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第71回 刑務所の一日(刑務作業)

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 朝7時50分ころから刑務作業が開始されることは前に書いた。私は木工工場しか知らないので、木工工場での刑務作業を中心として刑務作業の説明をしていくことにする。

 木工工場は、一段高い場所にいる担当刑務官から見て、一番左奥が「研磨班」と呼ばれるグループ、一番右奥が「機械班」と呼ばれるグループ、真ん前にも一つの班があるのだが、班名を失念している。なんか、木工工場とあまりなじまない班名だったので完全に記憶が欠落している。
 それぞれに班長がいる。配属されたならば、誰でもまずは研磨班での刑務作業となる。具体的にどのような作業なのかは、今後触れる機会があるかもしれない。

 刑務作業中は、脇見をすることなく作業に従事しなければならないが、いろいろと材料を取りに行ったり、完成品を運んだりするので、四六時中下を向いているわけではない。ただ、あまりキョロキョロしていると、担当刑務官から注意を受ける。

 何かの本で読んだ事前知識によれば、自分の持ち場を離れるときには、直立不動で右手を高く上げて、刑務官に向かって、「お願いします」と言い、刑務官から指差しされて用件を述べ、「よし」と言われて初めて離席をすることができるのであって、勝手な離席は許されないはずであった。また、後日説明をする新入訓練でもそのようにきつく訓練を受けていた。

 しかし、そのようなことはない。所属している班の中での移動であれば、いちいち許可を取る必要はなかった。作業の効率からすれば当然のことか。
 ただ、他の班に行くときは、必ず許可を得る必要がある。それほどあることではないが。

 1時間ほどで作業区域ごとに(例えば研磨班、機械班ごとに)トイレタイムとなり、食堂入り口近くに用意されているお茶を2杯飲むことができる。
 そこにいろいろな掲示物があり、例えば明日は白物洗濯の日だとか、職業訓練の募集だとか、次の休日に放映される映画の題名などが掲示されているので、それを確認する。
 また、お茶を飲む流し台の後ろの机には、願箋が用意されているので、目的の願箋を取り出して、氏名番号を記載して、別の箱に入れておく。計算工と言われる人が、そこから願箋を回収して、昼休憩時間に計算工から呼ばれて指印を押して返すと、夕方には通役袋に入れられて、自分の手元に来るのである。

 その後10時になると休憩である。担当台の前に整列して点呼を取った上で食堂に行く。このときもトイレに行くことができる。この休憩はほぼ正味30分ある。
 食堂に入り、決められた4人掛けのテーブルでの談笑時間となる。新聞も回覧される。この時間、刑務官に用のある人は刑務官に用向きを告げることになる。
 例えば、居室のトイレ掃除用のクレンザーがなくなったから補充してもらいたいなどだ。歯痛のときには、担当刑務官が用意してある鎮痛剤をもらうこともできる。

 10時30分になると朝と同じように整列点呼の上作業開始となる。11時30分ころに再度トイレタイムがある。
 そのころになると、衛生係や刑務官から指定された者が、4人ほどであったか、食堂に入り、炊場から運ばれてきた食事を、一人分ずつ取り分け、テーブルに並べていく。

 昼食は12時からである。12時前に「作業終了」の合図で整列点呼、手洗いをして食堂に。12時からは「笑っていいとも」を見ながらの食事となる。今はその番組は終了したが、何を見ているのだろうか。
 食事時間はかなり早い。さっさと食事を終わらせ片付けをする。後ろの机から種類ごとに重ねられた空食器が回ってきて、それをさらに前の机に回し、最前列の机の者が、台車に置かれている箱に入れていく。

 食後は談笑時間となる。ただし、原則として各自が着席をしている机から他に移動しての談笑は禁止されている。隣の机の人と話すことができるくらいで、ほとんどは同じ机の人と話をすることになる。
 新聞も回ってくるし、図書カードも回ってくる。週末には、昼食時間にゴーグルや防塵マスクを手洗いし、予備のゴーグルなどを作業台に置いていく。冬は、この手洗いが辛い。(つづく)

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第71回 刑務所の一日(刑務作業)

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