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「ピンポン~」じゃ味気ない! トンカチで豪快に店員さんを呼べる居酒屋

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飲食店では、希望のメニューを伝えるため、店員さんを呼ばなければなりません。そんなあたりまえの行為も今となっては電子化し、タブレット端末などで指先ひとつでできるようになりました。

しかし、そんな電子化の時代に逆行している、「店員さんをトンカチで呼ぶ居酒屋」があると聞き、取材に行ってきました!

© 円谷プロ

トンカチで店員さんを呼べると聞いてやってきたのは、世田谷区・祖師ヶ谷大蔵。

ここは円谷プロ発祥の地。ウルトラマンのふるさとです。ウルトラマンファンであれば一度は訪れたい場所でもあります。

© 円谷プロ

ファンにはたまらない、ウルトラマン像もあります。

とにかくウルトラマン一色の街なのです。

今回呼ぶのはウルトラマンではなく、店員さんです。店員さんをトンカチで呼べるという、「味処たちばな」にお邪魔します。外観が醸す、大衆居酒屋感がM78星雲(ウルトラマンのふるさと)から日本に、気持ちを引き戻します。

外観の雰囲気をそのままに、期待通りの雰囲気に包まれている店内。いい味です。

カウンターにはその日に仕入れた鮮魚が並ぶ冷蔵ケースに、各地の焼酎が並びます。

店員さんをトンカチで呼べるのは地下の席ということで、地下へと降りていきます。

階段にはマグマが豪快に吹き出している写真が飾られています。

「熱い情熱を持って営業している」ということなのでしょう。たぶん。

マグマを尻目に、案内していただいたのはこちらの席。

ちゃぶ台を2台重ねたようなテーブルです。

ちなみに隣の席は事務所のデスクのようなものが再利用されています。本来ここは座敷だったのですが、テーブル席に改装するにあたって、業者さんから中古のデスクを買ってきたのだそうです。

なんだか妙にお店の雰囲気と合っていて「なにこれwww」みたいな小バカにした気持ちにならないのが不思議です。

そして、ありました。

確かにぶら下がっています。しっかりとぶら下がっています。トンカチです。これを使って店員さんを呼ぶとのことなのです。

常連さんに聞いてみる

お店の店員さん(左)と、常連さん(右)に聞いてみました。

常連さん:「店員さんを呼ぶ方法ですか? 確かにちょっと変わってるかもしれません」

店員さん:「……そうですか? お店に馴染んでいて、『変わっている』という感じはまったくないですよ」

店員さんには変わったものには思えないようです。

「早速いつものようにやってもらっていいですか? 豪快に」

常連さん:「わかりました」

常連さん:「トンカチで、この板をこうやってたたくんですよ。(カンカンカン)」

甲高い音が店中に響き渡ります。

「板をトンカチで3回、強めに叩く」これがトンカチで店員さんを呼べるシステムの全容です。名前がないので、以降「トンカチ・システム」と呼びます。

店員さんを呼んでみる

せっかくなので、早速私もこの「トンカチ・システム」で店員さんを呼んでみたいと思います。

「3回ね……『カンカンカン!!!』」

店員さん:「はーーい!!!」

店員さん:「はい! ご注文でしょうか?」

ホントに来てくれた。 なんかうれしい!

「すごい! ほんとに上まで音が届くんですねー」

店員さん「しっかり届いてますよ!」

2回叩いてみる

店員さんが来てくれてうれしかったのですが、なんとなく、板に書かれている「3回」という回数が気になりませんか。

正直「音さえ聞こえてればそれでよくね?」と疑問に思ったので、 変化をつけてみました。

「『カンカン!!』」

店員さん:「はーーーい!!」

2回でも来てくれる! 叩く回数関係ないんかい。

店員さん:「はい! あれっ……?」

私のテーブルはスルーして、隣のブースに注文を取りに行ってしまいました。

隣の席にかかっている板には「景気よく2回たたいてください」と書かれていました。どうやら、鳴らす回数でテーブルを区別しているようです。

「トンカチ・システム」、導入の理由

「トンカチ・システム」について、爽やかでかっこいい若大将に聞いてみました。

――なぜ「トンカチ・システム」を導入したのですか?

若大将:「5年くらいまえにアルバイトのかたが減った時期があり、現在板とトンカチが置いてある遠くの席は注文が取りづらかったんです。そこで、上の厨房まで聞こえるようにと大将が考え、トンカチで板を叩いてもらうようになりました」

――よくチェーン店にある、普通の呼び鈴の採用は検討しなかったのですか?

若大将:「そういった呼び鈴を導入することも考えました。でもお店の雰囲気に合っていないということで、ずっとトンカチで呼んでもらっていますね」

――評判はどうでしょう

若大将:「そんなに反応はないですよ(笑) 『こんなのあるんだ、へー』という感じ。よく取材に来ましたよね、びっくりしてますよ(笑)」

常連さんにも聞いてみました。

――「トンカチ・システム」、おもしろいですよね

常連さん:「珍しくておもしろいと思いますよ。鳴らすのはなんか楽しいですよね(笑)」

店員さん:「そんなに珍しいですか? そうはいってもただの呼び鈴ですよ(笑)」

――「トンカチ・システム」で店員さんを呼んでから頼むべきものって何ですか?

常連さん:「うーん、このお店ならやっぱり日本酒かなぁ。たくさん種類がありますよ」

店員さん:「常時20種類ほどあります。3種類の飲み比べセットがオススメです!」

若大将:「素敵なラベルの日本酒を買って、『これはいい!』と思ったものをお店に出してます。」

――ジャケ買いですか(笑) でも好みの3種類を少しずつ飲めるのはいいですね

若大将:「鮮魚も自信あるので、ぜひ日本酒とあわせて楽しんでください!」

刺身の内容はその日の仕入れによって変わります。どれも筋っぽさがまったくなく、肉厚で食べごたえのある分量にカットしてあります。

通なみなさまにはこちら「しょうが味噌」はいかがでしょう。

お口のリセット力がすさまじいですので、濃い目のつまみの後、日本酒の味を正確に楽しみたい方にオススメです。

注文の時はもちろん、「トンカチ・システム」を活用してください。

いまではタブレット端末を用いて、店員さんを介すことなく料理が出てくるようになりました。「トンカチ・システム」はこの「叩いて鳴らす」という行動をきっかけに店員さんと話す、すなわち人とつながることができるのです。

昔は当たり前だったこのつながり、現代では貴重なものだと思います。一度鳴らして昔ながらの「注文」を感じてみてください!

お店情報

味処たちばな

住所:東京都世田谷区砧8-8-26

電話:03-3415-0611

営業時間:16:30~23:30

ウェブサイト:http://www.ajidokoro-tachibana.com/

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。 ブログ「銭湯、温泉探求録」

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