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連載旅小説「私はニューヨークなんか、興味がなかった」第2話/恋人紹介業者からスカウトされる!?

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http://tabizine.jp/2016/08/03/87271/

私はニューヨークなんか、興味がなかった。

なのに、私は今ニューヨークに滞在している。会社は不本意な退職だったけど、退職金も貰えたし、人生巻き直しってとこね。

私の名前は、白雪ひとみ(しらゆきひとみ)。まるで、漫画の主人公みたいな名前よね。通称「ヒメ」。苗字がなんたって白雪でしょ。名前についてからかわれるのは、もう慣れっこ。だって、32年間もこの名前をやっているわけだしね。


(C) Hideyuki Tatebayashi

ブルックリンの老舗ステーキ屋には、昔の温泉旅館並みの帳場があった


(C) Hideyuki Tatebayashi

ニューヨークに来て、3日目。

今日はニューヨーク駐在の友人鈴子夫婦が、老舗のステーキ屋に連れて来てくれたの。ニューヨークで今一番トレンドのエリア、ブルックリン。そこにある「ピーター・ルーガー」は、ニューヨークで一番ステーキが美味しいらしい。予約を取るのが大変だったんですって。予約の確認をする受付は、昔の温泉旅館の帳場みたい。手書きの予約受付簿を抱えたバアサマたちが、鼻眼鏡ごしに「ふんふん、アンタたちの予約はこの帳簿にありますよ。あと、20分ほど待ちなさい」とか言っているらしい。私、正直英語はあんまり得意じゃないのよね。特に聞き取りが苦手。え、あなたもそうですって? 鈴子のご主人は商社マンで海外駐在になるくらいだから、英語は堪能。ここは、彼にお任せ。

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(C) Hideyuki Tatebayashi

アメリカの古き良きレストランって感じなのかしら。お客は予約の時間まで、バーで飲んだり、サーバーが次々と運ぶステーキに見惚れたりして待つの。やっとテーブルに案内してもらって、着席。あーあー、お腹すいちゃった。さてさて、何が食べられるのか楽しみ。食べることは大好き。

チョー美味のオニオン・ブレッド


(C) Hideyuki Tatebayashi

うわ、何これ。最初に出てきたパンが、チョー美味しいんだけど。鈴子に「ステーキが入らなくなるわよ」と止められるまで、4個も食べちゃった。数種類カゴに盛られているのだけれど、お気に入りはオニオン・ブレッド。外側はパリッと、内側はしっとり、もっちり。頼めばお代わりも持ってきてくれるの。あなたにも食べさせてあげたいくらい。

薔薇色のステーキに夢心地


(C) Hideyuki Tatebayashi

いよいよステーキのお出まし。名物のTボーンステーキ。外側は焦げ目がしっかり、内側は薔薇色のステーキ。サイドに頼んだジャーマン・フライドポテト(Luger’s Special German Fried Potatoes)と一緒に、男性のサーバーが各自に取り分けてくれるの。ピシッと糊のきいた白シャツとエプロンがプロって感じで素敵。

ステーキは、日本の柔らかいサシの入った肉とはまったく別物。ワイルドな気分にスイッチが入る、噛みしめるステーキ。うまッ!

「白雪さん、気持ちの良い食べっぷりですね」そうだった。忘れてた。鈴子夫婦が連れてきた人がいたんだった。

独身の商社マンとチーズケーキ


(C) Hideyuki Tatebayashi

鈴木亮平にちょっと似た彼は、鈴子のご主人の後輩。海外駐在も、最近は身軽な独身が選ばれることが多いみたい。

「僕は甘いものに目がなくて。ここのチーズケーキは美味しいから、絶対食べなきゃ。デザートは別腹」

ステーキでお腹がはち切れそうだけど、大賛成。クリーミーで、まろやかなチーズケーキは、人生で一等賞に輝く美味しさ。大満足!

年下の彼とブルックリンのフリーマーケットへ


(C) Hideyuki Tatebayashi

腹ごなしのため、ブルックリンのフリーマーケット(Brooklyn Flea Market)へ。このマーケットは週末だけ開催していて、春、夏はアウトドア、秋、冬はインドアで開催しているみたい。

鈴子夫婦は二人で並んで歩いているので、私は鈴木亮平似の彼と歩くことに。

「白雪さんは、ニューヨークはお好きですか?」
「まだ来たばかりだからよく分からないけど、想像より面白そう。」
「僕はニューヨークへ来たくて、海外赴任の希望を出していましたから本望です。学生時代から、ニューヨークが大好きでした」

彼の横顔は生き生きとしていた。東京のオフィスでは、こういう覇気がある人を最近見なかった気がするな。

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地下鉄でスカウトされる?


(C) Hideyuki Tatebayashi

「ヒメ、彼って素敵だと思わない? 今日はヒメのために、彼を誘ったのよ」と鈴子が私に話しかけたと同時に、「ハーイ」とアメリカ人の女性にも話しかけられた。

鈴子のご主人の通訳によると、私に「あなたは独身なの?」と聞いているらしい。頷くと、「You’ve been spotted!(あなたを発見しちゃった!)」と名刺を渡されたの。

い、いったい何事?

彼女は独身者の恋人探しを手伝ってくれる、マッチメイカー(恋人紹介業)。主催のTrain Spottings(トレイン・スポッティングス)は、多くの乗客が乗り降りするニューヨークのアイコン地下鉄(トレイン)こそ、最大の出逢いの場と考えているのですって。現在、ニューヨークは中国系アメリカ人や日系アメリカ人が増加、アジア人の恋人依頼が多くなっていて、私が恋人候補としてお目に留まったらしいの。彼女のマッチングにより、結婚した人もいるそう。「ヒメ、面白いじゃない。素敵な人と出会えるかもよ」って、鈴子は面白がっているし。そんなビジネスがあるなんて、ニューヨークって変わっているわねえ。

ニューヨークは、いろんなことが起こる街。鈴木亮平似の彼やマッチメイカーの話の続きは、またこの次に話すわね。

連載小説「私はニューヨークなんか、興味がなかった」第3話は、8月17日水曜日にお届けいたします。お楽しみに!

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[All photo by Hideyuki Tatebayashi]

※無断で画像を転載・使用することを固くお断りします。Do not use images without permission.

(注)この物語は、フィクションです。

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