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「不規則な交代勤務の人は夜勤時の仮眠がマスト 睡眠障害予防の具体策」

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いたるところに24時間営業の店が増え、それをサポートするために24時間体制をとる企業も多くなってきています。厚生労働省の調査では、交代勤務をしている人は労働者全体の16.8%、午後10時から午前5時の深夜に働いている人は17.7%となっています。仕事の都合で睡眠が不規則になるという人も多くいます。

スウェーデンでの調査では、日勤に比べて深夜勤務で、寝つきが悪く夜中に目覚める人が6倍もいました。また、休息感がない人も6倍、勤務後に眠るとき騒音が気になる人は11倍もいます。睡眠時間も短く、平均で4.3時間と日勤の57%しかありませんでした。

交代勤務の人が仕事の時間に合わせて眠ったり目覚めたりしていると、睡眠・覚醒リズムが不規則になり、外界の明暗リズムとずれてしまいます。人間は何万年も前から太陽の動きと合わせた生活をしてきているので、遺伝子レベルで明暗リズムと睡眠・覚醒リズムがリンクしています。

これを急に不規則な仕事に合わせて変えようとすれば、体内時計が狂ってしまい身体のあちこちに無理が生じます。交代勤務による睡眠障害を予防するためには、不規則な睡眠・覚醒リズムによる体内時計の狂いを最小限にし、さらに夜間勤務により蓄積した睡眠不足を、できるだけ早く解消することが大切です。

会社ぐるみで不規則勤務でも身体により負担の少ないローテーション

交代勤務のローテーションの組み方には、大きく分けて「正循環」と「逆循環」の2つの方法があります。

●正循環:日勤→準夜勤→深夜勤…勤務が次第に遅い時間帯になる方法

●逆循環:深夜勤→準夜勤→日勤…勤務時間帯が繰り上がる

人間の体内時計は24時間より少し長いため、正循環には適応しやすいですが、逆循環では心身の不調が増えやすくなります。

日勤や夜勤が続く日数にも、工夫が必要です。勤務時間帯が短い周期で変わる「ファースト・ローテーション」は、短い周期で睡眠時刻を調整しなければなりません。また、夜勤後の休日が十分に確保しにくいため、次の日勤では時差ぼけ状態になる傾向があります。

これに対して、「日勤5日→休日1日→準夜勤5日→休日1日→深夜勤5日→休日3日」のような「スロー・ローテーション」で働くと、不規則さが緩み睡眠時間を十分に確保しやすく、仕事中の作業能率を上げやミスを減らすことが期待できます。

夜勤前には自宅で仮眠をとり、休日の午前中は屋外で太陽の光を浴びるようにすると、さらに効果的です。

交代勤務に仮眠はマスト

午後の仮眠は、夜の睡眠を先取りする働きがあります。ですから不規則な勤務の人ほど夜勤の前には、20分~1時間半の昼寝をしましょう。

目覚めたら、コーヒーや緑茶などでカフェインをとると、昼寝の後の眠気を早くなくしてくれます。

夜勤中にも、できるだけ仮眠をとりましょう。そうすれば、眠気が減って作業能率が高まり注意力が保たれるので、事故やミスも少なくなります。どの時間帯にどれだけの長さで仮眠を取ればよいのかは、まだはっきりしていません。職場の実情と自分の体調に合わせて、少しでも仮眠をとるのが良さそうです。

強い光には、眠気を減らして覚醒度を上げる働きがあります。夜勤中の職場は十分に明るくしておき、仕事が終わったらサングラスなどで強い光を避けながら、家に帰りましょう。

自宅でも遮光カーテンなどで部屋を暗くして、午前中に3~4時間は睡眠をとります。翌日が日勤の場合は、遅くても午後3時には起きましょう。夜は普段通りか少し早目に眠ると、翌日も元気に働けます。

仮眠できないときの緊急対策

不規則な交代勤務で仮眠をとれないときには、眠気に対抗して頑張るしかありません。ここでは、仮眠がとれないときに手軽に目立たずできて、効果が実証されている眠気覚ましの方法をご紹介します。

・日光浴

強い光には眠気を覚ます効果があります。日中なら外で直射日光を浴びたり、屋内では窓際から外を眺めたりしましょう。夜は職場の照明を明るくすると、睡眠ホルモンのメラトニンが減って眠気が和らぎます。

・会話

一人で仕事をしていると、眠気が襲ってきます。人と会話すると、脳のいろいろな部分が働き始めて眠気がなくなります。上司や同僚に話しかたり、コーヒーブレイクで少しおしゃべりしてみましょう。

・カフェイン

カフェインは脳にたまった睡眠物質の働きをブロックして、眠気を感じなくしてくれます。効くまでに30分ほどのタイムラグがあるので、早めにとるのがお勧めです。

・アイソメトリックス(等尺性運動)

関節を動かさずに筋肉を収縮させる運動が、アイソメトリックスです。交感神経が活発になり血圧や体温も上がるので、目がさえてきます。胸の前であわせた両手を押し合ったり、こぶしを力いっぱい握ったりしてみましょう。

・噛む

リズムよく噛むことで、脳を目覚めさせるセロトニン神経が活性化されます。ウォーキングや腹式呼吸、歌を歌うことでもセロトニンが増えます。

・冷水での洗顔

冷たい刺激が交感神経を活発にして、覚醒度を上げてくれます。冷たい刺激には即効性がありますが、作用時間が短いのが残念です。

不規則な交代勤務は企業の業態や仕組みによって、個人の都合ではどうにもならない場合もあるでしょう。ただ不規則な勤務だからこそ、眠りのメカニズムを知って適切に対処すれば、仕事の不規則さが睡眠障害を招くことを食い止めることができます。

<プロフィール>

坪田聡:医師、医学博士。医療法人社団 明寿会 雨晴クリニック副院長。医師として睡眠障害の予防・治療に携わる一方で、睡眠改善に特化したビジネス・コーチとしても活躍中。

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