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「歩きスマホ」するくらいなら、インスタントカメラを片手に街歩き! 写真家・安藤きをくさんと下北沢の街を歩いてみた

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はじめまして! ライターの佐々木ののかです。みなさんは普段写真を撮るとき、何を使っていますか? ほとんどの方が「スマホ」と答えるこのご時世。しかし、デジタル主流のなか、最近フィルムカメラの人気がじわじわと上がってきているのだそう。中でもとりわけ人気なのが、気軽に撮れるインスタントカメラです。

けれども26歳のわたしでさえ、最後にインスタントカメラに触れたのは中学生の頃。どうすればカッコいい写真が撮れるのか“テクニック”を知っている学生は、あまり多くないのではないでしょうか。

そこで今回は、インスタントカメラの使い方を人気フォトグラファーの安藤きをくさんに教えてもらうことにしました。ドラマ性のある安藤さんの写真はTwitterやInstagramなどのSNSに端を発して大ブレイク。今でもファンの裾野を広げ続けています。Photo by Kiwoku Ando

Photo by Kiwoku Ando

これらの作品はすべてデジタル一眼で撮影されたもの。けれども写真を撮り始めた当初は、インスタントカメラを使っていたこともあるという安藤さんに、インスタントカメラの撮り方を教えてもらいます!

まずは基本から! 安藤さんに聞く、インスタントカメラの“いろは”

街に繰り出して写真を撮る前に、まずは安藤さんにインスタントカメラの基本知識を教えてもらいました。

「写ルンです」は安易にすすめない!?

今回の撮影に使うのは、「写ルンです」。もはやインスタントカメラの代名詞でもある「写ルンです」ですが、安藤さんは「安易にはすすめられない」とのこと。カンタンに撮れるのに、どうしてですか?

「『写ルンです』は性能が良いぶん、誰が撮ってもうまく撮れるようになっているんです。設定をいじらなくて良いので、写真の勉強にならなかったり、結局自分の弱点が分からなくなったりするので、『フィルムカメラを真剣にマスターしたい』と思っている人には、オススメできません」(安藤さん)

プロカメラマンとして活躍する安藤さんならではの考え方ですね。「誰でもうまく撮れる」と言われると、私なら飛びつきたくなっちゃいます……。

画角を意識すると、面白くなる!

インスタントカメラを使うときに意識したほうが良いのは「画角」(がかく)。日常生活ではあまり聞くことのない言葉ですが、画角とは、カメラでいうと「写真に写る範囲のこと」なんだそう。インスタントカメラの画角は広め(広角)で、画角が広くなればなるほど、写真に写る範囲も広がります。

また、写真が歪むのも画角が広いカメラの特徴。

「中心点から離れるほど歪むので、写真の縁に写りこんでしまった人の顔は曲がってしまうこともあるんです。ただ、“近いものは大きく、遠いものは小さく”写る広角は、遠近感を強調できるので、ユニークな写真になります。画角が広いカメラの強みと弱みを知り、それを活かしていくと撮影がもっと楽しくなるのでは」(安藤さん)

カメラを持って下北沢の街に繰り出そう!

インスタントカメラの“いろは”を教えてもらったところで、下北沢の街に繰り出します! ここからは、街歩きの様子と、写真を現像した後の“同時中継”でお送りします。

安藤さん(以下、安藤):いつもデジタルでしか撮らないので、緊張するなぁ……(笑)。

ののか:わたしもインスタントカメラなんて修学旅行ぶりですよ! ドキドキするけど、楽しみです!

安藤:ののかさん、いいですね! ためらいもなくバシバシ撮ってる背中がすごくいいですよ! 僕が言うのも何か変だけど、カメラマンっぽい。

ののか:本当ですか……! 安藤さんに褒めてもらえると嬉しいです。逆に安藤さんは、じっくり狙いを定めて撮るタイプなんですね。

安藤:そうなんです。僕、デジカメでもあまりたくさんシャッターを切らないタイプで。フィルムだと余計、慎重になってるかもしれませんね。

ののか:写真自体にも、その人の性格が出るものですか?

安藤:性格も出るし、そのときの精神状態も出ますね。僕は、写真に気持ちがそのままにじみ出るのが面白いなと思って、写真を本格的に撮り始めた経緯があるんです。

ののか:何だか占いみたいですね。出来上がりが楽しみです! たくさん撮るぞー!Photo by Nonoka

Photo by Nonoka

Photo by Nonoka

「心の琴線に触れる」瞬間にシャッターを押す

ののか:あの、安藤さん……。さっきからわたしが撮ってる写真、すごく暗い気がするんですけど……。

安藤:そうかな?(笑)。でもどの被写体も、ののかさんの琴線に何かしら触れたものなんでしょうね。

ののか:安藤さん、何を撮ってるんですか?

安藤:ちょ……っと待ってくださいね。Photo by Kiwoku Ando

ののか:鳩が飛ぶ瞬間を待ってたんですね。プロが撮ると、インスタントカメラでもこんなに雰囲気のある写真になるなんて、すごい!

その後も、Photo by Kiwoku Ando

独特の視点でPhoto by Kiwoku Ando

Photo by Kiwoku Ando

下北沢の街を切り取っていった安藤さん。


レンズの位置には要注意!

ののか:ちょっと気になってたんですけど、安藤さんは写真を撮るときに、おでこを押さえるのがクセなんですか?

安藤:インスタントカメラが小さいので、レンズに前髪が入っちゃうんですよ(笑)。ファインダー越しには問題なくても、レンズに指が被ることもあるので気を付けてくださいね。

ののか:レンズ越しに、指、ですか……?Photo by Nonoka

ガッツリ入ってる……!

ののか:うわ~ん、安藤さん、言うのちょっと遅いですよ~。 思いっきり指入っちゃったじゃないですか~!

安藤:すみません……(笑)。デジタルと違ってファインダー越しに見えている景色がそのまま写るわけじゃないっていうところも、インスタントカメラのミソですね。

ののか:しかと心に刻んでおきます……!

その後、近くのカフェに移動。

店内の撮影を進めていたわたしたちですが、ここで事件が……。

室内や薄暗い野外ではフラッシュを焚こう

Photo by Nonoka

暗すぎる……!

ののか:安藤さん……私の写真、どうしてこんなことに!?

安藤:これは、フラッシュを焚かなかったことが敗因ですね。室内撮影に関しては、他にも色々とポイントがあるので、以下のようなことに気をつけてください。 ・壁を背にするなどして被写体に光が当たるように工夫し、逆光を避ける(どうしても逆光で撮りたいときはフラッシュを焚く)

・よほど室内が明るくない限りフラッシュを焚く

・室内にある小物に近付き過ぎるとボケるので注意すること

ののか:フラッシュを焚く際に注意したほうが良いことはありますか?

安藤:そうですね。室内に限らず、屋外でも薄暗い時にフラッシュを焚いたほうが良いこともあります。フラッシュを焚く際の注意点は以下の通りです。 ・被写体に近付き過ぎず、離れすぎないようにする(パッケージでフラッシュの有効距離を確認)

・フラッシュは直接当たるので、手前のものより奥にあるものは影となって暗くなってしまう

・フラッシュに指がかからないようにする

・微妙な明るさのときは、フラッシュにティッシュをかぶせると白飛びを防げる

ののか:ありがとうございます! フラッシュにティッシュをかぶせて明るくなりすぎるのを防ぐとか、ワンランク上のプロの技術っぽくて嬉しいです!

ピントの合う距離を意識しよう

ののか:ところで、フラッシュのことはわかったんですけど、“小物に近づきすぎるとボケる”というのはどういうことですか?

安藤:これは室内に限らない話なのですが、インスタントカメラは一般的に1m未満の距離まで近づくと、ピントが合わなくなってしまうんですよ。被写体が人の場合、よほど仲が良くなければ近づかない距離なのであまり心配しなくて良いんですが(笑)。室内は小物が多いので、つい寄って撮りたくなってしまうので注意が必要ですね。

ののか:なるほど……。小物に寄って撮れないとなると、室内撮影ではどんなふうに撮影するのが良いんでしょうか?

安藤:そうですね。インスタントカメラは遠近感を表現するのに長けているので、柱や扉、小物などを前にして奥の被写体を撮ると、奥行きのある写真が撮れますよ。

ののか:インスタントカメラの強みを活かした撮影方法ってことですね! 今度から、空間をとらえるような撮影の仕方を意識してみます。ありがとうございます!

インスタントカメラで気軽にアーティスト気分を

その後、フィルムがなくなるまで写真を撮りきり……Photo by Kiwoku Ando

Photo by Kiwoku Ando

Photo by Kiwoku Ando

無事、撮り終えました~!

【料金】

インスタントカメラ代(「写ルンです シンプルエース」) 800円

現像代 702円

Lサイズ1枚 42円

(※税込価格。2016年7月時点、パレットプラザ下北沢西口店の場合)

もし27枚撮りなら、本体代含め、しめて合計2,636円。しかも、今回はお店に持ち込んでから約30分で現像してもらえました! こんなに早いなんて……スマホのカメラロールを整理するより早いかもしれません(笑)

一眼レフカメラのように重いわけでもなく、ポケットに入れて、街を散歩しながら、アーティスト気分で風景を切り取れて、このお値段ならけっこう手軽に始められそうです。

ののか:かれこれ10年ぶりくらいのインスタントカメラでしたが、気軽に撮れて楽しかったです。

安藤:僕も2年前に途中まで撮って、そのままになっているインスタントカメラが家にあるのを思い出しました。撮りきって現像に出してみようかな。怖いけど(笑)。

ののか:タイムカプセルみたいで夢がありますね。インスタントカメラ、今後も使っていこうと思います。安藤さん、今日はありがとうございました!

まとめ

気軽に撮れて、形に残せるインスタントカメラ。

いつものスマホもいいけれど、この夏の思い出を残す道具に古き良きインスタントカメラをチョイスするのも粋かもしれません。

 

取材協力:kate coffee、パレットプラザ下北沢西口店

構成・取材・文:佐々木ののか

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