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上野優華 涙を誘うバラードの女王? アイドルの匂いかぐ悶絶女子? 可愛い顔に隠された実態(3周年イベント取材記事)

上野優華 涙を誘うバラードの女王? アイドルの匂いかぐ悶絶女子? 可愛い顔に隠された実態(3周年イベント取材記事)

 聴き手の心に寄り添い、涙を誘える歌手でありながら、女優としてホラー映画等でトラウマ級の狂気も演じ、アイドルとして見ても独自路線を突き進んでいる上野優華。7月24日 AKIBAカルチャーズ劇場にて【デビュー3周年記念イベント~進め!すだちっ娘!青春は君と共に!3年目~】を開催した。

上野優華 キュートなライブ写真一覧

<寄り添える歌をうたっていくことが、私が想い描く歌手の理想像>

 最新シングル『恋日記 / Summer Mission』のインタビュー(http://bit.ly/2atm3NU)では、「誰かの気持ちを救える……って言うと大袈裟に聞こえるかもしれないけど、寄り添える歌をうたっていくことが、私が想い描く歌手の理想像なんですよ。だからそうなっていけたらいいなって思います」「みんなでライブの臨場感を楽しめる曲も大事だなと思っていて、だから今年の夏はこの曲(「Summer Mission」)でみんなのハートをバキュン! したいと思います」と語っていた彼女だが、同公演ではその両方を体現するアクトもしっかり展開。

<アイドル界のバラード女王と称される女の子の実態=NOT清純派?>

 3周年を盛大にお祝いするべくアッパーチューンを畳み掛けた前半、「一緒に声を出して盛り上がってきましょう!」と一瞬でシンガロングや「優華!」コールを生み出し、前述したサマーチューンでは「バキュン!」と満員の観客を片っ端から狙い撃ちし、その度に「ドキュン!」とハートマーク付きでリアクションさせるという、半ばノスタルジックですらある王道アイドル然とした光景を生み出していく。少女マンガも「角でぶつかった相手が実は転校生だった」的なベタベタの王道展開を好むと云う、上野優華らしい展開で楽しませてくれた。

 アイドル界のバラード女王と称されることも多い彼女だが、そのイメージと実際のキャラクターには大きなギャップがあり、大好きなアイドルと対バンする際には必ず相手の匂いをかぎ、勝手に大悶絶して引かれるぐらいにはぶっ飛んだ女の子。というのがファンからすればよく知る実態。前述のハートマーク付き「ドキュン!」もさも自然発生したように記してみたが、実際は「やらなきゃ歌わない!」とダダをこねて強制したものであったり、「可愛い!」と褒められても「知ってます!」と即答したり、それをスタッフが実は「ウザ過ぎる」と思っていたり、それを知りながら「やめないけど!」と言い放ったり……要するに清純派のイメージとは掛け離れている。

 が、それがとっても面白い。ツッコミどころ満載のツンデレキャラではあるが、それが実にチャーミングでもあり、放っておけばいつまでも観客とコミュニケーションが取れてしまうこのフレンドリーさは、アーティストとして見ても、女優として見ても、アイドルとして見たとしても、なかなか誰にでもマネできるものではない。このめちゃくちゃなところもあるけれども他に類を見ない稀少な存在感は、ぜひとも一度ライブ現場に足を運んで体感してみてほしい。

<幾度となく涙誘うバラード 杏里「オリビアを聴きながら」カバーも>

 また、上野優華の体感してほしい部分と言えば、やはり歌声である。どんなに笑いを誘いまくっても、想定外の言動で驚かせることがあったとしても、それ以上に彼女のライブを観て驚かされるのは、まだ18歳の女の子とは思えない、どんなアイドルイベントに出ても衝撃を与えるであろう、王道バラードをドラマティックかつエモーショナルに熱唱してみせるその姿。この日も最新シングルより「恋日記」なる遠距離恋愛の歌を届けてくれたが、歌詞を練り直してもらうほど自身が表現したい世界観へ構築した楽曲だけあって、冒頭のフレーズ「好きにならなかったら こんなつらい想いすることはなかったのでしょうか?」から彼女の歌声が胸に沁みる。

 ライブ後半では、ちょっとだけ大人っぽい衣装に着替え、岩永知佳(key)と加藤文枝(cello)の生演奏でバラードの数々を立て続けにお届け。憂いのある美声を存分に味わえるブロックが設けられ、誰かの気持ちに寄り添える歌をうたっていきたい……その想いが見事に体現された歌声は、先までの傍若無人な女の子のものとは思えないほど切なく、優しく、胸が張り裂けんばかりに想いを溢れさせながら歌い上げていく姿は、幾度となく涙を誘う。無論、音楽シーン全体を見渡せば、彼女より声量も技術もセンスもハイレベルなシンガーはたくさんいるが、この聴けば聴くほど愛おしくなる声質と、とにかく大好きな歌を誰かに届けたい、溢れるほどの純粋無垢な想いは、聴き手を選ばず魅了する。

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