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Amazonに独占禁止法違反の疑い

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Amazonに独占禁止法違反の疑い

 電子書籍を月980円(税込み)で読み放題とする新サービスを提供し話題を呼んでいる通販大手のアマゾンですが、独占禁止法の疑いのある契約を取引先と結んでいたとして、公正取引委員会が8月8日、アマゾンの日本法人アマゾンジャパンに立入検査に入ったことが判明しました。
 アマゾンのどのような取引内容が独占禁止法違反の疑いを持たれたのかについて、見てみたいと思います。

 独占禁止法とは、正式名称を「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といいます。公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることを目的として、この法律が制定されました。
 市場のメカニズムが正しく機能していれば、事業者は自分たちの工夫によってより安くて優れた商品を提供して売上高を伸ばす努力をし、消費者は自分たちのニーズに合った商品を選択することが出来ます。このように事業者間の競争の存在により、消費者の利益が確保されるというのが、独占禁止法の根底にある考え方です。

 独占禁止法は、

(1)私的独占の禁止
(2)不当な取引制限(カルテル)の禁止
(3)事業者団体の規制
(4)企業結合の規制
(5)独占的状態の規制
(6)不公正な取引方法の禁止
という規制内容を設けています。
 この不公正な取引方法の禁止の中には、下請代金支払遅延等防止法(「下請法」と呼ばれています)という、親事業者と下請事業者との間の取引を公正にして、下請事業者を保護する法律も含まれています。

 この中でも特に問題となることが多いのが、不公正な取引方法の禁止です。
 不公正な取引方法については、独占禁止法19条で禁止されています。不公正な取引方法については、幾つかの行為類型が指定されています。

・共同ボイコット
・不当にある事業者に対して取引を拒絶するような行為をすること
・不当に地域や相手方により差別的な対価を設けること(差別対価)
・不当にある事業者に対して取引の条件や実施について有利又は不利な取扱いをすること
・不当に商品等を低い対価で供給して他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること(不当廉売)
・相手方とその取引の相手方の事業活動を不当に拘束する条件をつけて当該相手方と取引すること(拘束条件付取引)
などが挙げられます。

 独占禁止法に違反した場合は、公正取引委員会から「排除措置命令」が課されることになります。
 私的独占やカルテル、一定の不公正な取引方法については、違反事業者に対して課徴金が課されます。加えて、被害者は違反事業者に対して損害賠償の請求ができます。
 この場合、違反事業者は違反について過失だったとしても責任を免れることが出来ません(無過失損害賠償責任)。なお、公正取引委員会のサイトによれば、これまでの課徴金納付命令の最高額は、1事件の最高額は約270億円、1社に対する最高額は約131億円だそうです。
 このように、違反した場合、事業者は非常に重い責任を負うことになります。

 今回問題となったアマゾンジャパンの行為は、アマゾンジャパンが日本の取引先との契約で、ライバルに有利な条件とするときはアマゾンに通知する、最低でもライバル社と同条件でアマゾンと契約するという条項をつけた行為だそうです。
 これは、取引先とライバル社の事業活動を不当に拘束する条件といえますので、拘束条件付取引に該当すると考えられます。

 アマゾンについては電子書籍分野で欧州の独占禁止法に相当する法律に違反する疑いで調査が進められているという事実もあるようです。
 日本でも多くの利用者を抱え、無くてはならない存在となっているアマゾンですが、それぞれの国や地域のルールを遵守した上で、事業を展開していただきたいと思います。

元記事

Amazonに独占禁止法違反の疑い

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