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患者はわずかだけど決して無視できない。「希少疾患」を医師に聞いてみた。

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患者はわずかだけど決して無視できない。「希少疾患」を医師に聞いてみた。
患者数の少ない、発症が珍しい病気のことを「希少疾患」と呼びます。日本では「難病」といった呼び方が耳馴染みがあるかもしれません。

この「希少疾患」はどのような定義、そしてどのような病気を「希少疾患」と呼ぶのか、国からの助成のシステムはどうなっているのでしょうか。

そこで今回はこの「希少疾患」について、医師に解説をしていただきました。

希少疾患の定義を教えてください

希少疾患とは、患者数の少ない病気をまとめて呼ぶ呼び名です。例えば、糖尿病や高血圧など患者の多い病気とは対照的な概念で、人口10万人中何人、と表現されるようないわば珍しい疾患です。

どこまでが「希少」か、というのは、国によって定義に差があって、アメリカ合衆国ではアメリカ合衆国全体の中で患者数が20万人未満のものを希少疾患と定義していて、人口の0.06%に当たります。

一方、ヨーロッパでは人口の0.05%を基準としているので、アメリカのほうが少し、ヨーロッパのほうが希少疾患と呼ばれる病気の範囲が狭いことになりますね。

日本では、「希少疾患」という頻度の低さよりも、「難病」「難治性疾患」などといった概念が広く用いられており、ただ頻度が低いということだけでなく、治りにくい、といった意味合いも含んだ基準で国の補助などが行われています。

しかし、その範囲は、ヨーロッパで希少疾患全体で人口の6~8%が罹患しているといわれているのに対し、日本の難病に当てはまる方は人口の1%と少なくなっています。

希少疾患の多くは遺伝性なのですか?

一説によると希少疾患のうち8割が遺伝性があり、寿命に影響を与えるものも多いといわれています。

しかし、範囲があまりにも広く、なぜ遺伝性があるのか、ということは一概に説明することは極めて難しいといえるでしょう。

難病は希少性だけでなく、重症かどうかも含めた概念であり、希少疾病は日本の法律である薬事法で「希少疾病用医薬品」を治療に用いる対象となる疾患をまとめて呼ぶ呼び名になるので、いずれも希少疾患とは異なる概念になりますね。

日本で難病とされているものにはどんなものがありますか?

平成27年7月1日施行のもので日本で難病とされているものは、以下のような症状です。

・遺伝性ジストニア※1

・アンジェルマン症候群※2

・完全大血管転位症

・脆弱X症候群※3

・スタージウェーバー症候群※4

※1:遺伝性ジストニア……

自分の意志と関係なく斜頸、顔面痙攣、書痙を引き起こす病気をジストニアと呼び、遺伝性ジストニアは遺伝子異常を原因とします。

遺伝性ジストニアの患者数は全国で500人程度と言われています。

※2:アンジェルマン症候群……

運動発達、精神遅滞や、重度の言語障害、急に笑ったり、興奮したりなどの独特の行動を特徴とする症候群のこと。

※3:脆弱X症候群……

精神発達の異常、注意力の低下、不安感と情緒不安定、他にも自閉症のような行動が症状として現れる疾患のこと。

※4スタージウェーバー症候群……

脳の表面を細かな血管が覆う軟膜血管腫や、眼圧の上昇などの症状を特徴とする先天性の病気。

医師からのアドバイス

難病法の制定に伴い、たくさんの方が国の助成を受けられるようになりました。

難病法とは、「難病の患者に対する医療等に対する法律」の通称であり、これまで特定疾患治療研究事業として国から助成されてきた56の疾患からこの法律により大幅に増えて、現在では306もの疾患が医療費助成の対象になっています。

希少疾患は国によって内容が大きく異なったり、基準があいまいな部分もある概念ではありますが、ヨーロッパの基準によれば人口の数パーセント以上が何らかの希少疾患に罹患していることになり、実は意外と身近なものであることがわかります。

今後、法制度の変化などに、ますます注目していきたい分野ですね。

(監修:Doctors Me 医師)

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