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日本発、近未来の住まい12の提案—HOUSE VISION 展 2016—

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「HOUSE VISION」はデザイナーの原研哉氏がディレクターを務め、家を中心に未来の暮らしを考えようという活動。【企業×クリエイター】によって、発想を広げながら少し先の未来に実現可能な暮らしを提案するもの。

東京・お台場で、2013 年「新しい常識で家をつくろう」をテーマに第1回の展示会を開催(「名建築家たちの提案が一堂に!―HOUSE VISION展― Part.1」「『新しい常識で家をつくろう』―HOUSE VISION展― Part.2」)、2回目となる今回のテーマは、「CO-DIVIDUAL 分かれてつながる/離れてあつまる」。12の実物大エキジビションハウスを体験し、近未来の住まいを【前編】【後編】でレポートします!

(会期:2016年8月28日まで)

木であふれる展示場。隈研吾が手がけた会場構成

105mm角材を積み上げ、井桁造りでデザインされたエントランス。第1回を踏襲したデザインであるが、今年は真夏開催とあって日よけになるよう上部が長く庇(ひさし)風に。(ちなみに、角材は再利用されている)

住宅建築用、どこにでもある角材を積み上げるだけで、これだけダイナミックにデザインできるところがヤッパリ天才・隈研吾!

今回の会場広場には、こんな大木が登場。ナント、推定樹齢1000年のオリーブの樹!?

圧巻の横に広がる枝ぶりは、実を採りやすくするために何世代にもわたって仕立てられた結果という。

【画像1】会場のシンボルツリー的な、オリーブの古木。プラントハンター西島清順氏(そら植物園)と住友林業緑化により、長い船旅を経て移植展示(写真撮影/藤井繁子)

近未来を提案する展示会で、いきなり角材や古木に迎えられ…まず、そのメッセージを考えさせられる。日本人のアイデンティティや現代までの時間軸を感じることで、これからの未来はどうありたいか?と。

木の展示に囲まれているだけで、都心に居ても心地よい風や香りを感じることができ素直に自然への欲求は高まる。

【画像2】イベントホールには、蔦屋書店も。建築・ライフスタイル関連の書籍雑誌がそろう(写真撮影/藤井繁子)

宿泊型コミュニティハウス ー【吉野杉の家】Airbnb×長谷川豪—

民泊を世界でネットワークするAirbnbが出展したのは、奈良県吉野町と企画した家。会期後、実際に吉野町へ移築し民泊運営を計画しているので、完成度の高い住宅になっていた。

この家を設計デザインしたのは建築家・長谷川豪氏。吉野川沿いの風景になじむ、素晴らしいプロポーションに感動!(実は筆者、吉野町が本籍地という御縁)

【画像3】1階が地元コミュニティの集会場的な居間。2階が宿泊ゾーン(写真提供/HOUSE VISION)

【画像4】急勾配の屋根が杉林を彷彿させる。はめ殺しの窓に、夜あかりが灯る姿を見てみたい(写真撮影/藤井繁子)

HOUSE VISION企画コーディネーターの土谷氏に、1階のコミュニティ空間でお話を伺った。

「展示会テーマである『CO-DIVIDUAL 分かれてつながる/離れてあつまる』が、この吉野杉の家では“地域(地方)”と“ゲスト(国内外)“をつなぐ役割として実現しそうです」

【画像5】吉野杉・ヒノキをふんだんに使った気持ちのよい空間。木製サッシや一枚板のテーブルなどインテリアも完璧(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像6】伝統工芸は日常使いしてこそ良さが分かる、そして技の継承にも(写真撮影/藤井繁子)

そして、2階の宿泊ゾーンに上がってみると…あの三角窓から見える景色が、これ!

【画像7】三角の屋根裏寝室。ピラミッドのようでパワースポットみたい!吉野では満天の星が見える…素敵すぎ(杉?!)(写真撮影/藤井繁子)

美しいだけでなく、こんな機能的な工夫も…

【画像8】下の三角部分は格子で風通し良く、パタンと閉めれば冬も安心?(写真撮影/藤井繁子)

吉野町の地域組織がホストファミリーになる【吉野杉の家】。

今回見学できなかった方も、移築後、Airbnbで予約して吉野へ行ってみるのはどうでしょう!

人を呼ぶ木&緑&水—【市松の水辺】住友林業×西畠清順×隈研吾—

会場全体の構成も手がけた、住友林業グループと、プラントハンターの西畠清順氏・建築家の隈研吾氏がコラボしたのは、家ではなく水辺の提案。

同じく105mm角材を15本並べた、約1.5m四方の市松模様に、木と緑と水を配置した空間。水と木陰によって都会の「涼」を演出し、人が自然と集まってくる水辺になっていた。

【画像9】市松模様の一升が約1.5mという距離感、人が語らいやすいコミュニティ・モジュールだ(写真提供/HOUSE VISION)

【画像10】取材当日は39度の猛暑日。22℃の足水でヒンヤリ、カエデの影が揺らいで心地よく(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

プラントハンター西畠氏は、「隈さんのつくった鉢に入れた盆栽」をイメージして、赤と緑のカエデを選定し展示期間に合わせて葉振りを整えたそう。

「こんな日本らしい癒やしのスペースを、東京オリンピックのころにはたくさんつくりたい」と、住友林業さん。

まず紹介した2展示は、近未来というキーワードからは逆行したような伝統的な日本の空間。しかし、これこそが未来に残したい、日本の住まいと暮らしデザイン。美しい日本の原風景を未来につなぐ、それには技術革新も欠かせない。そんなことを考えさせるイベントなのだ。

外国人も興味津々、日本の住まいと未来

HOUSE VISION展には外国人の来場者が多く見られる。と言うのも、中国はじめアジア諸国でも同じスキームでHOUSE VISIONは展開中。WEBによる情報発信もあり、世界から関心をもたれていることを実感する。

来場していた外国人の方に、お話を聞いてみた。

オランダ人の60代夫婦。「未来の暮らしって提案に興味をもって来たよ」、全12展示を見て回ったとのこと。

夫は【LIXIL×坂 茂】、妻は【TOTO・YKK AP×五十嵐淳・藤森泰司】の展示が面白かったと話してくれた。

【画像11】瀬戸内の「直島・豊島・犬島」も廻って来られたアートに関心が高いご夫婦。3週間の日本滞在後、翌日帰国(写真撮影/藤井繁子)

【画像12】米国シカゴのイリノイ大学から来た建築系の学生たち。前回の展示会のことをネットで知っていたらしく、青山の街角で今回のポスターを見つけて来場。「さて、どれが面白そうかな?」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

今回は展示でも、IoTによる近未来の暮らしを提案しているが、会場見学ツールとしても、モバイルアプリによる音声ガイダンスを採用。流れる美声の解説は、展覧会ディレクターの原研哉氏によるもの。

【画像13】各展示ハウスの解説が聞ける音声ガイダンスアプリをダウンロードして、Let’s go!(写真撮影/藤井繁子)

「夜8時までオープンしているので、夕暮れに展示場を回って、ビール片手にトークセッションを聞くのもあり!」と、土谷氏のオススメ。オランダ人夫婦のように、二人でデートがてら訪れるのもスマートですね!

●8月28日まで、毎日開催されるTalk Event など詳細はホームページを確認!

・HOUSE VISION 2
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/08/116426_main.jpg
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