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中国元空軍トップ汚職捜査 習主席の上海閥排除の一環か

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 中国の元空軍トップ、田修思・全国人民代表大会外事委員会副主任委員が汚職などの疑いで取り調べを受けていることが分かった。田氏は中国人民解放軍のなかでも最高位の上将を経験しているが、身柄を拘束されて取り調べを受けている上将経験者としては3人目となる。

 他の2人は軍ナンバー2の中央軍事委員会副主席経験者の郭伯雄と徐才厚の両氏。田氏を加えて、いずれも江沢民・元主席が率いる上海閥の有力メンバーで、来年秋の第19回党大会を控えて、軍最高人事をめぐる権力闘争との見方が出ている。

 田氏は1950年2月生まれで66歳。1968年に18歳で軍に入隊し、軍関係の教育機関である西南政治学院軍事政治工作学科を卒業。新疆ウイグル自治区や蘭州軍区での勤務が長く、ずっと陸軍畑で2002年6月には陸軍第21集団軍トップの社会委員に昇格。その後、2004年には新疆軍区に戻り、2005年3月から2009年12月まで新疆軍区トップの同軍区党委書記を務め、2009年12月から2012年10月まで成都軍区党委書記を歴任。

 そして、2012年10月には空軍トップの空軍党委書記に就任、陸軍出身者としては異例の軍最高指導部人事として関心を集めた。

 田氏は空軍のトップを2015年7月まで務めたが、その後、軍を引退して、全人代に転じて、外務委員会の副主任委員に就任した。軍上将の位を持つ軍最高幹部が全人代で外務委員会に転じるのは極めて異例だった。

 陸軍畑をずっと歩んできた田氏がなぜ急に、人脈もない空軍トップに昇格したのか。チャイナウオッチャーの間で疑問の声が出ていたのだが、その背景が今回の取り調べの一件で明らかになった。

 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、田氏は先に逮捕された郭氏や徐氏と親しく、空軍トップポストを得るために、約5000万元(約7億5000万円)もの賄賂を郭氏らに渡したというのだ。

 郭、徐両氏はともに軍内で絶大な人事権をもっており、軍内で昇進するには両氏を通さないと実現しないといわれてきた。当時、両氏とともに軍事委副主席を務めていたのが習近平国家主席で、両者の汚職を苦々しくみていた。しかし、両者は軍内では習氏の先輩であり、習氏自身がまだ最高指導者ではなかったため、何もできなかったという事情があった。

 また、両者とも江氏の腹心であり、上海閥の最高幹部だったことも習氏が手出しできなかった大きな理由だったが、習氏が最高指導者に就任すると、まもなく両者を逮捕することになった。

 田氏も両者に連なる上海閥の一員だけに、来年秋の党大会を控えて、習氏が軍内の上海閥の残党の排除に乗り出したとの見方が浮上している。

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