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栗城史多 指切断の前に父から言われた意外な一言

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J-WAVE日曜朝6時の番組「WONDER VISION」(ナビゲーター:平井理央)のワンコーナー「OPINION」。7月24日のオンエアでは、登山家・栗城史多さんをお迎えいたしました。

栗城さんは過去に5回、世界最高峰のエベレストに挑戦。しかしいずれも断念。4回目のアタックでは重度の凍傷によって大怪我を負いながらも第一線に復帰されています。2014年には8,047メートルのブロードピークに単独無酸素で登頂に成功という経歴をお持ちです。これだけでもすごいのですが、今年も新たな挑戦が迫っているとのこと。その挑戦とは…。

「秋という厳しい時期のエベレストに行きます。エベレストはすでに登頂者が7,000人くらいいるんですけど、通常は春が多いんです。でも僕は、比較的条件が厳しい季節に単独で向かうっていうのに、トライしてます」(栗城さん、以下同) 

エベレストは中国とネパールの国境沿いにあるのですが、これまで栗城さんは、距離が長いネパール側からアタックしていました。しかし、今年は距離が短い中国側からアタックするそうです。中国側とネパール側の違いは距離だけなのでしょうか?

「ネパール側は登り始めたら、アイスフォールという氷河の塊があるんですけれども、その氷河の避け目、クレバスが深いと50メートルくらいあるようなものがあるので。しかし中国側の北側の方は、クレバスがあまりないんです」と栗城さん。1980年に単独無酸素登頂に世界で唯一成功した、ラインホルト・メスナーは、中国側からのアタックでした。

今回の挑戦は秋とのことですが、エベレストの春と秋ではどのような違いがあるのでしょう?

「一番は風ですね。春もちょっと風は強いんですけども、秋は“ジェットストリーム”っていう強力な風が吹くんです。頂上近くで一番風が強いときは風速125メートルのときがあったんですよ」

人が飛ぶどころか、超大型台風でもそんな風速は聞いたことがありませんよね。そんな風が長いと1週間、10日も吹き続けるそうです。

栗城さんは、毎回エベレストにチャレンジする際に生中継をされているのですが、今回も予定しているそうです。一体なぜ生中継にこだわるのでしょうか?

「“冒険の共有”と呼んでいまして、“失敗とか挫折もリアルタイムで共有する”というのが目的なんです。なぜかというと、秋季エベレスト単独無酸素はまだ誰も成功した人はいないですし、チャレンジはするんですけど、失敗とか挫折がいっぱいあるんです。でも、本当のチャレンジっていうのは、失敗と挫折の連続なんです」

しかし、栗城さんは今の世の中には、「失敗は悪」、「失敗しそうだったらやめておきなさい」というムードを感じるのだそう。

「でも、失敗と成功を超えた先があるなってずっと思っていたんです。苦しんだ分の学びだったり、成長だったり、喜びがあるというのを僕は伝えていきたくて、あえて失敗も挫折もリアルタイムで共有して、最後、頂上に着いたときにみんなで“良かったな”ってなれたらいいなと思っています」

そんな栗城さんは「僕の本当の興味っていうのは、実は山じゃなくて人」ということに気づき始めたそうです。かつて海外初遠征でアラスカの山に単独で挑戦したときに、周囲の人ほとんどに否定されたという栗城さん。応援してくれる人はおらず、とても辛い時期だったそうです。しかし、出発直前に父親から電話で「信じてるよ」と一言言ってもらったことで、「頑張ろう! 続けよう!」と思えたと栗城さん。

「人間っていうのは、そういう人がいることによって、チャレンジが続けられるんだなって思ったんです。人間っていうのは、(自分が)頑張るというだけじゃなくて、頑張っている人にどういう言葉をかけてあげるか、とか、どういうふうにみんなで盛り上げるか、サポートできるかによって、人もそうだし社会もどんどん変わっていくのかなって思ってて。それを山を通しながら、学んでいけたらなと思っています」

父親とは今でも登頂前に電話でお話をされるそうなのですが、「よく電話で『今、苦しんでるか?』って言われるんですよね。『登頂しました』って言っても、『おめでとう』とかあんまり褒めてくれないんです」と栗城さん。

しかし、唯一“おめでとう”と言ってもらえたのが、2012年にエベレストで重度の凍傷になり、手の指を第2関節から9本切断することになったとき。手術の前に父親に電話をすると、「『おめでとう』って言ってくれて。それは一つは生きて帰ってきたことに『おめでとう』、もう一つは、そういった苦しみを背負ってまた山に向かうことができると、『それは苦しいかもしれないけど、素晴らしい体験なんだよ』って意味で言ってくれたんですよね」。

これを「相当、ドMなんだと思うんですよね(笑)」と栗城さんはおっしゃいましたが、とても素敵な栗城親子ですよね。秋に6回目のチャレンジとなるエベレスト単独無酸素登頂。生中継もされるので、失敗や挫折をリアルタイムで共有しながら、最後は一緒に世界初の成功をお祝いしたいですね!

【関連サイト】
「WONDER VISION」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/wondervision/

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