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今、人気の相続税対策「生前贈与」 でもそこには思わぬ落とし穴が…

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数ある相続税対策において、人気のある対策の一つが「生前贈与」だ。簡単に言えば「生きているうちに財産を贈与する」こと。通常は贈与で財産をもらうと贈与税がかかるが、年間110万円の基礎控除が設けられている。

つまり、年間110万円までの贈与であれば、税金はかからない。その非課税枠を利用し、こつこつ財産を減らしていけば、相続財産を減らすことになるので、相続税対策になるわけだ。

ところがこの生前贈与によって、老後の生活の中で思わぬ落とし穴にはまってしまうというケースもあるという。その「落とし穴」とは一体どのようなものなのか? モメるケースから相続対策のイロハを教えてくれる『相続はつらいよ』(光文社刊)を上梓した税理士・板倉京さんに解説していただいた。

<第3回「生前贈与にデメリットってあるんですか?」>

■「贈与したつもり」でも「生前贈与」にならないケースがある

生前贈与は相続税対策の中でも特に人気の対策です。その理由は、「手軽にはじめられること」と「あげたいものを確実にあげたい人に渡せること」です。しかも、もらった方は喜んでくれる。

あげる方ももらった人の喜ぶす顔が見たいと思いますし、あげる甲斐もありますよね。

この生前贈与、あげたい人に財産を渡すだけなので、ほんとうに手軽に始めることができます。しかし、その手軽さが思わぬ落とし穴を生んでしまうこともあります。

贈与税は1年間にもらった財産の合計額にかかる税金です。110万円までは非課税となるので税金はかかりません。だから、年間110万円ずつ、相続したい相手名義の通帳に積み立てをしている人も珍しくありません。

しかし、ここで認識しておかなければいけないことがあります。

それは「贈与とは契約である」ということ。「あげる人ともらう人の意思疎通」が契約成立の条件となります。相手側に「もらう」という意識がなければ、それは「贈与ではない」とみなされるのです。もらうはずの人が知らない積立預金は贈与になっていないのです。

では、生まれたばかりのお孫さんに生前贈与はできるでしょうか。赤ちゃんは「もらう」という意志を明確に表明できないのですから、生前贈与はできないのでは? となりますよね。

■「生前贈与」の証明を残しておくことが大事

実は、生まれたばかりの赤ちゃんにも生前贈与できるんです。この場合、両親などの親権者が法定代理人となり贈与に同意し、実際に贈与された財産を管理してあげればいいのです。

こういった場合は特に、贈与契約書を作成することで、贈与という契約があったという証明をしておくといいでしょう。

「贈与があったかどうか」ということが問題になるのは、往々にして相続が発生した後です。相続の後ということは贈与の相手側がこの世にいないということ。

贈与を証明するものがなければ、贈与があったことを信用してもらえない可能性があるんです。

こうした事態を避けるためには、現預金の贈与であれば通帳を通して履歴を残す。それも、できれば贈与専用通帳のようなものより、もらう側が通常利用しているような通帳であれば疑われにくくなります。ほかに、先ほど紹介した贈与契約書も有効です。

また、これは当たり前の話ですが、110万円の非課税枠を超える場合は、贈与税の申告をしましょう。

■生前贈与のし過ぎで老後の生活が破綻することに…?

「生前贈与」は今ブームともいえるのですが、私自身は、生前贈与に向いている人と向いていない人がいると思っています。というのも、生前贈与によって自分の老後の生活がうまく立ち行かなくなってしまうケースがあるんですね。

例えば総資産が8000万円で、そのうち持ち家の評価額が5000万円だとします。すると現金は3000万円くらい。そこから相続税対策として生前贈与するとなると、老後に生活を送るためのお金から出すわけで、逆に自分の生活が苦しくなってしまうおそれがあります。

生前贈与しすぎて老後生活が苦しくなるなんて笑えませんよね。

だから、老後資金を確保したうえで、余裕があるなら生前贈与をするという形がベストだと思います。

相続税の節税対策であれば、生命保険を利用するという方法もあります。生命保険は法定相続人一人につき500万円まで非課税です。この非課税を利用して手持ちの現金を生命保険にすることで相続税の節税になるのです。

同じ節税対策でも生命保険であれば、老後資金が足りなくなれば解約することもできます。贈与で一度あげたお金を返してもらうより簡単ですよね。

「ブームだから」とか「子や孫が喜ぶから」と無計画な贈与をしてはいけません。

どのくらい財産を減らしたいのか、減らしても老後の生活は大丈夫なのか、しっかり考えて生前贈与を活用していただきたいと思います。

(最終回へ続く)

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