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『アートディレクター』ってどんな仕事?【気になるカタカナ系職業を突撃取材!】

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はじめまして、大学生ライターのかほちんです。音楽と人と旅が大好きな慶應義塾大学2年!ワクワクすることを見つけたらやりたいことに向かってまっしぐら!

さて、このコーナーでは憧れるけど謎すぎる、カタカナ文字の職業をご紹介!

2回目は、電車や街の中できっと誰もが一度は見たことがある“あの”広告を作っている、アートディレクター小口さんにインタビューをさせていただきました!

大きな窓のある気持ちの良い小口さんのオフィスで、小口さんが戻られるのを待ちました。そして、戻られてすぐインタビュースタート!(お忙しい中、一息付く間もなくありがとうございます)

—まずは、アートディレクターというお仕事を高校生に分かるように小口さんの言葉でおしえていただけますか?

(高校生向けに慎重に言葉を選ばれている様子…。)そうですね、ある目的に対して、美術(デザイン、写真、イラスト、素材、色、文字)を持ちながら、ヴィジュアル表現を作る仕事です。わかりやすそうなので例として「CDのジャケット」を取り上げると、その音楽を世の中で売るのために、その楽曲とアーティストを一番魅力的に伝えるのは写真か、イラストか、文字はどんな文字が必要か、いろいろな角度から吟味して、選び、構成して一枚の紙に定着させて一つのヴィジュアルを作ります。その作業の進行と細部に至るまでの決定の監督をする。ということです。

—ディレクターというと方向を指し示すようなイメージがありますが、丁寧に1つのものを最後まで丁寧につくりあげて行くお仕事ですね。小口さんが、アートディレクターの仕事をしていて、一番面白い!楽しいと感じるのはどんな時ですか?

依頼してくれた人が、提案した表現をすごく喜んでくれて、それが世の中に出て行った時に良い反応、良い結果が出た時は一番嬉しいです。作るものの中には必ずコミュニケーション、人に伝えるということが入っているんですね。それをどういう風に表現したらより魅力的に、多くの人に伝えられるかを、依頼してくれた人と何回も話をして形にしていきます。

—電車の中でおもしろい広告を見つけた時に、どういうことを言いたいのかな~と想像しているのですが、それがアートディレクターの方が仕込まれたコミュニケーションだったということは、新しい発見でした。

そうですね、楽しいモノを楽しく伝えたい。かっこ良いモノをカッコよく伝えたい。それが伝えるには何が必要なのか、を一枚の紙の中に仕込んでいくんです。例えば、これは最初のミーティングで、湧いたイメージをその場で描いたラフ。

▲これは最初のミーティングで、湧いたイメージをその場で描いたラフ。

—お仕事の流れでいうと、ポスターやウェブサイトなど最終的なアウトプットにするまでの間で、どこまで関わっているのですか?

基本的には最初から最後まで自分の手でつくります。自分でドローイングを描いてみなさんと共有して、一つ一つ仕上げていきます。このREBORN ART FESTIVALの例はとてもわかりやすいかも知れません。

▲こちらが完成版のアートビジュアル

—1つのものを作る時はどうやってチームのメンバーと共有していくのですか?

とにかく話をします。話ながら絵を書きます。話ながらWEB検索もします。話ながらYoutubeも観ます。とにかく細かいところまでブレが無いように共有します。ただ、僕らの仕事は、頼まれたことをアウトプットするだけではありません。頼んでくれた人の想像を上回る魅力的なことを考えるということが重要です。言葉を作るコピーライターの方とも話し合いながら、イメージを言葉に起こして共有しながら作り上げていきます。文章にするときは“てにをは”まで意識しながらイメージを言葉にしていきます。

—イメージを言葉にするのって難しいですよね。

そうですね、クライアントさんにこんなイメージでやります。と言葉で伝えてもわからないので、最終のイメージ分かるところまで作り込んでお見せします。

—1つの仕事を作るのには何人くらい関わっているのですか?

4、5人でしょうか。

—少数精鋭なんですね!

人が多すぎると打ち合わせがダレてしまったりするので、3人ぐらいがベストかもしれないですね。

—アートディレクトというと、絵にするという最終アウトプットのデザインが重要だと思っていたのですが、アウトプットまでのプロセスにはものすごく言語化が大切だったり、コミュニケーションの重要性を感じました。

ここからは具体的なお仕事の内容に迫ります!

—最近電車で見かけてどうなっているのかスゴク気になった広告があるのですが、この「試してシャンプー、ボタニカル」の広告の車ってどうやって作っているのですか?

このポスターの真ん中の車はボタニカル号というのですが、実際に美術さんと一緒に作っているんですね。車の中はお店みたいになっていて、CMでは実際に作ったボタニカル号が走っています。

—これって走れるんですね!!

今のシャンプーのCMって必ずタレントさんが出ているでしょう?このCMはあえてタレントさんではなくて、タレントさんぐらい記号になるカワイイ植物(ボタニカル)の車を作りました。

車はワンボックスがいいか、スポーツカーがいいか、とかいろいろ考えながら。美容室みたいにして中に入れるイメージにしたらかわいいよね~とかみんなで話ながら。車自体がシャンプーのボディみたいにしたらかわいいよね。と話したり、絵に描いたりして進めました。電車の中とか、テレビの中って、情報に溢れてますよね。そのなかでも目を引くことを仕掛けています。

—わたしたちはすっかりその仕掛けにはまっちゃっていますね~! アイディアが湧く場所とかコツとかって何かありますか?

場所やコツは無いですけど、いつも「なんでこれをいいと思ったんだろう?」と常に考えています。街でも、買い物中も、電車の中でも。気になったコトや、モノを「なんで?」と自問自答します。多分それがアイデアが湧くきっかけにはなっているかも知れません。

—そしたら題材は尽きませんね。

逆によくないと感じたときも同じです。「なんでよくないのか?」と考えていきます。感じているものっていろいろな情報で構成されているので、それをじぶんなりに因数分解してちゃんと分析して、考える。という癖ですね。

—いつ頃からやっていたのですか?

浪人している期間に自分なりにいろんなことを考えていたように思います。だから、大学ではそうやって考えてきたコトをたくさんの友達と議論したり共有できるコトが楽しかったですね。

—分析する目、ものを見る目を鍛えるって大事ですね。

そうですね。「見るだけ」にしたらもったい無い。考えることはチカラになります。考えて言葉にできる方が人に伝えやすいんです。だから考えることってとても大事なんです。

—アートディレクターという仕事をしていくなかで、大変なことはありますか?

大変なことは、お互いが理解しあえないということですかね。最近ではあまり無いですが、理解しあえないままに時間が過ぎて、最後は「こうしてください。」と言われるときが一番辛いですね。

—そういうときはどうやって乗り切るんですか?

そういうときは、徹底して冷静になることです。話を重ねれば、分かるところはあるので、超冷静になって解決していきます。話し合うことで、お互い考えていたことが全然違うんだ。とわかるコトもまた大切だと思っています。

—先ほど大学生の頃のお話がありましたが、小口さんがこの道を志すようになったのはいつ頃からですか?

小さい頃から絵は好きで、イラストレーターになろうかと高校生のときに地元の松本の美大予備校に行ったら、”広告のアートディレクターという仕事がある!”ということを知りました。それから広告に傾倒して、イラストレーターではなくアートディレクターになりたいなと思うようになりました。そのときは18歳くらいです。

—普通のデザイナーではなく、アートディレクターをやろうと思ったのはなぜですか?

広告のアートディレクターは、ヴィジュアルだけでなく、CMもいろいろ作ります。性格がミーハーなので楽しいものをいろいろ作れるアートディレクターになろう!と思いました。

—では最後に、高校生のときにやっておいた方がいいこと、があったらおしえてください。

さっき話した“考える癖”をつけておくことがいいと思います。いろいろな良いものを見て、悪いものも見て、なぜそう感じたのか考えてください。それをいろんな人と共有して改めたり、深めたりしてください。たぶん自分の中でいろいろなキッカケを生むと思います。考える癖をつけることは面白い。

大学で伝える技術について学んでいますが、アートディレクターの方からも絵の描き方の話より考える力が大切というお話が聞けたのは、刺激的でした。 小口さん、ありがとうございました!

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大学生ライター

かほ

慶応義塾大学総合政策学部2年、音楽と人と旅が大好きな大学生。面白いことが大好き。四国一周囲一人旅をしてみたりヒッチハイクをしてみたり!夢はゲストハウスを開くこと。

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