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なぜ毎日食べたくなる? 芳醇なうまみの丸鶏スープ絶品ラーメン【高円寺】

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はじめに断っておきますが、筆者はいわゆる「ラーメンマニア」ではなく、月に2~3度、思い出したように食べに行く程度のラーメン好きです。むしろ「毎日ラーメン店を食べ歩く」くらいの熱いマニアたちがうまいラーメンについて口角泡を飛ばしているのを見ると、若干引いてしまうタイプ。

いや、でも気持ちはわかりますよ。自分が「ここのラーメンはマジでうまい!」と信じているお店を誰かに教えたくなるのは。でもただでさえしょうゆ、塩、味噌、とんこつと基本の種類があって、さらに家系、二郎系、天一系、台湾系と特色豊かなラーメン店やそのインスパイア店、油そば、つけ麺と、どんどん領域を広げていけば、際限ないほどさまざまな種類があるじゃないですか。その中から「これぞ至高の一杯」と決めてしまうのは、いささかもったいないような気がして。気分によって、「今日はしょうゆかな」「つけ麺いっとくか」みたいな感じで選ぶのが健全なんじゃないかと思うのです。

で、筆者が「今日は塩だな」っていう気分の時にほぼ例外なく足を運ぶお店が、今回ご紹介するお店です。

やってきたのは東高円寺駅のほど近くにある「Bia Bia(ビアビア)」というラーメン屋さん。「ニコニコロード」という商店街から入ってすぐのところにあります。

迎えてくださったのは店主のマスウド・ニコナムさん。そう、ニコナムさんはイラン・テヘランのご出身なのです。日本に来られてちょうど25年だそうで、いつもほがらかに挨拶してくださいます。

──今日は取材に来ちゃいました! よろしくお願いします!ところで、よく尋ねられると思うんですけど、どうして日本でラーメン屋さんをすることになったのですか?

日本に来て工場で働いていたんだけど、近くにいつも人が並んでいるお店があったの。何を売っているのかわからなくて、なかなか入れなかったんだけど、しばらく経ってやっと中に入って食べてみた。それがラーメンだったんです。

でも、イランでは麺なら麺だけ、スープはスープだけで食べるから、『これ、何?』って、不思議な味だと思ったの。でも、なんだか気になって、それからよく食べるようになって、いろんなお店に行くようになりました。だけど、ラーメンって正解がないでしょ? 全部違うし、おもしろい。そのなかで特にとんこつラーメンが好きになって、1999年から長浜ラーメンのお店で働きはじめました。

ニコナムさんは7年ほどそのお店で働いた後、青物横丁にある家系ラーメンのお店「まこと家」、芦花公園にあったアメリカ人店主のお店「アイバンラーメン」(※現在はニューヨークに移転)に勤めながらラーメンを研究し、自分のお店を開くことにしました。それが2012年12月にオープンした「Bia Bia」だったのです。「Bia Bia」とは、イランの公用語、ペルシア語で「ようこそ」という意味です。

──お店を開くにあたって、「自分のお店の味」をどうやって決めたんですか?

僕はとんこつラーメンが大好きだったんだけど、40歳を過ぎてからキツくなってきてね(笑)。だから、毎日食べられるような、身体に優しいラーメンを作ろうと思ったの。うちのラーメンは化学調味料も使ってないし、いい素材を使ってるよ。

スープは大山鶏をまるごと8〜9時間煮込んだものと、魚介系のだしをブレンドしたもの。タレは塩と醤油の2種類で、たまねぎ、しょうが、ニンニク、リンゴなど香味野菜がたっぷり入っています。麺は自家製で、パン用の北海道産「ゆめちから」とうどん用の福岡産「ちっご祭り」という小麦粉を独自の配合でブレンドし、毎日製麺しているものなのだとか。

「はい、お熱いので気をつけてくださいね」

ニコナムさんに作ってもらったのは、「Bia Bia special ラーメン(ライ麦入り麺)」(1,000円)。上に乗っている赤い実は「zereshk(ゼレシュク)」というベリーで、別名「セイヨウメギ」といってさまざまな健康効果が期待できる「スーパーフード」とも言われているのだとか。

──「ゼレシュク」って、イランではポピュラーなんですか?

イランではお客さんをお迎えする時やお祝いの時に食べる、ちょっと贅沢な食べ物なの。オリーブオイルと砂糖で炒めて、ご飯の上にかけて食べるんだけど、僕の家では週に1回くらい食べていたかな。

──へー、ちょっと特別な食べ物なんですね。そっか、だから“special”なんだ。

そうそう。あとはアーモンドとピスタチオ、それとネギをかけてあるよ。鶏もも肉のチャーシューは、大山鶏をサフランやクミンなどのスパイスに一晩漬けてローストしたもの。麺はライ麦粉が入っているから、いつものとはちょっと違うよ。

(ズズズッ)。お! ツルツルっとした喉ごしと、噛みきるとプチッ、モチッとしていて、独特の食感です。細麺だから、どんどん食べられます。

そしてこのスープがもう……塩ベースであっさりしてると思いきや、鶏と魚介のだしがギュっと凝縮されていて、サラリとしているのに芳醇なうまみ。わ! 「ゼレシュク」の甘酸っぱさとスープの甘さが口の中で広がる! 絶妙なバランス!

鶏もも肉のチャーシューをかみ締めると、鶏肉のジューシーなうまみの後をサフランの香りが追っかけてきて、これまた良いアクセント。

塩分や化学調味料のヒリつき感がまったくないので、本当に冗談抜きでいつもスープを全部飲み干しちゃうんですけど、今日もやっぱり完食してしまいました。「毎日食べたくなる」のにもうなずけます。

ジャズが流れるオシャレなカウンターや、

棚にはイランから買ってきた小物も飾ってあって、店内はとても洗練された雰囲気。実際、私みたいな女性ひとり客も多いんですって。うん。わかる。

とはいえ、気さくなニコナムさんと、たまに日本人の奥さまもいらっしゃるお店は、老若男女問わずいつもにぎわっていて、一度来たお客さんはほぼ間違いなくリピーターになるという支持率の高さ。基本の「塩ラーメン」(750円)や「醤油ラーメン」(750円)はもちろん、低温でじっくりローストして甘みを引き出した「ローストトマトラーメン」(900円)も絶品だし、季節ごとにいろんな新メニューが登場するから、何回行っても飽きないんですよね。

……原稿を書いていたら、また食べたくなったので、筆者は明日お店に出かけようと思います。では!

お店情報

Bia Bia

住所:東京都杉並区高円寺南1-6-6 吉川ビル1F

電話番号:03-3317-7154

営業時間:11:30〜15:00、17:30〜22:00(土曜日・日曜日は11:30〜21:00)

定休日:月曜日(祝日の場合営業)、不定休

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:大矢幸世

転勤族の父親と夫を持ったがために、愛媛、群馬、東京、京都、福岡、鹿児島、福井を渡り歩いた流浪系ライター。現在地は東京。地元はしいて言えば福岡。立命館大学卒業後、百貨店勤務、フリーペーパーの編集を経てフリーランスに。月刊誌や広報誌、WEBなど各媒体で執筆中。著書に『鹿児島カフェ散歩』(書肆侃侃房)。

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