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慌てて作った防水壁、高級車をビニール包装・・・ タイ洪水、首都バンコクに迫る

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一見、いつもと変わらぬバンコクの風景

 連日、タイの大洪水についてセンセーショナルな報道がなされているが、実際はどうなのか。首都・バンコクで現地取材した街の様子をお届けする。街なかを歩いてみると、日本での報道がウソのようにあっけないほど日常の風景が広がる。カオサン通りではいつもどおり、世界各国から集まったバックパッカーたちが昼間からビールを飲んでおり、デパートも通常営業をしている。見る限り、タイの人たちは洪水に慣れているようにも思える。今回のように長期化した洪水は数十年ぶりとのことだが、1日2日の冠水は毎年都心部でも起こっている。そこまでピリピリしていては、神経がもたないというのが実情のようだ。

■洪水対策は店ごとに大きく異なる

セブンイレブンはどこも入念に対策が施されていた

 とはいっても、今回の洪水はかなり規模が大きいため、何の対策もなされていないわけではない。ただし、この対策については店舗によってかなり力の入れ具合が異なるようだ。たとえば、ある通りでは全体的に店主の意識が高いらしく、大人の腰までの高さのコンクリート壁を作っている店舗が多かった。特にコンビニのセブンイレブンは本部からのお達しが出ているのか、どの店舗も総じてきちんとした対策がなされていた。

簡易すぎるのではと不安がよぎる防水壁

 ある薬局では、コンクリートの防水壁を設置したはいいが、慌てて作ったためにドアとの距離を考えていなかったようだ。ドアと防水壁との距離が近すぎて客がかなり不便そうに店を出入りしていたのが印象的だ。また、ベニヤ板と土嚢だけのやっつけとも思える対策しかしていない仕立て屋も見かけられた。

■ベンツはビニールに包んで守れ

ビニールに包まれたベンツ

 そんななかでも、宝飾品など高価な商品を扱っている店は、万が一に備え土嚢やコンクリートの壁で対策を施していた。特徴的だったのがある輸入車店。ベンツやミニなどの高級輸入車をビニールに包んで展示しているのだ。ドンムアン空港から飛行機を退避させず、2機を浸水させてしまったと報じられたタイ航空職員とは真逆の対応といえよう。

ビルの裏に用意された小型ボート

 今回の現地取材のなかで最も入念な対策をしていたと思われる会社では、なんとビルの裏に小型ボートを用意していた。ボート製作の会社が自社製品を置いているのかとも思われたが、船中を覗くと米と缶詰、インスタントラーメンが置いてあった。いざというときの脱出用と見て間違いないだろう。

 明日11月10日、潮の干満の差が大きくなる「大潮」を迎えるバンコク。これを乗り切れば、洪水は収束に向かうのではと言われているが、こうした対策は果たして実を結ぶのだろうか。

(大塚千春)

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