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【二択】5人の犠牲、1人の犠牲…どっちが正しい?

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J-WAVE月曜ー木曜22時からの番組「AVALON」(火曜ナビゲーター:KenKen)。今週のAVALONは夏休みの今だからこそ、“いつも考えない事を真剣に考えてみる”ということで、一週間を通して「命」について考えていきます。8月9日のオンエアでは、「人のために犠牲になれるか?」という議論のテーマが「我流の会」に与えられました。

番組では、「ある人を助けるために、他人を犠牲にすることは許されるのか?」という有名な倫理学の思考実験「トロッコ問題」を基に、「命の重さ」について議論しました。その「トロッコ問題」とは次の2問。

問1:あなたは路面電車の運転手です。線路の行く手に、5人の労働者がいることに気づいて電車を止めようとしますが、ブレーキがききません。このままでは、5人を轢き殺してしまいます。しかしそのとき、脇に逸れるもう一つの線路があることに気づきます。ところがその先にも、労働者が1人います。ハンドルを切って脇の線路に入れば、1人は殺してしまいますが、5人は助けることができます。さて、あなたならどうしますか?

これにKenKenは、それぞれの労働者が、自分と知り合いかどうかによっても考え方が変わってくるとは思いますが、と前置きした上で、「単純に助ける人数が多い方に正義がありそうな感じがしますけど…」と話します。

問2:あなたは今、電車の線路の上にある橋にいて、見下ろすと電車が来るのが見えました。線路の上には5人の労働者がいます。ブレーキはききません。このままでは、電車は猛スピードで突っ込み、5人は死んでしまいます。何もできないと諦めかけたとき、隣に橋から身を乗り出している、ものすごく太った男の人がいることに気づきます。もしあなたが、その男性を突き落とせば、男性は死んでしまいますが、電車はストップし5人を助けることができます。さて、あなたならどうしますか?

1問目との違いは、5人を救うためとはいえ、死なずに済む人を自分の手で犠牲にできるか? というところと、「何もせず傍観する」という選択肢があるところでしょうか。想像するだけで暗い気持ちになってしまいますが、「命の重さ」について考えるとこには、避けて通れない問題です。

「これは、賛否両論というか…全部が正論に近い話だと思うからこそ、一生終わらない問題なのかも」とKenKen。

そして今回、この「トロッコ問題」に関して詳しい千葉大学教授の小林正弥さんをゲストにお招きしました。小林教授の講義では毎年必ずこの「トロッコ問題」を取り上げるのだそう。

「世の中のことを考えるときには、我々は利益にせよさまざまな問題にせよ、“数量”の問題から考える傾向にあるわけですけれども、これを、命の問題でも考えてみようというのがこの問題のポイントなんです」(小林教授) 

この問題を聞いた人は、やはりほとんどは「5人を助ける」と答えるそうなのですが、ここからわかる人間の心理や本質を小林教授にお聞きすると「我々は命の問題ですら、どうしても数の方から考えがちになってしまう」とのこと。つまり、“人間は人の命すらも自分の利益とつなげて考えてしまう生き物”ということになるそうなのですが…、そう言われると、なんだか寂しい気持ちになってしまいますね。

しかし、これが問2になると答えが変わる人が増えるのだそう。「問1は自ずとどちらかを殺さなくてはいけない状況だから、数で考える。でも問2は、殺さなくていいわけだから、あえて殺すのか? 関係ない人を殺していいのか? という倫理的な問いなんですよね」と小林教授。選ぶ人数は同じでも、問1よりも問2には圧倒的に罪悪感が生まれてしまいますよね。

では、我々は命についてどのような倫理観を持つことが大切なのでしょうか?

「命っていうのは質の問題なので、単純なお金とか数で考えられない、その深みがあるということに考えを広げてほしいですね」(小林教授)。トロッコ問題でいうと、問1はあくまで前置きで問2こそが本題なのかもしれませんね。

この問いで助けられる人の、社会的地位、年齢、自分とどういう関係の人なのか…などによっても答えが変わってきそうですが、あなたなら、どうしますか?

【関連サイト】
「AVALON」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/avalon/

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