい弁護士などに相談してみるのが解決の糸口となるものと思われます。

 さて、件のPCデポはメディアなどからの批判を受けて、70歳以上の方が契約を締結する際は、家族などの了承を得るようにすることや、契約時の説明を尽くすことなどの改善策を打ち出しました。

 しかし、これまで述べたように、PCデポが設定する解約金は法的性質としては「損害賠償額の予定」です。
 そうだとすれば、大事なことは、金額設定を変えない以上「なぜその金額設定になっているか」、損害賠償額の予定として項目ごとの金額を明らかにすることではないかと思われてなりません。

元記事

PCデポ問題にみる。高額すぎる契約解除料の妥当性は?

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