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【ICT×MUSIC #6】 脅威の18歳! デジタルネイティブ世代がメジャーデビューの仕組みを覆す

こんにちは、J-WAVEの小松です! インターネットや通信と音楽の新しい可能性を探る連載企画「ICT×MUSIC」第6回は、言葉を自在に操る脅威の18歳、”ぼくりり”こと、ぼくのりりっくのぼうよみをピックアップ。昨年、現役高校生にして衝撃のデビューを果たした彼の魅力に迫ります。まずは彼のデビューアルバム『hollow world』に収録されている「sub/objective」のMVをご覧ください!

すべてがネットきっかけで生まれたデビューストーリー

彼は早くから「ぼくのりりっくのぼうよみ」「紫外線」の名前で動画サイトに投稿を開始し、大きな話題を集めます。高校2年生のとき、10代向けでは日本最大級のオーディション「閃光ライオット」に参加。ファイナリストに選ばれ、その才能が高く評価されたことで一躍脚光を浴び、高校3年生だった2015年12月に1stアルバム『hollow world』でメジャーデビューを果たしました。

そもそも、インターネット上で楽曲を発表し始めたのは、ニコニコ動画で知った人とTwitterで仲良くなり、一緒にやってみないかと誘われたから。なんというデジタルネイティブなエピソードなのでしょうか。さらにオーディションに参加したのは、ある日突然レコード会社の人から「あなたの歌をネットで聴きました。スタジオに来てください」とメールがきたからだそうです。そこからメジャーデビューまで駆け上がったというのは、ネット時代ならではのストーリーですよね。昔はライブハウスで声をかけてもらうか、デモ音源を送ることがレコード会社とつながりを持つ手段でしたが、時代の流れや通信技術の進化とともにデビューのきっかけも大きく変わったと言えそうです。

そんな彼を知ったのはメジャーデビュー直前のタイミング。社内を歩いていると、毎日いろんなレコード会社の方々からCDを紹介いただいたり、ライブのお誘いをいただいたりするのですが、”ぼくりり”もそんなきっかけでした。触れ込みは「17歳現役高校生ラッパー」。最近では、10代、高校生アーティストはもはや珍しくありません。なので、そんなに気にもせず目の前の仕事に追われ、いただいたCDもデスクに置いたままに……(すみません!)。数日後にいただいたCDをまとめて聴いていたときにようやくとんでもない才能に触れたわけです。

まず耳に入ってくるのはトラックと歌唱力。ここでまず1衝撃! そしてリリックを聴き込んで2衝撃!! 聴けば聴くほどその美しいトラックと歌声にのめり込んでいき、その歌詞を読み込めば読み込むほど、”ぼくりり”の難解な世界へとハマりこんでいきます。とくにその突出した歌詞世界、抽象的な言葉の羅列は唯一無二の存在ではないでしょうか。

15歳のときに制作したという「sub/objective」では、subjective=主観的とobjective=客観的を軸に「いつしかすり替わる一人称から三人称へ 二元論でしか世界を観れないのは哀しい」と、配信シングルでもある「パッチワーク」という楽曲では「涙落ちる前にその指で時を凍らせて 〜 涙おちた後でその指がそっと動き出した」と歌われます。さらに「Sunrise(re-build)」では、「乾いた日々を彩る色 朝が来てる からまた笑う 隠れた星の裏側で踊り出す」……なんという才能でしょうか。これを高校生が書いたとは……と、類いまれなる言葉遣いとセンスに脱帽してしまいました。

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