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MVNO 4社が話す 2016年上半期の振り返りと今後の動向

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7月27日にMMD研究所主催で、「MVNO事業者に聞く2016年上半期の振り返りと下半期の展望」と題し、メディア向け勉強会が行われました。2016年上半期のMVNO市場の振り返りや、下半期に向けて主要な事業者はどのように考えているのでしょうか。

MMD研究所の吉本浩司所長から同研究所の調査結果を披露。

MMD研究所の調査では、格安SIMのメイン端末での利用率は、携帯電話利用者全体の5.6%でしかありません。ただ、昨年4月と今年で比較すると約260%増えており、市場としては大きく成長していることがわかります。この状況はなおも継続して拡大しているとのことです。
いわゆる「アーリーアダプター」が利用者の多くを占めていた頃は、キャリア端末との2台持ち、もしくはサブ端末用に使っていたケースが多かったのが、現在はメイン回線として利用する人が増え続けているとのこと。

利用者の割合を見てみると、最も格安SIMを利用している年代は40代男性で従来同様でした。ただし、細かく見ると40代男性だけが突出していたのが、他の性年代層にも平均化してきています。中でも20代男性、20~30代の女性、さらに60代男女のユーザーが特に増えています。

この要因について、吉本氏は「家族全体で乗り換えるケースが多く、契約者の親世代・子世代が同時に契約していから」だと説明し、家族が同じ通信事業者を利用するのはキャリア契約時と同じで傾向にあることを明かしました。

面白いデータとしては、格安SIM利用者が使用している端末のデータです。最も利用者が多いのはiPhoneシリーズで、続いてXperiaシリーズとなっており、キャリア契約時に使っていた端末をそのまま格安SIMでも利用していることが予想され、必ずしも新規に格安端末とセットで購入しているユーザーばかりではない実態が浮き上がってきました。

また、Xperiaシリーズに次いで、ZenFoneシリーズ、他にもHUAWEIシリーズ、FREETELシリーズと、MVNOが取り扱うメーカーが複数ランクイン。FREETELを除き、ZenFoneシリーズやHUAWEIシリーズというのは、各MVNOのECサイトで「格安スマホセット」としてラインナップしているブランドです。MMD研究所の最新の調査では音声通信付プランを契約するユーザーは6割を占めており、新規もしくはMNPでの移行時に、端末も併せて購入する人が急速に増えていることも説明。

2016年5月時点での利用しているMVNOのシェアをみると、1位はNTTコミュニケーションズの「OCN モバイル ONE」で、続いて「楽天モバイル」「IIJmio」「mineo」「BIGLOBE」と続いています。中でもバツグンの知名度を誇る楽天モバイルは、この1年で大きくシェアを伸ばしています。ちなみに今年2月にMVNOとして参入したばかりの「イオンモバイル」も8位と健闘。やはりユーザーにとって「名前を聞いたことがある」「安心できそう」というのは、事業者選定において重要であると言えるのではないでしょうか。

MVNO各社が自社サービスの振り返りを説明

この日の勉強会にゲストとして招かれていのは、画像左からイオンモバイルの河野氏、OCN モバイル ONEの岡本氏、BIGLOBE SIMの大谷氏、そしてmineoの森氏の四名。

2016年上半期を振り返り、イオンモバイルの河野氏は「イオン各店に寄せられた声を元にプランやオプションを作成し、それがユーザーに受け入れられている。従来あった各キャリアの受付カウンターよりも、自社カウンターのスペースを広げていっている」と、全国213店舗で販売・サポートを行っている同社の強みを説明。

OCN モバイル ONEの岡本氏は「女性ユーザーが拡大しているものの、まだまだ格安SIMについての不安や心配というものがあり、そうした事柄を払拭し、また契約に後押しになるようなキャペーンやサポート体制の充実などを行う」下半期以降の施策の方向性について発言。

BIGLOBE SIM 大谷氏は「MVNOとして最大規模となる8,600カ所のWi-Fiスポットをはじめ、ユーザーがお得に便利に使えるサービスを多数用意。また、通信環境の充実を目指し月に2度の増速キャンペーンをしている。そうした仕組みはより加速させ、ユーザーが意識することなく最適な回線やサービスを使える環境を整えたい」と新たなステージに向けて一層のサービス強化する意思を表明。

mineoの森氏は「独自の取組が好評を得て、(au回線の)Aプラン・(docomo回線の)Dプラン合わせて契約者数が34万人を突破。ユーザーと一緒に創るを独自価値を事業の中核に据え、4月始めた取組としてユーザーからのアイデアを広く集めるアイデアラボには400件の投稿が集まっている。また、トライアルテスト中のプレミアムコースも好調で、ユーザーと一緒にサービスを創っていきたい」と、事業ステートメント「Fun with Fans!」をさらに加速していくとしています。

今夏参入予定のLINEモバイルをどう見る? 普及拡大に必要なこととは
 
後半は座談会のようなスタイルでトークが行われました。テーマのひとつとして、今夏から今秋に参入が予定される「LINEモバイル」について、各事業者がLINEモバイルをどのように考えているかの考えが述べられました。

イオンモバイル、BIGLOBE SIM、mineoの3社は、脅威は感じながらもMVNO全体が盛り上がるので基本的には「大歓迎」としていました。しかし、それらと共通しながらも異なった反応をみせたのはOCN。

OCN モバイル ONEの岡本氏は、LINE利用者におけるLINEモバイルの認知率がは3割程度に留まってること、さらに使ってみたいと答えたのがそのうち3割程度というデータから「知っている人でも興味を持っている方が少ない。これはとてもショックで、業界全体で取り組まないといけない問題である」と、LINEモバイルの発表を以っても、爆発的なMVNO拡大を匂わせるレベルにはまだつながっていないという認識を示しました。

認知はしていても理解に繋がっていないという実情を打破する必要性を再確認できました。

最後に今後の普及拡大で何が必要かという問いに対し、面白い意見を出していたのがイオンモバイルの河野氏で、「サービスの認知拡大には、スマホ利用者の半数が使っているiPhoneの取扱いが必要。SIMフリー版のiPhoneが使えるようになれば」と、現状、格安SIMでもiPhoneが使える人が少なく、不安を抱えている人も多いことを示唆しました。

MVNOの利用者の多くは口コミやネットからの情報によるものが多く、事業者からの告知はもちろんですが、利用者が購入希望者と触れる機会を持つことが今後の普及拡大において重要かもしません。

(文:SIM通編集部)

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