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「生前退位」報道 7月13日は絶好のタイミングだった

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 7月13日夜、NHKは〈天皇陛下「生前退位」の意向示される〉と報じ、日本中に激震が走った。注目すべきは、7月13日が“絶妙のタイミング”だったことだ。天皇・皇后は7月11~14日の日程で、葉山御用邸で静養中だった。

「宮内庁がNHKの報道で大騒ぎになっている時、仮に陛下が御所にいらしたら、きっと応援の記者がさらに集まってきて、混乱に拍車がかかり、陛下にご心労をおかけするところだった」(大手紙社会部OB)

 その一方で、安倍官邸のキーマンも東京を不在にしていた事実がある。

「7月13日は、官邸の事務方トップである杉田和博・官房副長官が翁長雄志・知事との会談などのために、ちょうど沖縄入りしていたタイミングだった。

 つまり、官邸は『生前退位』報道が出ることを把握していなかったと考えられる。情報がきちんとコントロールされているなら、官邸に司令塔が不在の時に大騒動を巻き起こすスクープなんて出させない」(前出の大手紙OB)

 この数か月間、宮内庁では、「生前退位」を巡って最高幹部が会合を重ねていたとみられている。

「5月頃から風岡典之・長官と山本信一郎・次長という庁内のトップ2に、皇族の身辺のお世話などを担当する侍従職の最高幹部である河相周夫・侍従長と高橋美佐男・侍従次長、それに皇室制度に詳しいOB1人を加えた5人が、定期的に集まって検討を重ねていたといわれています」(宮内庁関係者)

 この5人組による「4+1」会合で話し合われた内容は、その都度、官邸サイドともすり合わせが行なわれていたとされるが、「その際の官邸側の窓口がまさに杉田氏だった。風岡長官は参院選期間中も複数回、杉田氏を官邸に訪ね、議論の進捗について報告していたが、もっとじっくりと時間をかけて方法論を探っていくという認識が官邸側にはあった」(官邸筋)とされる。

 それだけに、杉田氏が不在のタイミングを狙って、「天皇の意向」が表沙汰にされたのではないかという見方が広まっているのだ。

 政治的な意思表示のできない天皇。その覚悟を忖度した周辺が、官邸サイドにあえて衝撃を与える情報の出し方をしたとすれば、意図はどこにあるのか。皇室ジャーナリスト・神田秀一氏はこういう。

「82歳になった天皇陛下は2003年に前立腺がんの手術を受け、2012年には狭心症と診断されて冠動脈のバイパス手術を受けています。そうしたなかで、悠仁親王の世代には他に男性皇族が1人もいないという状況があり、皇室の未来を考える上では女性宮家創設といった課題が議論されて然るべきですが、棚上げされてきました。

 結果として、今回のNHKの報道後、菅義偉・官房長官が会見で女性宮家の創設の検討に言及するなど、棚上げされてきた皇室の未来にかかわる議論が動き出そうとしています」

 そうした流れを作り出そうとする思いが今回の報道の裏にあったのだろうか。

撮影■日本雑誌協会代表取材

※週刊ポスト2016年8月5日号

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