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睡眠に最適な明かりとは? 部屋の照明の色が寝付きの良し悪しを決める

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PCやスマホが発するブルーライトが睡眠に悪影響を及ぼすことはよく知られています。しかし、ブルーライト以外にも明かりの色は様々。明かりの色によって睡眠の質に変化があるのか、また、睡眠前にふさわしい明かりの色とは何かを調査した研究報告をご紹介します。

人工照明は睡眠の敵? 明かりと睡眠ホルモン分泌の関係

そもそも人工照明の明かりがなぜ睡眠に悪影響を及ぼすのかご存知でしょうか。スマホやPCの明かりに限らず、蛍光灯の明かりも睡眠には決して良いものではありません。それは、光が睡眠ホルモンといわれるメラトニンの分泌量を低下させると考えられているからです。

メラトニンは夕方以降、夜に近づくにつれて脳の松果体から分泌されます。メラトニンによって眠気が誘発されるほか、血圧や血糖値なども睡眠モードに切り替わっていくのです。

また、脳の視床下部の視交叉上核という領域は体内時計をコントロールする働きがありますが、光を見るとここに視神経から光の刺激を受けたという信号が送られ、コルチゾールなどのホルモンが分泌されます。

コルチゾールはストレスから身体を守る「抗ストレス」ホルモンで、ストレスがかかったときに脈拍や血圧を上げて身体の恒常性(バランスが取れた状態)を維持したり、脳を覚醒させて身体の活動を活発にさせたりする大切なもの。しかしその一方で、コルチゾールは睡眠に必要なメラトニンの働きを抑えてしまいます。

本来、コルチゾールは昼の日光が出ている間に多く分泌されることで身体を活発にし、夜は分泌が抑えられるようになっていますが、人工照明の光の刺激によって夜間にコルチゾールが分泌されると血圧や脈拍が上がり、脳は活性化。さらに睡眠ホルモンのメラトニン量は低下してしまうため、ますます眠れなくなるという悪循環に陥ってしまいます。

明かりの色にご用心! ブルーライトで睡眠ホルモンの分泌量が低下する

オックスフォード大学の研究チームは、マウスを使って照明光の色の違いが睡眠に与える影響について調べる実験を行いました。

この実験では緑、紫、青の3色それぞれの人工照明の明かりが入眠時間や睡眠継続時間にどのような影響を与えるか、そしてコルチゾールと同じ副腎皮質ホルモンで、覚醒をもたらすストレスホルモンの一種「コルチコステロン」の濃度変化についても調査を行い、下記の結果が得られたと発表しました。

・緑の明かり…睡眠開始時間が1〜3分早まった

・紫の明かり…睡眠開始時間が5〜10分遅れた

・青の明かり…睡眠開始時間が16〜19分遅れた

また、3色ともコルチコステロン濃度は上がりましたが、特に青い明かりで急上昇したことも分かりました(※1)。

また、2006年にハーバード大学で行われた研究でも興味深い結果が報告されています。

健常な成人16人を対象に、青い明かりか緑の明かりのいずれかを6.5時間当てたところ、青のチームは緑のチームに比べ、メラトニンの分泌量が2倍以上も低下してしまったというのです(※2)。

これらの実験結果から、人工照明光のなかでも特に青色の明かりが睡眠に悪影響を及ぼすことが分かります。TV、PC、タブレット、スマホなどが発しているブルーライトが目を覚まし、脳を覚醒させてしまうというのも納得ですね。

このブルーライトを唯一含まない色が、オレンジです。就寝時間が近づいたら、電子機器類のスイッチをオフにし、部屋全体を白熱球などオレンジ色の明かりに切り替えることで、メラトニンの分泌が促進されるそう。

蛍光灯などの白い明かりにもブルーライトは含まれていますので、夜過ごす時間が長いリビングなどの部屋はオレンジ系の間接照明にしたほうが睡眠にはよいのです。イメージとしては、夕焼けから夕暮れの空のような色と明るさが最適です。

夜用のメガネはオレンジ色のレンズを選ぼう

そして最近注目されているのが、ブルーライトカットメガネ。仕事でPCを使う人たちの眼精疲労を和らげる役割があるなど注目されていますが、そのなかでも特にオレンジ色のレンズのメガネが、ブルーライトカット効果が高いのだそう。

2009年に行われたある実験によると、成人20人を対象に、就寝3時間前にオレンジ色か、紫外線を遮光する黄色のセイフティグラスをかけさせて、睡眠日記をつけてもらったところ、実験終了時にはオレンジ色のグループが黄色のグループよりも睡眠の質が改善したという結果となりました(※3)。

さまざまなブルーライトカットメガネが売られていますが、寝付きをよくしたい場合、夜に使用するメガネはオレンジに近いレンズを選ぶのがよいでしょう。

寝るのは毎日の当たり前の行動ですが、現代社会ではなかなかぐっすり眠ることが難しい時代です。心地良く眠るためには準備が必要。まずは手軽に、部屋の明かりや睡眠前に使用するメガネなどを工夫するところから始めてみるとよさそうですね。

参考:『POPULAR SCIENCE』

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