ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

パワハラで訴えられそうですが、どのように対処すればよいでしょうか?

DATE:
  • ガジェット通信を≫

Q.

 はじめまして。私の主人の事で相談です。主人は、役職は無く、しかし社内では現場を任せられている中途半端な立場で仕事をしています。
 仕事上で同期の方に強い口調で注意をしたところ、ボイスレコーダーに録音していたらしく「パワハラだ」と言って弁護士を立てるみたいなんです。仕事上、他の方からの苦情も受け、その同期の方に注意をすれば、すぐにメモして「パワハラだ。自分だけを追いやるつもりだ!」と言うそうです。
 パワハラで裁判を起こすつもりらしいのですが、どのように対処したら良いですか?会社側も周りの社員の方も、主人は悪くないと言っています。

(40代:女性)

A.

 いわゆるパワー・ハラスメント(以下、パワハラ)について、直接的に法律で規定している条文はありません。すでにある各種の法令を活用して法的に対処することになります。

 具体的には、パワハラ行為自体を捉えて、それをした相手方に罰を与えたいと考えた場合、名誉棄損罪(刑法230条)や侮辱罪(刑法231条)の成否を検討することになります。パワハラ行為に暴力が含まれていれば、暴行罪(刑法208条)や傷害罪(刑法204条)なども視野に入ってくるでしょう。

 正直に申し上げて、言葉だけのパワハラ行為の場合、相当重篤なものでない限りは、警察は(会社内でのトラブルに介入したがらないため)取り合ってくれないものと思います。
 したがって、今回のケースで刑事事件に発展するということはあまり考えなくてよいと思われますのでご安心ください。

 一方、会社内でのパワハラ行為によって精神的に参ってしまった場合、当該パワハラ行為を不法行為として、損害賠償請求をしてくるということは考えられます(民法709条以下を参照)。

 もっとも、パワハラで「訴えることができる」「訴えることができない」という事を線引きする基準は明確ではありません。
 大まかな要素としては、
(1)パワハラ行為を行うための権力構造(上下関係)があるかどうか
(2)パワハラ行為が継続的に行われているか、行為の程度の軽重などパワハラと認められる程度のものか
(3)当該パワハラ行為によって、被害者側に精神的な消耗や、就業するうえでの悪影響があるか
などを中心に(不法行為としての)パワハラといえるかどうかを判断することになります。

 今回のケースでいえば、上下関係のない(ただ指揮命令系統にある)「同期」という関係のため、上下関係は言いづらいものがあります。したがって、そもそもパワハラをしうる関係とは言えないという判断に傾くかと思われます。
 また、詳細は定かではありませんが、仕事上のミスなどにまつわる口頭での注意ということですので、パワハラ行為と呼べる程度のものでもないと思われます。

 このように考えれば、「訴えることはできない」程度のものだと考えられますので、ひとまずは安心していただいてよいのではないでしょうか。
 ただ、ご主人様の会社内での立場が人事異動などない限りは変わらないだろうことや、問題になっている同期の相手方とこれからも一緒に働いていかなければならないという環境はなんとかして改善したいところではないでしょうか。
 これについては、パワハラではないと会社側も認識されているとのことですので、人事担当部門や総務担当部門などにご相談の上、対応を協議されることが望まれると思います。

 たとえば、どのように注意するかという対応方法を考えたり、注意した時の具体的な状況を記録として残しておいたりして、万が一相手方が法的手段に訴えた時に適切に反論できる環境を整えておく必要があると思われます。

元記事

パワハラで訴えられそうですが、どのように対処すればよいでしょうか?

関連情報

退職願を出したら、退職日を一方的に決められた!(なっとく法律相談)
会社で期日前投票等を強要される(なっとく法律相談)
パロディ商品と商標(想うままに ー弁護士日誌から)

法、納得!どっとこむの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP