嫌いな人と一緒にいるほど成功が遠のく?「ガマンすると不幸になること」の見極め方

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嫌いな人と一緒にいるほど成功が遠のく?「ガマンすると不幸になること」の見極め方

以前、上司から「お前はどんな仕事がしたいんだ?」といわれ、答えに窮したことがある。

あまりにストレートな問いに面食らったというのもあるが、それ以上に、そもそも「自分がしたいこと」が全く分かっていなかったということが大きかったように思う。

そして今にして思えば、「では逆に何が“したくないんだろう”?」と考えることができれば、上司の問いに少しは答えられたような気もする。

『やらない決意』(サンマーク出版刊)の著者である井口晃さんは、まさに上記のような自問自答を経て、「自分が送りたい人生」を手に入れた一人。そこで今回は、なぜ「やらないこと」を決めることが重要なのかについて話をうかがった。

■なぜ「やること」よりも「やらないこと」を決めるべきか

――本書では、幸せや成功を手に入れるため、「やること」ではなく「やらないこと」を決めることが重要だと書かれています。まずは、このように書かれた理由を教えていただけますか。

井口:いま巷には「夢を持つことが大事」「目標を設定しよう」といった類のメッセージが溢れています。

でもいきなり、やりたいことや目標を見つけなさいといわれても、なかなか難しい。逆に「面倒くさいと思っていること」とか「本当はやりたくないこと」なら、比較的簡単に見つかるものです。

そしてやらないことを決め、一つひとつ実行することで、一日の持ち時間は確実に増えます。増えた持ち時間を使って少しずつ「自分はどんな人生を送りたいんだろう」と考えていけば、無理なく「自分が本当にやりたいこと」を見つけられる。

こうして見つけた目標や夢は本物です。達成できる可能性も、達成したときの満足度も高いでしょう。こうした理由から、私は「やらないこと」を決めましょうと言っているのです。

――やらないことを決めることで持ち時間が増えるという話は腑に落ちます。個人的には、せわしなく「あれも、これも」と動き回っても、後から振り返ると「何も残らなかった…」と思うことが少なくありません。

井口:私は普段、セミナー講師をすることもあるのですが、そこに来てくださる独立・副業志向を持った方々を見ていて、あることに気づいたんです。

多くの方は今の仕事をすぐに辞めるのではなく、平日の空き時間や週末などを使って、ご自身のやりたいことを始められます。その意味で、「持ち時間」という条件は皆、ほぼ同じです。それに、体力的にもそこまでの差はありません。何より、私も含めて人というのは往々にして怠け者です。

このようにしてみると、与えられた条件というのはさして変わりません。にもかかわらず、しばらく経つと7、8割の方は「時間が足りない」と言い出しプロジェクトが行き詰ってしまう。一方で残りの2、3割の方は淡々とプロジェクトを進めていく。

この違いはどこから来るのか。その2、3割の人たちの継続力の源泉に「意志エネルギー」が関係しているのではと思うようになったんです。

■自分で自分を変えるのは難しい

――意志エネルギーとは何ですか。

井口:たとえていうなら、人を動かすガソリンのようなものです。意志エネルギーさえ満タンなら、身体が疲れていようがいまいが、人はやるべきことを必ずやりとげられる。ただしその総量は有限で、考えごとをしたり決断するたびに減っていきます。

――「ガソリン」ということは補給も可能ですか。

井口:可能です。夜、リラックスして充分な量の睡眠をとることさえできていれば、朝、目覚めたときには満タンになっています。

ちなみに、大きな決断を迫られたり、創造性が求められることは、そうでないものにくらべ多くの意志エネルギーを使います。

したがって、まだ残量がたっぷりある午前中のうちに、こうした種類の仕事をすませるのが理想的。この状態こそが「本来やるべきこと」に集中的に取り組めている状態だからです。

――量が限られているからには、それをどう割り振るかということ以外に、意志エネルギーを浪費しないための工夫も重要になってきますね。

井口:そのとおりです。たとえば、人は「嫌いな人」や「合わない人」と一緒にいると著しく意志エネルギーを消耗します。

嫌いな人、合わない人というのは往々にして、否定的なことを言ってくるもの。するといわれた側は、「私はダメな人間なのか?」「この提案は検討にも値しないのか?」といった具合に自問自答を重ねることになる。

こうした自問自答こそが、エネルギーを大きく浪費させます。ですから、嫌いな人や合わない人との関係は思い切って断ってしまったほうがいいでしょう。

――なるほど。ただ、今の話のように自分が不快だと思っていることなら抵抗なく断てるかもしれませんが、これまで良かれと思って続けてきた習慣や人間関係の場合、断つことにストレスを感じる人も少なからずいると思います。そんな人には何とアドバイスされますか。

井口:「とにかく環境を変えたほうがいい」と伝えますね。実は、本書の裏メッセージとして、「自分で自分を変えるのは難しい」というものがあります。

先ほど「人は皆、怠け者」という話をしました。自戒も込めていうと、人は「自分との約束」を簡単に破ってしまいがちですが、「他人との約束」は「守らなきゃ」という気持ちが強く働きます。

これは私自身、筋金入りの自己啓発マニアで、学生時代に初めてこのジャンルに出会って以来、何百もの関連書を読み漁り、数々のセミナーにも参加してきた実感として、そう思います。

そこで、誰かと一緒に何かを始めることで自分を変えていく。ジムへ行くでも、読書会に参加するでも何でもいいのですが、とにかく新たな環境に飛び込むことから始めるのがいいと思います。

(後編へ続く)

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