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着物姿の似合う美人イラストレーターさんが週イチでバーテンダーをするお店【美人ママさんハシゴ酒】

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第11回:美人イラストレーターがバーテンダーをやっているお店・御茶ノ水「いま粋」いずみママ

今回、美人ママがいるのは御茶ノ水。というわけで、JR御茶ノ水駅の聖橋口に降り立った。

もう18時を過ぎているというのに、まだまだ明るいね。本郷通りを駿河台の交差点方向へ坂を下っていくよ。右にニコライ聖堂が見えてきたね。

ビジネスマンや学生さんたちが家路を急いでいるよ。おっと、今晩行くお店、JR御茶ノ水駅よりも東京メトロ千代田線の新御茶ノ水駅のほうが近いんだね。

まずは駿河台という交差点を右に曲がってお店に向かいます。

ほら見て、この看板が目印だよ。「渡部商店」と書かれているね。

こちらふだんは、「ショットバー渡部商店」というお店なのだが、月曜日の夜だけ「いま粋」というお店になるんだそうだ。

入ってみよう。こんばんはぁ!

カウンターだけのお店。

そのカウンターの中に美人ママを発見!

あなたが噂の美人ママですね!

「はい、“いずみ”といいます」

着物姿が素敵だぁ。

ライターの下関マグロです。あ、お名刺、頂戴します。

あ、名刺には“バーテンダー いずみ”とありますね。

じゃ、いずみさんとお呼びしていいのかしら。

ではさっそく、いずみさん、乾杯をしていただきたいのですが、なにを飲まれます。

「えーっと、仕事中なんで……」

飲まないんですか?

「本当は日本酒が好きなんですが、1合も飲めないので、お客さんからいただく場合はビールにしています(笑)」

それでは、ビールで乾杯させてください。

「わかりました、それじゃ2杯ですね」

「はい、1,200円になります」

あ、そうか、ここに入れるんですね。

「それ、灰皿じゃなくてお金を置くお皿なんですね」と沼田カメラマンが驚いている。

なるほど、他のお客さんもそうしているねぇ。

「そうなんです、うちはチャージはなくて、キャッシュオンデリバリーなんですよ」

生ビールは1杯で600円。ママのぶんと僕ので1,200円なんですね。というわけで、お金を置くと、ビールが提供される。

「生ビールは、ヱビスなんですよ」

じゃ、いずみさん、お近づきのしるしにカンパーイ!

「じゃ、いただきますぅ、お疲れさんでぇす」

といずみさん。

けっこういい飲みっぷりですね。

じゃ、僕もいただきます。

うーん、うまーい!

さっきから、聞こえているBGMは、長唄なんですね。

「あーっ、その日の気分で、三味線だったり、落語だったり、和物を流すようにしています」

ところで、お通しのようなものはあるんですか?

「お通しはないんです。ここから選んでください」

おお、“本日のうまいもん”ってありますねぇ。

いいなぁ、どれもおいしそう。

お店が狭いので、実物じゃなくて、タブレットでお見せしているんですよ。

おお、「あさりバター」と「さしみこんにゃく 酢味噌和え」ですね。うまそー。

「それから、隠しメニューとして栃尾揚げがあるんですよ。ほら、ここに」

カウンターの中をのぞくと、なるほど焼く準備をしているようだ。

「あさりバターもさしみこんにゃくも、栃尾揚げも300円ですね」

だいたい、どれも300円だ。

「50円や100円というのもありますよ、このあたりなんかそうですね」

あー、乾きものも充実してますね。

「お腹が空いている人には、出前なんですけど、キーマカレーっていうのもあります」

なんで、“なべ”なんですか。

「あ、それは、ここが渡部商店っていうので、“なべキーマカレー”ってメニュー名なんですけど、改行位置がおかしくてわけわかんなくなっちゃたんですね。実際は、近所にあるネパール人がやっているインドカレーのお店から出前になります」

ほう、ここは、営業をはじめてどのくらいになるんですか。

「『いま粋』としては3年になりますね。渡部商店としてはもっと長くて30年以上になります」

そりゃ老舗だ。

「今のオーナーのお母様が創業されたんですよ」

それじゃ、さっきのおつまみ黒板に書いてあった2品をいただきましょうか。

「はい、こちらがあさりバターですね」

いい香りがしてますね。じゃ、ちょっといただいてみましょうか。

小ぶりだけど、おいしそう。

うん、これは味がしっかりついてますね。お酒が進みますよ。

刺身こんにゃくも、酢味噌がよくなじんで、これもお酒に合うなぁ。というわけで、日本酒をいただきますか。

あ、そうだ。お金払わなきゃ。2品で600円でしたね。

ところで日本酒にはどんなものがあるんですか?

「本日は3種類の日本酒があります」

とカウンターの奥から声が掛かる。佐々木達郎さんという方だ。いただいた名刺には“いま粋 頭領・酒数寄者”という肩書があった。

少しずつ飲んでみますか。

じゃ、おちょこにちょっとずついただきますか。

3種類飲んだというか、舐めたところで、佐々木さんが

「マグロさんへのおすすめは、この真ん中の『花垣』(一合 800円)ですかね」

とおっしゃる。な、なんでわかるんですか? これがいちばん好きです。

佐々木さん、してやったりという感じでニヤリ。

それじゃ、「花垣」をください。

「ちょっと待って下さいね」と、佐々木さんにお酌をしている。

それにしてもおふたりとも和服が絵になりますね。

「いろんなお酒があるんですが、お出しするのは日に3種類ほどです。これまでいろいろな種類の日本酒をお出ししたんですが、ラベルをとってあるんですよ」と、見せてくれたスクラップブックに大量のラベル。

「デジタルな時代ですが、なにか残したいと思ってラベルをとっておくようになったんですよ」

それじゃ、好きなお酒のラベルとか見せてくださいよ。

「これが私のお気に入りですね。『琵琶のさざ浪』(一合 800円)」

というわけで、こちらへ「花垣」がやってきました。

見事にちょうどいっぱいまで注いでくれます。すご技ですね。

それにしても、いろいろなお猪口がありますね。

「ああ、ここはお店が狭いので、ボトルキープはできないんですけど、マイお猪口やマイぐい呑みをキープできるんですよ」

日本酒をいただいたら、栃尾揚げが食べたくなりましたよ。これも300円ですね。

お醤油をちょいと垂らしていただきますね。

うっひょー、こりゃ、うまい。

こいつは日本酒に合うね。

って、すでにかなり酔ってきた。

あのー、いずみさんの本職は歴史系のイラストレーターさんだそうですね。どんな作品を描かれるんですか?

「時代小説の挿絵とかですね」

お名前というか、ペンネームは?

「これが名刺になります」

“いずみ朔庵”とおっしゃるんですね。

読み方は“いずみさくあん”でいいんですか?

「はい、そうです」

たとえば、どんなお仕事されているんですか?

「有名どころですと、宮部みゆきさんの『お文の影』(角川文庫)ですかね」

どういうことで歴史系のイラストレーターさんに?

「もともと父がテレビ時代劇が好きで、その影響で、私も小さい頃は忍者が大好きで、将来は忍者になろうと思っていたんですよ(笑)」

なるほど、忍者にね。

「そのうち、池波正太郎さんの時代小説なんかを読むようになっていたんですが、それとは別にイラストや漫画を描いていたんですけど、やっぱり好きなものを描こうということで、あるときそれが合体し、自分で作品を描いて、個展をやったのが最初ですね」

そんな、いずみさんが、なぜ「いま粋」で働こうと思われたんでしょう?

「ひとつは、イラストレーターの仕事って、ずっと家にこもってひとりでやる作業なので、週に一度くらいは人に会いたいなって思ったのと、あと、これ言うと笑われるんですか、AKB48とかって会いに行けるアイドルっていうじゃないですか、なので……」

会いに行けるイラストレーターさんですね。もしかして、握手会とかもするんですか?

「しません、しません(笑)。いまの時代、お仕事するにも編集の方と一度も会わずにお仕事することも多いんですね。でも、そういうのいやなんで、編集者の方に会いにきていただいて、いろいろお話をしながら仕事をしたいと思って始めたんですよ、バーテンダーを」

ちなみに、いずみさん、お年を聞いていいんでしょうか。

「えっと、42か43です」

えっ、自分の年令がよくわからないというのも素敵。あ、何年生まれなんですか?

「昭和48年ですね」

「誕生日がきてれば、43歳ですね」とスマホで年齢早見表を見てくれた佐々木さん。

「あ、じゃ43歳です(笑)」といずみさん。

年齢などに頓着しないいずみさんなのだ。

気がつけば、カウンターの席もいっぱいになり、常連の人たちは表に出て飲んでいた。いずみさん、マジで月曜日の夜また来ますよ!

美人ママFile #011

御茶ノ水「いま粋」いずみさん

お店のモットーを教えてください。

「みんなで楽しく!」

ママさんの好きな男性のタイプは?

「誠実な人がいいですね」

自分の性格をひとことで言うと?

「おおざっぱ。細かいことは気にしない」

いちばんの得意料理はなんですか?

「カレーでしょうか」

どんな言葉で口説かれたらドキッとしますか?

「『そのままでいいよ』と私をそのまま受け入れてくれる人」

『メシ通』の読者にひとことお願いします!

「こんな小さなお店ですが、来てくださいね♡」

お店情報

いま粋

住所: 東京都千代田区神田駿河台3-3-1F

電話番号:03-3293-0733

営業時間:月曜日 18:30~23:00

*火曜日~金曜日は「ショットバー渡部商店」として営業

facebook:いま粋

写真:沼田学

書いた人:下関マグロ

(しものせき・まぐろ)1958年生まれ。山口県出身。出版社、編集プロダクションを経てフリーライターへ。『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『歩考力』(ナショナル出版)『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)など著書多数。 Twitter:@maguro_shimo

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