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変わってから焦っても遅い! 「改憲」議論を勉強すべき理由

変わってから焦っても遅い! 「改憲」議論を勉強すべき理由

今年6月に行われたイギリスの「EU離脱」の是非を問う国民投票で、イギリス国民は残留ではなく「離脱」という決断を下しました。

しかし、その直後からイギリス国内では動揺が続き、「EUって何?」「EUを離脱したら何が起こる?」といったワードで検索されていたという報告もあります。

今、日本では憲法改正の議論が進んでいますが、私たち日本国民はどのくらい憲法を知っているのでしょうか?

「変わること」が決まってしまってからでは遅い。

『憲法って、どこにあるの? みんなの疑問から学ぶ日本国憲法』(集英社刊)の著者であり、大阪国際大学准教授の谷口真由美さんは、憲法を知らないままでいる日本国民に対して警鐘を鳴らしています。

■なぜ憲法を知ることが大事なのか?

――イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果は、衝撃的でした。

谷口:大半の人は残留だろうと思っていたでしょうし、直前に残留派の議員が射殺されるなどして、世論としては残留派が優勢だったはずです。ところがふたを開けると、結局投票所に行かなかった人たちが大勢いた。「自分が行かなくても」という考えがあったのは事実だと思います。

――それは、「改憲」議論を重ねている日本も同じような状況ではないですか?

谷口:おそらくそうではないかと。私自身は憲法を改正してはいけないとは思っていませんが、どこをどう変えようとしているのか、そもそも今の憲法がどんな内容なのか知らないと、それが良いのか悪いのかも判断できませんよね。

EU離脱が決まったあとに、イギリス人が「EUとは」というワードで検索をかけていたという話がありますが、もし日本で国民投票によって憲法改正が決まったら、「憲法とは」とか「憲法 改正 影響」とかで検索かける人が増えるやろなあと思います。

――実際に決まった後に焦り始めますよね。

谷口:今、私たちがなんぼ「憲法についてちゃんと知りなさい!」と言っても、なかなか聞いてもらえないんです。憲法が自分のすぐ側にあることも、わかっていない。

すべての法律を根本となるものが憲法です。だから、私たちの生活の営みのすべてに憲法が流れているはずなのに、なぜか違うところに浮いている。特別なものだと思われています。

――その中にある「改憲」にまつわる議論が何か浮ついているように見えるのも、人々の憲法についての知識がそもそも追いついていないからでしょうか。

谷口:先ほども言いましたが、感情的になっていることが多いですよね。おそらくメディアの情報の出し方や、その情報の受け取り方にも原因があって、ややこしい情報を鵜呑みにするのがどんなに怖いことか…。

イギリスのEU離脱の国民投票では、報道されていたのとは逆で移民が少ない地域の方がEU離脱に賛成し、移民と共存している地域の方が反対だったといいます。前者の地域の人たちが持っていたのは、「移民はなんとなく嫌だ」「なんとなく邪魔だ」というイメージだったのかもしれません。

――明確な実感がないからこそ、感情やイメージだけで動いてしまう。

谷口:知識があったり、前提を知っていたりすれば、それだけで考えて選択ができるようになるはずなんです。憲法を丸暗記する必要もないし、完璧に理解する必要はないけれど、すべてのルールの根本をだいたいでも知っておくことは大事なんですよ。

一口に「改憲」といっても、憲法を変えることでどんな影響があるのか。法律は最高規範である憲法に適合するように作られています。だから根本法たる憲法が改正されたら、当然法律も変わらないといけません。そして、その中でも特に、私たちの生活に強く影響する刑法や秘密保護法などが変わることになると…という風に想像力を働かせられるようになります。

基本的に政治家は何かを変えるときに、自ら進んでデメリットを語ることはありません。また、変えてはいけないという主張をするときも同じです。メリットしか語りません。だから自分で勉強するしかないんです。

――確かにそういうケースはありますよね。

谷口:第11条では「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と書かれています。

では、「侵すことのできない永久の権利」とあるけれど、「永久」をどう解釈するか。もしこの条文を改正するとなったら、「永久」と言ってたのに「永久ではなくなるの?」と疑問を投げることができます。というかそもそも「永久」といっているものを改正できるのか、という話ですよね。

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