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広岡達朗氏 CSなんてバカらしい制度は即刻やめろ

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 国論を二分するテーマであり、反対論者も多いのに、いっこうに解決に向かわない問題がある。英国の「EU離脱投票」を見習って日本の大問題も国民投票で決めてしまおうという『週刊ポスト』の特集から、野球解説者の広岡達朗氏がプロ野球のクライマックス・シリーズについて発議する。

 * * *
 クライマックス・シリーズ(CS)なんてバカらしい制度は即刻やめるべきだね。運動会で“よーいドン”で走って、頑張って1等賞になったのに、「3等まで一緒の立場」といわれたら、誰も一生懸命走らないよ。

 仮に今年、セ・リーグで広島カープが25年ぶりに優勝したとして、CSをやった結果、勝率が5割にも満たない3位のチームが日本シリーズに進んだらどうですか。そりゃ、3位から日本シリーズに出たチームのファンは喜ぶでしょう。しかし、それ以上に多くの野球ファンが失望する。

 本来、ペナントレースで負けていい試合などない。だから常に勝てるメンバーでレギュラーを固定していく。ところが、今のプロ野球は新人をどんどん試すでしょう。まるで「オープン戦の延長」ですよ。

 我々の頃は新人を一人、モノにするのに大変な手間をかけた。バントを失敗したら二軍に落として一日中、バントの練習をさせた。選手も失敗すれば使ってもらえないとわかるから、必死でミスをなくそうとする。それくらいの緊張感があった。“優勝するには絶対にこのゲームを落とせない”という気持ちがいいプレーを生み、そのために選手は厳しい練習を重ねていた。

 それが今は、エラーや暴投、バント失敗なんかがあっても平気な顔をしている。「3位に入ればOK」なんて制度があるからだ。

 11.5ゲーム差をひっくり返した1996年の巨人の「メークドラマ」だって、“優勝しないと日本シリーズに進めない”というプレッシャーがあったからこそ大逆転が起きた。2位か3位でもチャンスが残るなら、あんな奇跡は起こっていなかったでしょう。

 人間は厳しく高いハードルを課せられると色々と考え、工夫し、努力する。コリジョンルールにしてもそうだが、選手を過保護にしてもいいことはない。選手はルールや制度に合わせて能力が伸びたり、落ちたりするが、CSのような制度があると選手のレベルはどんどん下がる。

 本来、こんな害悪しかない制度は球界トップであるコミッショナーが“やめる”と宣言してしまえば済むこと。なぜそんな簡単なことがわからないのか、本当に理解に苦しむ。

 だから、プロ野球ファンに国民投票で聞いてみればいい。レベルの高い野球を観たいと願うファンの声に応えて、こんな滅茶苦茶な制度は即刻廃止するべきだ。

※週刊ポスト2016年8月5日号

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