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「日本の“寄付”文化」課題は●●にアリ

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東日本大震災や、今年4月の熊本地震などの大規模災害を被ったことにより、一昔前より日本の「寄付」に対する意識が高まってきた。震災をきっかけに「初めて自発的に寄付をした」という人もいるのではないだろうか。

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しかし、寄付に関して、日本はほかの先進国に比べて「超低水準」という現実があるらしい。それを示すのが、イギリスのチャリティー団体Charities Aid Foundationが毎年発表している「世界寄付指数」というデータ。世界各国でアンケート調査を行い、「人助け」「寄付」「ボランティア」における数カ月以内の経験率を指数に置き換えてランキングにしたものだ。これによると、2015年は日本が145カ国中102位と低迷している。「寄付」のみの指数を見ても、全体の83位と決して高くない。

では、上位のランキングはどうなっているのだろう。以下に紹介しよう。

■世界寄付指数ランキング

※3項目はすべて経験率

1位:ミャンマー(総合66%:人助け55%、寄付92%、ボランティア50%)
2位:アメリカ(総合61%:人助け76%、寄付63%、ボランティア44%)
3位:ニュージーランド(総合61%:人助け65%、寄付73%、ボランティア45%)
4位:カナダ(総合60%:人助け69%、寄付67%、ボランティア44%)
5位:オーストラリア(総合59%:人助け69%、寄付72%、ボランティア40%)

※102位:日本(総合26%:人助け28%、寄付24%、ボランティア26%)

寄付や社会的投資の推進を目的に活動する日本ファンドレイジング協会の三島理恵さんは、ランキングについてこんな分析をしてくれた。

「上位の先進国は、企業の経営者やスポーツ界のスター選手といった影響力のある人が、普段から当たり前のように社会貢献活動をしています。そして、啓発活動にも力を注いでいます。これによって、一般の人の意識も上がり、子どもたちにとっても“かっこいい”ロールモデルになるでしょう。最近では、世界を舞台に活躍するスポーツ選手が、帰国中に積極的に社会貢献活動を行うようになっていますが、これは所属チームや選手からの影響を少なからず受けているからだと思います」

1位のミャンマーは、「仏教国で托鉢の文化があり、それが高い寄付の経験率につながっているのでは」とのこと。なお、このランキングはあくまで「経験率」がベースだが、寄付の「金額」を見ても、日本と他の先進国では差がある。

GDP比で見る日本の寄付総額は?

日本ファンドレイジング協会の「寄付白書2015」によると、日本、アメリカ、イギリスの個人寄付総額(2014年)は、日本が7409億円に対し、アメリカが約27兆3504億円、イギリスが約1兆8100億円となっている。

もちろん、総額は人口の違いなども関係するので、金額だけで日本が低いとは言い切れない。たとえばお隣の韓国も、2012年の国内寄付総額は約5704億円だ。

ただし、これら4カ国の寄付総額(個人寄付+法人寄付)が、その国のGDP(国内総生産)に占める割合を見ると以下のようになる(日本ファンドレイジング協会「社会に貢献する」ハンドブックより)。

・アメリカ:2.3%
・イギリス:0.76%
・韓国:0.46%
・日本:0.19%

こちらを見ると、日本は低いことがわかる。逆にいえば、他国は日本よりもかなり積極的に寄付を行っているといえよう。

「アメリカやイギリスでは、寄付総額に占める個人寄付の割合が約7割。対して日本の個人寄付は、全体のおよそ5割ほどです。個人がポケットマネーから出すかどうかという部分で、日本と海外では大きな違いがあるのです」(三島さん)

その差を生む要因には、先ほどの参加意識の違いに加えて、こんな背景もあるようだ。

「日本では、自分自身で透明性のある寄付団体を調べたり、寄付金の細かな用途を知ったりする術が、個人に十分定着していません。レジ横の募金箱に小銭を入れるなどの『釣銭型』の寄付が普及していたことで、寄付を『なんとなくする』という意識が付いてしまった影響もあるでしょう。その仕組みや出し手側の意識も変えていくことも大切だと思います」

ただし、冒頭でも述べたように、ここ数年で起こった災害以降は「日本の寄付金は確実に増えている」と三島さん。その動きが今後さらに活発になることを祈るばかりだ。

(有井太郎)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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