職場の人間関係を良好に! 上手に人を「ほめる」8つのコツ

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皆さん、一緒に働く人々と良好な関係を築けていますか。

「優秀な人なんだけど、自分とは何となく距離感があり、頼みごとや相談が気軽にしづらい…」なんて人が周囲にいるかもしれません。自分の仕事に力を貸してほしい、もっと信頼して任せてほしい、チーム力を高めて成果を出したい――などと考えているなら、こちらから一歩距離を縮める働きかけをしてみてはいかがでしょうか。

その有効な手段の一つが「うまく相手をほめる」ことです。ほめ方の伝道師・プロコーチの谷口祥子氏によると、人を「ほめる」ことは、さまざまな効果をもたらすそうです。相手に心を開いてもらえる、相手から好意をもってもらえる、相手のモチベーションが上がる、相手の才能を引き出すことができる、職場やグループが明るくなる…など。

しかし、いざ人をほめようとしても、「どう声をかけていいかわからない」という人も多いのではないでしょうか。そこで、相手をうまくほめるコツ、「ほめ」の効果をより高めるコツを谷口さんに教えていただきました。

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具体的にほめる

「最近の活躍ぶりはすごいですね」「さすがですね」

――多くの人はこうしたシンプルなほめ方をしているかもしれません。もちろん相手に好印象を与えることはできますが、漠然としすぎていて心に響かない可能性があります。相手との心の距離を縮め、強い信頼関係をつくりたいなら、なるべく具体的なほめ言葉を使いましょう。

「あの会社から大型受注できたなんてすごいね」

「あのプレゼン資料、説得力があってよかったよ」

そうすると、相手は「自分のことをちゃんと見てくれているんだ」と実感するでしょう。自分の働きぶりを見て評価してくれる人がいれば自信になり、その人からの依頼なら快く引き受ける気持ちになるもの。あなたにも積極的に協力してくれるようになるかもしれません。

質問スタイルでほめる

「どうしたらあなたみたいに◯◯がうまくできるようになるの?」

「質問」というスタイルをとりながら、相手の優れた点を評価していることを伝える方法です。人は質問されると答えたくなる習性があります。ストレートにほめると「イヤイヤ」と謙遜されてしまい、会話が深まらない可能性がありますが、この方法であれば対話が活発化します。そして相手から情報を引き出すことができ、勉強させてもらうこともできるのです。

「憧れています」とほめる

「私、○○さんのファンなんです!」

シンプルながら絶大な効果を発揮するほめ言葉です。

「ファン宣言」は、能力や行動といった部分的な要素ではなく、その人の存在すべてを愛するという高次元なほめ方。部下から上司へ、後輩から先輩へ、他部署の人へ、取引先の担当者へ…などさまざまな場面で使えます。あれこれと細かいところをほめるよりも、はるかに簡単で、相手から受け入れてもらいやすい方法なので、距離を縮めたい人、信頼関係を作りたい人に伝えてみてください。

第三者へ紹介しながらほめる

面と向かって人をほめるのは苦手…という人は、その人を誰かに紹介しながら間接的にほめる方法があります。

「彼は私がこれまで出会った誰よりも丁寧に仕事をする人間なので、安心して任せられるんです」

「彼女はピンチをチャンスに変える行動力があるので、どんな困難にあってもめげないんです」

これは「ティーアップ」と呼ばれるもの。ゴルフボールをティーに乗せるように、相手を少し持ち上げて紹介するという方法です。持ち上げられたAさんがあなたに好感を持つのはもちろん、紹介を受けたBさんがAさんに丁重に接してくれる効果が期待できます。取引先との商談や打合せに他のメンバーを同席させるシーンなどで活用してみてください。

大勢の前でほめる

朝礼や会議での報告の場などで、

「◯◯さんからいただいた貴重な情報のおかげで商談がうまくいきました。自分も生きた情報をキャッチする力を磨きたいと思います」

こんな風に大勢の前でほめることには3つの効果があります。

・ほめられた本人が誇らしく思い、モチベーションが上がる

・他の人が「自分もほめられたい」と思い、全体のモチベーションが上がる

・周囲から見た、ほめられた人のイメージが良くなる

このようにチームや組織全体に働きかけることができるのです。

ただし、大勢の人の前でほめられると逆にプレッシャーを感じるタイプの人、注目を浴びることがストレスになるタイプの人には、1対1で伝えた方が効果的です。

本人がいないところでほめる

たとえばあまり関係の良くない、AさんとBさんの仲を取り持ちたいときに使える方法です。Aさんには「BさんがAさんの原稿読んで『うまい』ってほめていたよ」と伝えます。多少オーバーに脚色してもかまいません。同様に、Bさんにも「Aさんが『Bさんみたいにうまく話せたらな』って言ってたよ」と伝えます。するとAさんとBさんの関係が良好になるだけでなく、仲を取り持ったあなたに対しても好印象を持ってくれるでしょう。

この「ほめワザ」は、チーム内のコミュニケーションをスムーズにしたいとき、人脈を広げたいときに使ってみてはいかがでしょうか。

コンプレックスを強みに変えてほめる

心理学用語に「ユーティライゼーション」という言葉があります。心理療法やカウンセリングにおいて「その人が持っているコンプレックスや問題点などを含めたすべてのものを問題解決のために活用する」という意味です。たとえば…

話しベタ → 聴き上手で相手から情報を引き出せる

気が小さい → 慎重である。大きな失敗をしない

人の顔色を伺う → 人の気持ちや場の空気が読める

本人が自分の欠点だと思っていることを「使える」個性に変換してあげる。これは本人が自覚している長所をほめるよりもインパクトを与えることでしょう。

プラスのレッテルを貼る

外出先のお手洗いで、「いつもキレイにお使いいただき、ありがとうございます」と書かれた貼り紙を見かけること、ありますよね。「初めて使うんだけど」と心の中でツッコミながらも、「キレイに使ってください」「汚さないようにしましょう」と言われるよりは気持ちのいいものです。

この効果を心理学用語で「レッテル効果」といいます。人に対して「望ましいレッテル」を貼ることで、その人に望ましい行動をさせることができる、という効果があります。

誰かに指導やアドバイスをするときなど、「もっと笑顔で接客しなさい」ではなく、一瞬の笑顔をとらえてほめ、「いい笑顔だね!その調子でがんばって」というほうが効果的です。

―― 以上、相手のキャラクターやシチュエーション、関係性に応じて「ほめ方」を使い分けてみてはいかがでしょうか。

谷口祥子氏/思いこみクリアリングカウンセラー

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株式会社ビィハイブ 代表取締役。1967年生まれ。同志社大学文学部卒。8年間コピーライターとして活動後、携帯コンテンツ事業の立ち上げに参画。もともと人づきあいが苦手で対人恐怖症に陥った経験を持つが、コーチングに出会い、人間関係や人生観の大きな変化を体験。2004年に、プロコーチとしての活動をスタートする。ほめ方やコーチングのプロとして、テレビ、ラジオなどへの出演、日経産業新聞への連載をはじめ、新聞・雑誌などへの寄稿多数。現在は、NLP、ブリーフセラピー、ソリューション・フォーカスト・アプローチ、交流分析、ゲシュタルト療法などをベースに構築した独自のプログラムを用い、「思いこみクリアリングカウンセラー」として活動中。過去のトラウマを根こそぎ解消し、人の持つ限りない可能性を引き出すアプローチで、数多くのクライアントを長年抱えていた心の問題から解放している。ほめ方のプロとして、思い込みをなくすプロとして<すべての人が自分を愛し、人を愛し、人と人がしあわせにつながる世界をつくる>ことをミッションとして活動中。著書に「あたりまえだけどなかなかできない ほめ方のルール」(明日香出版社)、「口ベタでもうまくいく!ほめ方の極意」(講談社)、「自分ホメ~毎日が100%輝く魔法の言葉~」(集英社)、「心のブレーキを解除して、思いっきり!動けるようになる本」(明日香出版社)、「ポケット図解 コーチングがよ~くわかる本」(秀和システム)などがある。

谷口祥子公式サイト http://bee-hive.biz/

EDIT&WRITING:青木典子

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