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ストーカー規制法、改正案提出

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 2016年5月、芸能活動を行っていた当時20歳の大学生の女性に、ファンを名乗る男がSNS上でストーカー行為を繰り返した後、東京都小金市において、ナイフで襲いかかり重体に陥らせるという痛ましい事件が起こりました。この事件をきっかけに、相談を受けた警察の対応に過去の事件の反省が活かされていなかったことや、ストーカー規制法の不備などについて、批判が相次ぎました。
 このような中、自民公明両党はストーカー規制法改正案をまとめ、臨時国会に議員立法で提出する方針を固めたとのことです。
 今回は、改正案の内容について見てみたいと思います。

 改正案では、「つきまとい等」の対象が拡大されました。相手に拒絶されたにもかかわらず連続してSNS等でメッセージを送信したり、ブログなどにコメントを書き込む行為についても「つきまとい等」に含まれることになりました。

 現行のストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)は、「つきまとい等」として、つきまとい、待ち伏せ、住居に押しかけることなど、面会や交際その他義務のないことを行うことを要求すること、無言電話や拒絶されたにもかかわらず連続して電話をかけたりFAXを送信したり、電子メールを送信すること、などを規制しています(法2条)。しかし、このつきまとい等には、SNSを利用した執拗な書き込みについては含まれていないため、法律の穴と言われていました。今回はこの穴を埋める改正となります。

 また、ストーカー行為を、被害者の告訴が必要な親告罪(法13条2項)から非親告罪に変更する、という改正も行われます。
 同時に、禁止命令に違反した場合の罰則も、現行法では「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」と比較的軽いものであるところ(法13条1項)、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に改正される予定です。

 緊急性が高いと判断された場合は、警察の警告がなくても都道府県の公安委員会が加害者に対して被害者への接近禁止命令を出せるようにしました。これにより、迅速な対応が可能になります。

 これら以外にも被害者に対する支援などについても改正案に盛り込まれる予定とのことです。ストーカー事件の2割は加害者治療が必要であるという意見もあるところ、加害者を更生させる方法等の調査研究についても推進することを求める内容もあるそうです。

 これまでストーカー事件に対してストーカー規制法は後手後手に回っていた感が否めません。今回の改正法で、被害者保護、加害者治療、加害者の更生という点にも踏み込んだという意義は非常に大きいのではないでしょうか。
 被害者は被害にあった後も、また加害者が追ってくるのではないか、と加害者の存在に怯え続けなければなりません。加害者治療、加害者更生をすることで、被害に遭った方の保護に繋がるのではないかと思います。
 改正法の成立後の法の運用に期待したいところです。

元記事

ストーカー規制法、改正案提出

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