創業56年のおにぎりの名店・大塚「ぼんご」を知っているか

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創業56年のおにぎり専門店「ぼんご」でおにぎり職人の手さばきにほれぼれ!

子どものころは運動会や遠足、勉強中の夜食に。大人になっても忙しい仕事の合間や、お弁当に……。みんなが大好きな、おにぎり。口の中いっぱいに頬張った時の幸せは、とてもここでは書き表せないほど。

そんなおにぎりの専門店が、東京の大塚にあります。その名は「ぼんご」。なんとこちら、1960年創業の老舗店! おにぎり好きなら必ず一度はこの店名を耳にしたことがあるはずです。

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お店は大塚駅北口から徒歩3分ほど。都電荒川線の線路すぐ手前です。

電飾つきの大きな看板が目印。

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店内はカウンターのみ。調理場をグルリと取り囲んだ座席は、まるで対面式の寿司店のようですね。

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「ぼんご」の大きな魅力のひとつが、具の種類の多さ。壁一面に貼られたメニューは、現在は全部で56種類。さらに値段は、一部のメニューを除いてすべて250円! リーズナブルかつ豊富なバリエーションに、初めての来店では大いに迷うこと必至!

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なかなか注文が決まらないので、壁に貼られたおすすめの具材ベスト10を参考にしていると……えっ!? トッピングって何!?

どうやら、おにぎり一つにつき50円の追加で具材が二種類選べるシステムらしい……。

おー、さらに迷ってしまうじゃないか!

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何を頼むか決まったところで、ようやくオーダー。焼きたらこ(250円)と、豚キムチ(250円)。そして「ぼんご」で一番高級なメニュー・筋子(550円)に+50円で鮭をトッピングした計三種を注文しました。

「ぼんご」は、注文を受けてから握り始めるシステムです。ここで、おにぎり職人の店長からありがたい申し出が。

「せっかく取材に来てくれたんだし、今日はゆっくり説明しながら握ろうか!」

なんと、「ぼんご」のおにぎりの作り方をこの場で教えてもらえることになりました! 握る現場を間近でじっくり見せてもらえるなんて……これはうれしい!

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まずは、ごはんを握りこぶしくらいのサイズでつかみ、真ん中を軽くへこませます。「ぼんご」ではガス炊きのため、ごはんは遠目からでもわかるくらいにふっくらした炊きあがり。

店長「『ぼんご』のおにぎりはかなり大きめにしてあるよ。男性なら二個、三個ぺろっと食べちゃうけど、女性は一個でもお腹いっぱいになっちゃうみたいだね。」

ちなみに筆者は一般の男性よりも食欲があるので、三個食べる気満々です。

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ある程度かたち作られたごはんの上に具をた~っぷりと乗せます。どの角度から食べても具にあたるよう、本当にたっぷり!

店長「うちのおにぎりは具だくさんって言われてるけど、これは『米とオカズ』がコンセプトになってるから。『米とオカズを一度に食べてる』って感覚になってもらいたいんだよね」

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こちらは例の海鮮親子にぎり、筋子と鮭。もはや、ちゃんとおにぎりとして収まるのか!? ってくらいの量ですね。

店長「二種類トッピングでこのボリュームだからね。三種類、四種類のトッピングオーダーをされると、かなり大変。もう爆弾おにぎりみたいになっちゃうよね(笑)」

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具を乗せたら、小さめに握ったごはんでおにぎりにフタをします。この時、ぎゅぎゅっと固めるのではなく、あくまでも上に乗せていく、という感覚で一体化させていきます。

店長「うちのおにぎりは、お米が口の中でホロっとほどけるくらいに柔らかく握るのが特長だからね。これも『はんとオカズ』のイメージを大事にしてるからこその食感なんだよ」

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続いて、のりを巻いていきます。

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きつく巻き付けるのではなく、おにぎりをやさしく包み込むように……。

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のりが巻けたら、まな板の平らな部分をつかって、すべての面をまっすぐに整えます。こうすることでキレイな三角型が作られるのです。

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最後に具をひと掴みして、てっぺんに乗せます。これで完成!

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ちなみに、本来だとおにぎり一つを握る時間は30秒もかからないんです。電光石火の早業で出来上がるので、注文の後で作り始めてもお客さんを待たせることはほとんどありません。これぞ職人芸!

店長「握り方の要領も、口の中に入れた後の食感も、実は江戸前寿司と同じなんだ。どうやら東京の人って、押し寿司みたいな固いごはんより、こういうホロっとした食感が好きみたいだね」

なんでも店長、以前は和食の料理人で、寿司を握っていたこともあったのだとか。鮮やかな手さばきの源流は本格和食にあったのです!

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そしてついに、目の前に出来たてのおにぎり三種が現れました。左から、筋子+鮭豚キムチ焼きたらこ。せっかくなので豆腐の味噌汁(170円)もつけちゃいます! ちなみに、時間帯によっては平日セットや土日限定セットなど、おにぎりと味噌汁がセットになったお得なメニューも食べられますよ。

ではさっそくおにぎりを実食。具材の乗ったてっぺんから頬張ろうとすると、ご主人からアドバイスが飛んできました。

店長「うちのおにぎりは、てっぺんからじゃなく、下の方から食べ進めていくとキレイに食べられるよ」

「ぼんご」のおにぎりは、とっても柔らかいため、てっぺんから思いっきりかぶりつくと三角の山が決壊してしまうのです。おにぎりがくずれてしまうと、お皿の上でフツウに白米とオカズを食べることになってしまうので、ご注意を!

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店長が心をこめて握ってくれたおにぎりたち。

そのお味はというと……はっきり言いましょう。

絶品です。

先ほどからご主人の説明に出てくる「柔らかい」「ホロっと」の意味がようやくわかりました。口の中でお米が一気にほどけて、そこからみっちり詰まった具が溢れ出てくる……。おにぎりにこんな表現アリなのか謎ですけど、最高の口溶けです。本当に美味しい。「ぼんご」のおにぎりに出会えて良かった、って心から思いましたもん。

そして、具材もひとつひとつがとても丁寧に作られているのがわかります。特に豚キムチなんて、定食屋さんで出されているオカズのように味付けもしっかり。

無我夢中で食べ進めた結果、「女性なら一個で十分」と言われたのに……キレイに三個完食いたしました……。

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すでに創業56年を迎えた「ぼんご」。

地元で愛され続けているだけでなく、わざわざ遠くからおにぎりを食べにやってくる若者たちも増えてきたのだとか。いつもお客さんに明るい笑顔を振りまいてくれる女将さんに、近年の「ぼんご」について話を聞いてみました。

女将「なぜかみんな片っ端から、具材を試していくのよ。それでひととおり食べたら、今度はトッピングで自分なりのアレンジを楽しみ始めるの。特に若い人は発想が面白いわね。『明太クリームチーズと筋子』をオーダーされた時はびっくりしたけど、意外と美味しかったし。自分たちでも考えつかなかったアイデアをお客さんがくれたりして楽しいわ」

通常で56種類。トッピングの組み合わせを含めればさらに無限となるメニュー数。今後も減らすつもりはないそうです。

女将「例えば紅しょうがなんか、単品ではほとんで出ないんだけど、トッピングでは大人気なの。昔は梅とかこんぶとか、保存食ばかりだった具材が、今じゃ焼き肉や、カレー、サラダまであるんだもの。おにぎりに合えばもう何でもありかな(笑)」

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また、「ぼんご」が強くこだわっているのは、やはりおにぎりの出来たての美味しさだといいます。

女将「この前、数十年間持ち帰り専門だった常連さんが、初めて店内で食べて行ってくれたんだけど、感動してたわ。すぐ食べた方が何倍も美味しいって。持ち帰りでも十分美味しいって言ってもらえるけど、出来たてはやっぱり違うから。ぜひ、お持ち帰り派の方にもお店で食べてみてもらいたいわね」

そして店長も、並々ならぬ熱い心で「ぼんご」のおにぎりを握り続けています。

店長「私が目標としているのは、おにぎりとしての完成度をさらに高めていくこと。『ごはん+オカズ』に限りなく近い、究極の柔らかさのおにぎりを極めていきたいと思ってます!」

一度その味を知ってしまえば、半永久的に通いたくなるお店「ぼんご」。

ぜひ皆さんもこの美味しさを、そして店長の職人技をその目で堪能してきてください!

お店情報

ぼんご

住所:東京都豊島区北大塚2-26-3 金田ビル1F

電話:03-3910-5617

営業時間:11:30~24:00

定休日:日曜日

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:もちづき千代子

もちづき千代子

人生が常に大殺界な人妻ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を始める。人生のテーマは「酒と涙と男と女」。

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