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20年以上前の借金返済を相手に求める方法はあるでしょうか?

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Q.

 二十年以上前、父親が亡くなった時に生命保険から親戚に90万円程貸しました。その後、何度も返済を頼むも何かと言い訳を付けて返してもらえず、ついには電話にも出なくなりました。最近、引っ越したらしく住所も電話番号もわからず連絡が取れなくなってしまいました。他の親戚とは現在も連絡は取り合えるのですが、誰もその親戚の連絡先がわかりません。
 こういった場合、弁護士さん等に依頼して転居先を調べ、借金の返済を頼む事は可能でしょうか?二十年以上も返済がないので、利息も含めて取り返したいと思っております。当時は、親戚どうしという事で借用書無しで貸してしまいましたが、借用書が無くても法的手段に出る事は可能でしょうか?
 どうか、お知恵をお貸し下さい。

(40代:男性)

A.

 金銭の貸し借りは、民法上、消費貸借契約となります(民法587条)。
 消費貸借契約は、お金を相手に渡してしまえば、口約束でも成立します。今回のケースでは、借用書はなくとも、90万円の消費貸借契約が成立していることになります。

 しかし、消費貸借契約には時効制度があります。これは、一定期間経過してしまうと、債権(返済を迫る権利)が消滅してしまう制度です(166条)。
 個人間の消費貸借契約の場合、時効の期間は10年です(民法167条)。この間に、催告や債務の承認、訴訟の提起などを行えば、時効の進行が中断します(民法147条を参照)。

 催告(民法147条における請求の一態様)については、内容証明などを活用して、公的に催告がいつ行われたかを示せるようにしておく必要があります(また、仮に催告が行われたとしても6か月間しか時効の中断期間はありません)。今回のケースでは、こうしたことをなさった事情は見受けられませんので、催告による時効の中断は認められないでしょう。

 次に、「相手方が借金の存在を認めているから、今回のケースでは債務の承認によって時効が中断しているのではないか?」と思われるかもしれません。
 しかし、「支払うよ」という口約束しかない場合、債務の承認を証明することはなかなか難しいといえます。そのため、通常は債務確認書や返済計画書といった書面に債務者が押印したものを作成するのです。

 訴訟を提起したなどの事情もないので、今回のケースでは、時効が完成している可能性が高いといえます。しかしながら、時効によって債務が消滅するのは、相手方がそれを主張(援用)したときです。

 したがって、相手方を探し出し、債務を承認させたり、一部弁済を受けることができれば、まだ回収の見込みがあるということになります。
 転居のたびに相手方が住民票をきちんと移していれば、戸籍の附票を取得することで現住所を把握することができる可能性があります。
 所在の確認の仕方や適切な回収の仕方については、弁護士に相談されたほうがよいでしょう。

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