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ブランドは「結果論」で生まれる。世界に認められたウイスキーメーカー

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小さい会社だからこそ、ブランドを確立し、世界に通用する製品をつくる。

さまざまなモノが溢れている時代で、それは中小企業が生き残っていく一つの方法だろう。

では、どのようにすれば、ブランドを成長させることができるのだろうか。

『世界ナンバーワンの日本の小さな会社』(山本聖著、クロスメディア・パブリッシング刊)では、ウイスキーブランド「イチローズモルト」を育ててきたベンチャーウイスキー取締役社長の肥土伊知郎氏、日本で唯一の馬具メーカー「ソメス」をソメスサドル代表取締役の染谷昇氏への徹底取材から、「ニッチ・トップ戦略」を紐解いていく。

■世界から認められる小さなウイスキーメーカーに学ぶ

2006年、肥土氏が世に送り出した「イチローズモルト カードシリーズ King of Diamonds」が、ウイスキーの本場イギリスの専門誌「ウイスキー・マガジン」で、日本産ウイスキーとして最高得点「ゴールドアワード」を獲得する。

さらに時をおかず、日本唯一のウイスキー専業メーカーとして、埼玉県秩父市に自ら設計した小型の蒸留所での自主操業を開始。初出荷製品は、アメリカのウイスキー専門誌ウイスキー・アドボケート・アワードの「ジャパニーズ・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」の受賞を成し遂げたのだった。

世界が認める日本唯一のウイスキー専業メーカーとなったベンチャーウイスキー社長の肥土氏は、ブランドについてどのように考えているのだろうか。

■ブランド価値は「結果論」である

肥土氏のブランディングに対する考え方は明快である。メーカーである以上、エネルギーを割く方向性はものづくりであるべきで、ブランドはあとからついてくるものだというもの。イチローズモルトのブランド価値は「結果論」ということだ。

本書の中で肥土氏は、ものづくりにこだわり、コツコツと積み重ねてきたことが、愛好家に知られるブランドに育ったと語る。それは、「気づいたら『イチローズモルト』という名前が一人歩きをはじめていた」感覚なのだそうだ。

従業員10名以下のベンチャーウイスキー。採用基準は一般的な常識とはかなりかけ離れている。リクルート活動は一切していないが、同社が求める人材は、本物のウイスキー好きだ。ウイスキー好きな人間が志願してきて、本気度が伝わってくればその都度、採用するという。

定期的なリクルート活動で社員数を増やして会社を成長させるという考え方ではなく、少しずつメンバーが増え、徐々に会社も成長していくスタイルを続けていくというのだ

本書では、ベンチャーウイスキーともう一社紹介している。日本における唯一の馬具メーカーとして「ソメス」ブランドのカバン・バッグを製造する社員数約100名のソメスサドルだ。「北海道発、日本のエルメス」とも評される高付加価値のカバン・バッグを製造し、宮内庁をはじめ日本政府でも世界のVIPのおもてなしに提供されている。

日本が世界に誇る製品をつくっているベンチャーウイスキーとソメスサドルは、どのようにブランド価値を創造していったのか。会社が小さくても、日本のものづくり、経営者の時代の流れを読み解く力を学ぶことができる一冊だ。

(新刊JP編集部)

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