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映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督、厳しい現場でクルーの安全を保つ

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映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に携わった職人たちは、2016年の授賞式で最多となる6つものオスカー像を獲得した。ジョージ・ミラー監督が、撮影チームの創造性を最大に引き出す方法について語った。

どうやって撮影現場の良い雰囲気を作ったのですか?

通常の仕事は、私が「気品の輪(circle of grace)」と呼んでいる、カメラクルーと撮影監督によるユニットからスタートします。彼らが最適に動けるようにするためには、カメラの周りに穏やかな統制を維持することです。人は過度な緊張を与えられると、ベストな仕事はできなくなると思います。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の撮影は非常に激しいものでしたね。

時々、現場の緊張が極度に大きくなります。そうすると、緊張の中で誰が最適な仕事ができるか、すぐに明らかになります。この業界で仕事を始めると、重圧の下でも集中し、落ち着いて仕事をしなければならないことを、すぐに学びます。いわば彼らはスポーツ選手のようなもので、たった1つのミスが命取りになり得るのです。誰もが良い仕事をしたいと思っていますが、仕事が自分の力で制御できなくなってくると、パニックに陥ってしまう人も中にはいます。彼らは意識的に集中を維持しなければなりません。それはある種、本能的な能力でもあると思いますし、それがあるかないかは、この業界で長く働けるかどうかの指標になると思います。

安全が中心的な懸案となりますよね

安全はとても重要です。我々のスタッフには、ショーン・リグビーという、大きくて背の高いニュージーランド人の安全監督者がいました。一見、恐ろしい男に見えますが、実はとても親切で注意深い人です。彼は独裁的ではなかったし、叫ぶこともしませんでしたが、誰もが彼の言う通りに行動できるよう、常に準備していました。ショーンは自分たちの安全を守るためにいるんだということを、すべてのスタッフが理解していたからです。彼の振る舞いは、助監督やスタントマンほか、すべての人に影響を与えていました。

それは、あなたがスタッフを雇用する際に求める条件ですか?

私の仕事は、スポーツのチームをまとめるようなものです。単に各分野のチャンピオンを集めればよいというものではなく、チームとして働ける人を集めなければなりません。私は、自分の専門分野にしか興味のない映画製作者は求めていません。スタッフとして、常に映画全体のことを考えられる人が必要です。よく言いますよね、「我々は1つだ」と。

例えば、チームワークの例としてどんなものがありますか?

メイクアップのスタッフは、俳優のパフォーマンスに不可欠な存在ですが、ただ見栄えのするメイクをすればよいというわけではありません。今日、どのようなシーンが撮影されるのか、常に理解したうえでメイクを仕上げなければならないのです。メイク担当は、メイクのプロであるだけでなく、俳優の準備の一端を担う役割を任されているというわけです。

決定的なものは、効率と創造性のどちらなのでしょうか?

両方です。先ほども触れたように、監督は色々な意味で、サッカーのコーチのようなものです。監督の仕事の1つは、力強い戦略を立てることです。もしそれがうまく行けば、誰もが自由に、素晴らしく、創造的な方法で自分を表現することができます。それは、スタッフに「輪」ができていくための、最も重要な段階となります。その法則は、デザイン、カメラ、音響、音楽にも通じるもので、良いスタッフが得られれば、凄まじい量の創造的なエネルギーが生まれます。優秀なスタッフは、映画に特別なクオリティを与えてくれます……そんなチームを得られるなら、私は何も心配することがありません。

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