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人工知能が導く「ドローン宅配」の未来とは?

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小型無人飛行機“ドローン”を、宅配サービスに活用する研究が進められている。今年4月、千葉市は企業・研究機関とタッグを組み、世界に先駆けて都市部における宅配ドローンの実証実験を幕張新都心にてスタートさせた。

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「2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を目標に、ドローン宅配の実用化を目指しています。幕張新都心には約2万5000人を超える人口がおり、また、新たに1万人規模の超高層マンション群の建築予定があるなど潜在的なニーズを秘めています。超高層マンションに荷物を届ける試みも含め、ビジネスを見据えたより現実的な実験ができると考えています」(千葉市総合政策局総合政策部幕張新都心課・特区推進担当課長・秋庭慎輔氏)

7月12日現在ではまだ、4月に初回の実験が行われたばかり。今後、月に1回行う実証実験により、法規をはじめとする様々な課題を炙り出していくという。

「現時点では、既存のドローンの飛行ルールに則って実験を運用しています。事業として成り立たせるためには、騒音やプライバシー、事故が起こったときの危機管理などが課題。どのようなルールや規制緩和が必要なのか、それを明確化させるための実験でもあります」(秋庭氏)

では、技術面はどこまで進んでいるのか。一般的なドローンはラジコンのようにリモコン操作を必要とするが、実証実験で用いられているのは“自律制御式”、つまりドローンが自動で任務を遂行するというものだ。その技術について、開発を主導する野波健蔵氏(自律制御システム研究所代表取締役)に解説してもらった。

「配達元から宅配先までの目標の軌道をドローンにプログラミングすることによって、自動でも正確に飛ぶことができます。さらに、ドローンには速度の変化を測る『加速度』、プロペラの回転速度を測る『角速度』、方位を判別する『コンパス』、この3つのセンサが搭載されていて、受け取った信号を計算することによって姿勢を制御します。もし風が吹いた場合には、その分だけ強い力を発生させて推進力をアップし、バランスをとるよう仕組み化。これによって風速20mまでの飛行が可能になります」(野波氏)

●人工知能搭載の宅配ドローンはドライバーの仕事を奪う?

現状でもかなり精度の高い自律制御飛行が可能になるというが、ここからさらに性能を高めていくうえで“自分で考えて成すべき動作を導く”という、いわゆる人工知能の搭載が検討されていく可能性もあるという。

「異常が発生したときに、原因を追究するという意味では人工知能の方が優れていると思います。自律制御は開発者がインプットした計算式で実行できるものなので、飛行そのものについては人工知能を必要としません。しかし、計算式に組み込まれていないような複合的な異常が発生したとき、『これは一体どういう原因で異常が発生しているのか』というのを分析するうえでは、人工知能が適していると考えています」(野波氏)

たとえば、機体の高度が下がったとき、なぜ高度が下がったのかという原因について、現状ではドローン自身が分析することは叶わない。

「プロペラに異常が発生しているのか、発熱があるからなのか。人工知能を使うことにより、それらを探求することも可能になるのではないかと期待できます。そうなれば、より性能が強化されることになるはずです」(野波氏)

4年後をメドに普及を目指している宅配ドローン。実現すれば“空の産業革命”ともいえる大きな変化が巻き起こりそうだが、気になるのは宅配業に従事する人の今後。宅配ドライバーの仕事を奪うことにはならないだろうか?

「その心配はないと考えています。そもそも、今の流通業界は深刻な人手不足。ネット通販の即日宅配サービスなどの影響もあり、ドライバーさんが慢性的に足りていません。そんななか、高層マンションの最上階にボールペンひとつ届けるのはいかにも非効率ですよね。そこはドローンに任せ、重い荷物や貴重品などは人の手で届ける。宅配ドローンの導入により、そういう棲み分けが進むのではないでしょうか」(秋庭氏)

また、野波氏も次のように語る。

「宅配料金は確実にコストカットが実現できます。また、道路などのインフラが不要になるので、とくにインフラが整備されていない発展途上国は、宅配ドローンを使うことで道路開発をしなくても荷物を運べるエリアが増え、むやみな自然破壊を防ぐことにもつながるはずです」(野波氏)

ゆくゆくは、配達元から荷物をベルトコンベアで流し、それをドローンが自動でキャッチ、離陸→宅配→帰還までを自動化させたいと野波氏。宅配ドローンが頭上を飛びまわる世界は、そう遠くないのかもしれない。

(末吉陽子/やじろべえ)

 

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