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メトロイドヴァニアのツボを押さえた『Momodora:月下のレクイエム』は美しくもダークな夜想曲

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『Momodora:月下のレクイエム』はBombserviceが手掛ける『Momodora』シリーズの4作目。広いマップを探索するタイプの2D横スクロールアクションで、いわゆる“メトロイドヴァニア”(※)と呼ばれるジャンルです。”月下”と聞くと『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』が思い浮かぶ人も多いと思いますが、実際、本作を包むダークな雰囲気は『ドラキュラ』シリーズに近い印象を受けるでしょう。

(※『メトロイド』と『キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラの英題)』を合わせた造語。)

『ドラキュラ』シリーズだけでなく、『ダークソウル』を彷彿とさせる要素もあります。1発で体力をゴッソリ奪ってくる敵の攻撃に対し、前転で背後へまわって斬りかかるアクションもそうですが、所持数に制限のある回復アイテムをセーブポイントで補充できるところなど、まるで篝火とエスト瓶のよう。回復アイテムの使用時にモーションが発生して隙ができるので、安全を確保してからでないと回復もままならないところも似ています。


 
やや高めの難易度にも『ダークソウル』 からの影響かもしれませんが、それは後述するとして、まずは目を惹くビジュアルからみていくことにしましょう。

やわらかく動くドット絵を堪能せよ!

本作でまず目を奪われるのがドット絵で描き込まれたビジュアル。特に”動き”がすばらしい。 4:3のアスペクト比とドットの見える解像度の画面にレトロな印象を受けますが、なめらかに動くキャラクターのアニメーションは間違いなく現代の産物。

プレイ中、主人公の司祭・カホのやわらかい走りモーションには目を奪われっぱなしだし、ヒットストップがビシッとかかる攻撃モーションも気持ちいい。待機モーションには靴を直すものとあくびをするものの2種類もあり(!)、個人的にもあくびがかわいくてお気に入り。


 
もちろん、主人公だけでなく敵のモーションも細かい。ボスの登場時の演出で1回しか使わないモーションもカッコよく決まってるし、ザコ敵でもやられモーションが2種類あるヤツまでいます。背景もドット絵で描き込まれているので、とにかく見ているだけでも楽しい。

しかし、かわいらしいビジュアルとは裏腹に難易度はやや高め。”死にゲー”と呼んでも問題のない程度にはカホちゃんの悲鳴を何度も聞くことになります。が、激ムズ!というほどでもなく、ほどよい難易度になっているのでそこまで身構えることもないでしょう。

ムズかしさあれば攻略アリ

本作はジャンプ&アタックを基本としたスタンダードな2Dアクションですが、カエデの葉を使った近接攻撃の他に弓矢による遠距離攻撃、2段ジャンプや回避の前転など、初期状態からアクションが豊富。さらに、探索中にゲットしたアイテムでアクションが増えていくため、カホちゃん実はかなりの高性能キャラクターなのです。

これだけの性能がありながらポンポン命を落としてしまうのはなぜか?といえば、筆者がヘタクソだから、というわけではなく(いや、うまくもないですけど)、ダメージがデカイから、です。かわいらしい見た目のザコ敵ですら何気ない攻撃1発で体力の3割は軽く 奪ってくるから驚き。最初のボスですら1発で体力ゲージの7割を吹っ飛ばしてくるので、明確な“殺意”を感じずにはいられません。とにかく敵の火力が高い、これに尽きます。
 

 
しかし、逆に言えばそれだけです。敵の火力が高いだけなので、わかってしまえばなんてことはありません。攻撃パターンを把握できれば問題なく避けられるでしょう。“死にゲー”である以上、”覚えゲー”でもあるわけです。といっても、知らないと死ぬしかないような初見殺しのオンパレード、というわけでもないのが本作の良いところ。

難易度を下げている要因の1つが、ビシッとかかるヒットストップとともに発生する長いのけぞりモーション。1発当てれば敵の攻撃を中断させられるため、先手必勝です。また、のけぞりモーションの最中は無防備なので、追撃でコンボを狙えます。早い話が、1発当てれば「ずっとオレのターン!」というわけです。先手をとれず、敵の攻撃を許してしまうと非常に痛い反面、1発でも当ててしまえばなんとかなるので、リスクとリターンのバランスは取れているといっていいでしょう。


 
さすがにボス戦では1発当てるだけで勝利が確定するわけではありませんが、丁寧に回避していけばノーダメージ撃破も現実的です。というか、ノーダメージ撃破の報酬として強力なアイテムをドロップするため、むしろ積極的に狙うのが本作の醍醐味だったりします。全ボス共通で攻撃の前兆として白い光の出る演出があるので、初見でもパターンを把握しやすいのは親切設計ですね。当然 、ボスの攻撃はめちゃ痛いものばかりですが、攻撃パターンはそれほど多くないため、わかってしまえば案外すんなり倒せるものです。ノーダメージ報酬のアイテムを活用すればさらにカンタンに。


 
もう1つの難易度を下げている要因は、探索することによるパワーアップです。マップ上をくまなく探索していけば、体力の上限アップや回復アイテムの所持数増加アイテムを拾えるため、最大の敵である大ダメージに直接対抗できるようになります。探索が特徴の”メトロイドヴァニア”だからこそ、探索が攻略に直結しているわけです。しっかり探索しながら進めていけば、後半になればなるほど死ぬ回数は減っていきます。といっても、探索中トゲに落ちて死ぬ回数は増えるかもしれませんが。


 

“覚えゲー”だから覚えた後が真骨頂

本作は3~4時間程度でクリアできるボリュームなので、やや物足りないと感じる人もいるかもしれません。が、本作の真髄は周回プレイにあります。クリア後、アイテムやマップなどのデータを引き継いでの2周目が可能となっており、思う存分マップを埋めたりアイテムを収集したりできるようになっています。

アイテム収集やマップ埋め、ボスのノーダメージ撃破などのやり込み要素にご褒美が設定されているのも嬉しいところです。特に、ご褒美アイテムは強力な性能を誇るだけでなく、世界観やキャラクターの背景をほのめかすテキストがついているのも楽しみの1つ。ダークな世界観にふさわしく、どのアイテムも”いわくつき”というわけです。


 
“覚えゲー”だからこそ覚えてしまった後はサクサク進めるので、2周目以降はクリアまで2時間とかからないでしょう。1周クリアするだけなら物足りないボリュームかもしれませんが、周回プレイをするならちょうどよいボリュームとなります。周回プレイで探索するもよし、新たに高難易度へ挑むもよし、RTA(リアルタイムアタック)に挑戦するもよし。いろんな遊び方が許容されているのはまさに”メトロイドヴァニア”の醍醐味。


 
そんなわけで『Momodora:月下のレクイエム』は探索型2Dアクションとしてのツボがしっかり押さえられているため、このジャンルが好きな人なら間違いなくオススメできる一品です。かわいらしいビジュアルの敵から手痛い洗礼を受けるかもしれませんが、基本は”覚えゲー”なので上達も実感しやすいはず。上達した腕をぶつける相手として周回プレイや高難易度も用意されているので、まさに至れり尽くせり。”メトロイドヴァニア”の新たな傑作の登場に歓喜しましょう。

[基本情報]
タイトル Momodora:月下のレクイエム(日本語版あり)
制作者 Bombservice
クリア時間 3~4時間くらい
対応OS Win 7以降
価格 ¥ 980

ダウンロードはこちらから
http://playism.jp/game/430/momodora-gekka-no-requiem
 

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