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“バスクリン”の起源は、奈良県・當麻寺にあった?

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 入浴剤の定番商品といえば、株式会社ツムラの製品”バスクリン”を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実はこのバスクリン、元々は”浴剤中将湯(ちゅうじょうとう)”という、温泉のように温まると評判の入浴剤を起源とするもの。その主成分は婦人薬”中将湯”原料の生薬であり、中将湯というネーミングは、伝説の女性・中将姫に由来するのだといいます。

 中将姫とは、奈良県葛城市の當麻寺(たいまでら)の曼荼羅を織ったとされる伝説上の女性。帝に望まれるほどの美貌の持ち主だった中将姫でしたが、継母が家臣に姫の殺害を命じたため、雲雀山で殺されることに。しかし姫は、家臣の夫婦にかくまわれて命をつなぐことに成功。後年、雲雀山での狩りの途中、偶然姫を見つけた父・藤原豊成は、再会を喜び館へ連れ帰るものの、仏道への志の深かった姫は、館を抜け出し當麻寺に入って尼となったそう。

 ツムラ創業者の津村重舎は、その姫が捨てられたという雲雀山の所在地候補の宇陀の出身であり、姫が建てたという青蓮寺の有力な檀家。そして津村の母親の実家には、逃亡中の姫をかくまったお礼に製法を教わったという秘薬が伝わっており、それが後にバスクリンの起源である中将湯となったのだというのです。

 本書『意外な歴史の謎を発見! 奈良の「隠れ名所」』では、こうした奈良県にまつわる知られざる歴史や名所、意外なネタの数々を紹介。奈良県をより深く知るきっかけを与えてくれる一冊となっています。

 奈良県といえば数多くの寺社仏閣が有名ですが、教会も奈良の景観に合わせ和風建築に。近鉄奈良駅から南にのびる東向商店街の途中には、英国国教会から生まれ、幕末に米国から伝わった伝統的なキリスト教会である、日本聖公会の奈良基督教会がありますが、1930年に完成したこの教会堂、奈良公園の隣接地には和風の建物しか建ててはならないという奈良県の方針に基づき、洋風ではなく和風建築になったのだそう。

 和瓦ぶきの屋根に、真壁造り(構造の柱を見せる伝統的工法)の壁面、内部は主に吉野杉や檜を使って数寄屋風に仕上げられ、祭壇の十字架は七宝焼。2015年には、近代和風教会建築の代表的な建物として、国の重要文化財となりました。

 教会堂では、日常の礼拝のほかに、パイプオルガンのコンサートや落語会などの催しも行われているそうなので、訪れる機会があったときには、その建築様式にも注目してみてはいかがでしょうか。

 本書の知識を得たうえで実際に現地に足を運んでみると、新たな奈良の魅力に気づくことができるかもしれません。

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