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江戸時代から続く駄菓子屋さん「上川口屋」で子ども時代にタイムスリップ!

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東京には江戸時代から続く駄菓子屋さんがあるらしい……という情報をキャッチしたメシ通レポーターの森 佳奈子です。

明治や大正でも古い感じがするのに、まさかの江戸時代!? そもそも江戸時代から駄菓子ってあったの? これはぜひ、この目で確かめたい、ということで行って参りました鬼子母神へ!

……え?

いやいや、行先を間違えてはいませんよ! なんとその駄菓子屋さんは鬼子母人堂の境内にあるんです!

境内に入ってすぐに樹齢約700年と言われる、大いちょうの木に目を奪われます。方々に勢いよく伸びた枝からは豊かに葉が生い茂っています。これは紅葉の時期は格別だろうなあ……。

この大いちょうだけではなく、境内にはたくさんの木々が植えられ、木々の間を抜ける風が涼しくて心地よいです。なんだかほっと一息つける空間なんです。

この日は梅雨入り前だというのに、夏のように暑かったのですが、境内は木陰が涼しくて、ちょっとしたオアシスのようになっていました。

そして大いちょうのすぐ隣には……なんとも味わいのある建物が! こちらが今回ご紹介する「上川口屋」。 ここだけ、まるで時が止まったかのような……ノスタルジックな佇まいに感動。

店主の内山雅代さんによると、なんと今から実に235年前から「上川口屋」はここでお店を開いていたとのこと。看板にも堂々と「創業1781年」と記載されています。1781年というと、フランス革命や天明の大飢饉が起きる少し前のころだそうです。

す、すごい……フランス革命なんて、はるか昔の話という感じですが、そのころからここでお店を開かれていたのですね!

「上川口屋」が江戸時代から続いていることを示すものもちゃんとまだ残っています。当時、大名もこちらのお店で買い物をすることがあったそうで、お店は大名に失礼がないように接客できる構造になっているのです。

例えば、屋根の下の軒の手前に天井の部分があるんですが、これは、雨が降ったときに大名が濡れずに買い物ができるようにとの配慮。

工夫はこれだけにとどまりません。

商品を並べる棚がとても低い位置に設置されているのも、決して大名より頭を高くすることなく、棚ごしにお会計などのやりとりができるように作られているのです。

このお店は身分に差があったころの歴史を感じられる現役の文化財なんですね。

さて、お店の中をじっくり見まわしてみると……。

「あ、昔好きだった駄菓子だ! 懐かしい~」「なにこれ、初めて見た! おいしそう~」とテンションが急上昇!

子どもの時、駄菓子屋さんで宝探しのようなワクワクを感じていたことを思い出します。言わずと知れたベビースターラーメン、チョコボール、ミルキー、たべっ子どうぶつ、マーブルチョコ……定番のふ菓子にミルクせんべいもありますよ!

たこせんべい、えびせんべい、するめなどおつまみにもなる駄菓子も豊富に揃っています。

ビンにたっぷり詰められた色とりどりの駄菓子はビジュアル的にもかわいらしく、童心をくすぐられます。

洗濯バサミに吊り下げられたジャイアントカプリコとわたパチ……なかなか斬新な眺めです。

洗濯バサミも、このような用途に使われるとは夢にも思っていなかったことでしょう。

それにしても、妙にしっくりときています。カプリコの上のきゅっとなっている部分は洗濯バサミで挟みやすくするための仕様なのではと錯覚をおこしそうなほど……。

お米のお菓子、ぽん菓子をカラフルな袋に詰めた「人参」。

これを見るまで、すっかり忘れていたけど、子どものころ、よくぽん菓子を食べてました~。あれ美味しいんですよね~。また食べたくなってきました!

きなこもちは爪楊枝にささって、すぐに食べられる状態で売られているのがうれしい。

ちなみに、このお店の商品には一切値札がついていません。そういうところも昔ながらのお店という感じです。でも、駄菓子だから大人買いしても安心! 値札を見ずに買い物をして、なんちゃってセレブ気分を味わえちゃいます。

スーパーBIGチョコにくるくるぼーゼリー、名優歌舞伎せんべい、蒲焼さん太郎……。

甘党の人もそうでない人も満足できる品揃え。

駄菓子屋さんの定番、ラムネもあります。かなり人気のようですね。暑い日にぐいっとやるラムネは最高ですからね~。

こちらはお店の名物猫、石松くんのポストカード。

石松くんはずっと「上川口屋」で店番をしていたのですが、2016年1月に亡くなってしまったそうです。17歳(人間でいうと、90代くらい)まで長生きしたのだとか。お客さんの中には「あの猫、どうしましたか?」と質問される方もいて、みんなに愛されていたことがうかがえます。

私も石松くんに会いたかったなぁ~。

「上川口屋」の魅力はレトロな雰囲気と豊富な駄菓子だけではありません。 店主の雅代さんもとっても魅力的なんです。「上川口屋」十三代目店主の雅代さんはハキハキしているけれど、やわらかい雰囲気の方です。突然訪問した私をこころよく受け入れてくださった上に、たくさんの楽しいお話をしてくださいました。

「音楽の話をすると止まらなくなっちゃう」というくらい、音楽が大好きな雅代さん。余暇にはよくピアノを弾かれるそうで、お気に入りはバッハの「平均律クラヴィーア」。なんと合唱で「第九」を歌ったこともあるのだとか。近くにある東京音楽大学で行われるコンサートにもよく行っていたのだそう。

「こういう商売をしていると、おかげで、いろいろなことに詳しくなれるんですよ」とおっしゃいます。いろいろなお客さんと会話が弾むから、知識の引き出しも自然と増えるのでしょう。駄菓子屋さんの仕事も余暇も心から楽しんでいる雅代さんは、イキイキとしていて、話していると元気がもらえる感じです。

私もこんな風に歳を重ねられるといいなぁ……と憧れてしまいました。

雅代さんに昔の「上川口屋」の写真を見せていただきました。

真ん中が雅代さんのお母さん、向かって右が御祖母さん、そして向かって左が当時14歳の雅代さんです。

現在、75歳の雅代さんは10歳のころから「上川口屋」でお手伝いをしてきたのだそうです。

なんと駄菓子屋歴65年! こんな昔の写真なのに、お店の様子は今とほとんど変わっていないのも驚きです。

大きな違いは千歳飴やゆず飴の大きな看板があること。実は「上川口屋」はもともとオリジナルの飴を製造しており、その飴が大人気だったのだとか。

「上品な甘さでほんのりゆずの風味が効いたすごく美味しい飴でしたよ」と話す雅代さんのうっとりした表情から、本当に美味しかったことがうかがえます。今は残念ながら、製造していないとのこと。食べてみたかったな~。

「お客さんはやっぱり子どもが多いですか?」と聞いたところ、「少なくなりましたね~」と残念そうな雅代さん。駄菓子屋さんの主役といえば、やっぱり子どもですが、最近は子どもがあまり駄菓子を買いにこないのだそうです。少子化の影響に加え、今は便利な時代で、コンビニでもスーパーでも手軽に駄菓子を買えるからです。

しかし、「上川口屋」では他では味わえない体験ができると思います。たくさんの駄菓子を実際に手にとって、友だちや店主と談笑しながら、じっくりとお気に入りを選ぶ楽しい時間……。こんな温もりの感じられる買い物体験がここではできます。わざわざ足を運ぶ価値は十分にあると思いますよ。

しかもこの「上川口屋」、池袋駅から徒歩で約15分くらいと結構都心にあるんです。昭和を感じるいやし空間が身近なところに! これはもう行くしかないですね。

かつて子どもだった皆さん、童心を思い出しに「上川口屋」を訪れてみませんか? お子さんがいらっしゃる方はぜひ、お子さんを連れていってあげてください! 昭和な空間と優しい店主との出会い……。きっと良い思い出になると思いますよ。

本当に久しぶりに駄菓子を満喫しました~。駄菓子の大人買いって楽しいですね!

懐かしの駄菓子の味が恋しくなったら、「上川口屋」をのぞいてみてはいかがですか?

お店情報:

上川口屋

住所:東京都豊島区雑司が谷3−15−20 鬼子母神境内

営業時間:10:00~17:00

定休日:雨、雪、台風などの日

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:森佳奈子

1984年生まれ。岡山県出身。甘いものを食べている時が最高に幸せ。新作アイスが発売される度、ついつい買ってしまう。

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