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“求職者支援制度”開始から1カ月、「求職者に厳しい」「大手に有利」と懸念の声も

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ハローワーク配布の「求職者支援制度」の広報用資料

 雇用保険を受給できない失業者に対して、職業訓練を通じて早期の就職の支援を行う「求職者支援制度」が、2011年10月1日からスタートした。雇用情勢が依然として厳しい中で、雇用を新たに創出する制度として期待されるが、開始から約1カ月が経ち、「求職者にとって、給付金の支給要件が厳しくなり、生活や就職活動への影響が心配だ」「訓練を実施する側から見ると、大手に有利で、中小機関の事業継続が困難になる恐れがあるのではないか」との懸念の声も聞かれる。

 「求職者支援制度」は、リーマンショック後の厳しい雇用情勢を受け2009年7月から行われた「緊急人材育成支援事業」をもとに、先月施行された求職者支援法により、新制度として恒久化されたものだ。従来の事業のもとでは、これまでに約53万人が職業訓練を受講し、正規雇用のほかパートやアルバイトも含めると、約7割の受講者が就職を実現してきた。

 具体的には失業期間が長期に渡ったり、短期労働を繰り返したり等の事情により、雇用保険を受給できない求職者に対し、訓練実施機関が医療・介護・ITなど、成長分野に重点を置いた職業訓練を受講する機会を提供する。さらに一定の要件を満たした場合には、職業訓練受講給付金を支給した上で、ハローワークが中心となって、早期の就職を支援する。

 新制度は従来のものと比べ、大枠に変化はないが、一部の点において求職者や訓練実施機関にとって、厳しい制度になったとの指摘もある。

■受講する求職者への「給付金の支給要件」が厳しくなった

 受講生には、一定要件を満たせば月額10万円の給付金が支給されるが、支給要件は本人の年収見込が「200万円以下」から「月額8万円以下」へ、世帯全体の金融資産が「800万円以下」から「300万円以下」へ、などと大きく切り下げられた。

 改正の背景として、従来の制度の実施にあたり、「積極的な就労意思がないのに、給付金の受給目的で受講する訓練生が一部見受けられたこと」などが挙げられる。しかし、その他大多数の、意欲的な就労意思を有しながらも失業手当を受給できない求職者にとって、厳しい支給要件のもとで給付金を受給できなければ、日々の生活は厳しく、訓練や求職活動への影響も懸念される。

■訓練実施機関の選定は「大手に有利」との声も

 他方、訓練実施機関の選定を巡っては、「新たに加わった要件が大手の実施機関に有利に働くのでは」との声も聞かれる。選定は、独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」によって、厚生労働省の定める認定基準を満たす民間訓練機関の中から、計画で定められた定員の範囲内で行われる。

 その際、過去に訓練を実施した機関が申請をした場合は、申請機関自らが選んだ任意の基金訓練3コースの就職率をもとに順位付けを行い、上位機関から選定がなされる。厚生労働省によると、就職率の把握に伴う事務処理上の便宜や、質の高い訓練を実施するために、同機構と協議してこうした選定要件を定めたということだが、大手機関の中には過去に数十の申請をしたところもあるため、一部の関係者は、

「実施機関自らが、任意に3コースを選んで提出する新方式では、実施コースを多数もつ大手に有利に働くケースも考えられる。わずかな実施コースの中から、選んで就職率を提出せざるを得ない中小機関にとって、たとえ有能な講師が、社会に有用な職業人を育てようと思っても、選定で競り負ければ事業の継続が困難になる恐れがあるのではないか」と話す。

 このほかにも、制度そのものの情報がPR不足により、本当に必要とする求職者に伝わっていないとの指摘もある。新制度が雇用のセーフティーネットとして確実に機能するためにも、多角的な事後検証が求められる。

◇関連サイト
・求職者支援制度のご案内(平成23年10月1日施行) – 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/kyushokusha_shien/index.html
・緊急人材育成・就職支援基金事業 – 中央職業能力開発協会
http://www.kikin.javada.or.jp/support06/01.html
・求職者支援訓練 実施機関の選定方法 – 高齢・障害・求職者雇用支援機構
http://www.jeed.or.jp/js/kyushoku/pdf/senteihouhou2.pdf

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