この夏、安くてうまいウナギを食べたいなら愛知県西尾市一色町へ行くしかない!【一色うなぎ】

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この夏、安くてうまいウナギを食べたいなら愛知県西尾市一色町へ行くしかない!【一色うなぎ】 f:id:Meshi2_IB:20160719124319j:plain

暑い夏に食べたくなるのが、うなぎ。そういえば、今年は7月30日(土)は土用の丑の日だ。

東海地方では、静岡県の浜名湖うなぎが全国的に有名だが、実は愛知県もうなぎの養殖が盛んであることをご存じだろうか? 西三河地方の西尾市一色町の「一色うなぎ」がそれだ。一色うなぎ漁業協同組合によると、昨年の生産量は約4,600トンと、全国の生産量の20%を占める。

つまり国産うなぎの5尾に1尾は一色産ということになる。(あくまで計算上)

一色町で養鰻(ようまん)がはじまったのは100年以上前の明治37(1904)年。昭和34(1959)年の伊勢湾台風で被災した農地をうなぎの養殖池に転用してから発展した。昭和40年代頃までは稚魚から育てた幼魚を県外の養鰻業者に販売していたが、現在では約100軒の業者が「一色うなぎ」のブランド化に力を注いでいる。

その反面、地元の一色では「うなぎは買うものではなく、親戚や知り合いからもらうもの」という考えが根強くある。だから、日本でも有数のうなぎの産地であるにもかかわらず、うなぎ専門店がやたらと少ない。そんな知られざる“穴場”一色町を訪ねて、食べ歩いてみた。

皮カリッ、身ふんわり! 漁協直営店「一色うなぎ」

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どうしても一色でうなぎが食いたい! そんなストレートな欲求を満たすべく向かったのは一色漁港の近くにある「一色さかな広場」

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ちなみに一色漁港は愛知県西三河地方で最大規模を誇り、知多半島の師崎と豊浜に並ぶ愛知県の三大漁港の一つ。小型底引き網漁を中心にマダイやヒラメ、クルマエビ、アサリなど年間を通じてさまざまな魚介が水揚げされる。

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「一色さかな広場」には、鮮魚や海老せんべい、佃煮などの加工品のお店がずらりと軒を連ねている。

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奥に進んでいくと、うなぎ専門店「一色うなぎ」を発見!

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実はココ、一色うなぎ漁業協同組合の直営店。店頭で焼きたての長焼きを販売しているほか、店内で食事もできるというので、さっそくうかがってみた。

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注文したのは、細切りにした蒲焼きと刻み海苔をのせた「うなぎまぶし丼」(吸い物、漬物付き・1,800円)。

産地ゆえの値段の安さもさることながら、やはり感動したのは味。愛知県はうなぎを蒸さずに焼き上げる“地焼き”が主流。絶妙な火加減で焼き上げたうなぎは、皮がカリッと、身はふんわりしているのが特徴だ。ココのうなぎは、そんなド真ん中の味。

うん、大満足!

お店情報

一色さかな広場

住所:愛知県西尾市一色町小藪船江東176

電話番号:0563-72-3700

営業時間:9:00~17:00

定休日:水曜日

一色うなぎ

住所:愛知県西尾市一色町小藪船江東176 一色さかな広場内

電話番号:0563-72-9247

営業時間:11:00(土曜日・日曜日・祝日は10:30)~14:30頃(売り切れ次第終了)

定休日:水曜日

ブランドうなぎ「うな姫」を使った極上蒲焼き

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次に向かったのは「和食 潮浜」

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店名の通り、ココは地元の人も利用する和食店。

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その日に仕入れた魚介を使った「刺身盛り合わせ」(1,836円~)や「煮魚定食」(1,296円~)のほか、ウナギ料理も人気。

もちろん、使用するのは「一色うなぎ」だが、6月下旬から9月下旬までは「うな姫」と名付けられたブランドうなぎを使っている。

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6~7カ月間の生育期間を経て、幼魚から成魚になったばかりの状態で出荷されるため、臭みがまったくなく、身も皮も柔らかいのが特徴です。

店主の高須重徳さんはそう胸を張る。

また、飼料にもこだわっているので、脂ののりもよく、上品な口どけが楽しめるという。そんな「うな姫」の美味しさを存分に堪能できるように、身を細かく刻むひつまぶしは用意していない。

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名古屋人の私が言うのもヘンだが、うなぎは丼か長焼きに限る。職人さんが熟練の技術で焼き上げたうなぎを刻み、だし汁をかけるという行為は暴挙としか思えないのだ。ひつまぶしは観光で名古屋を訪れた人が食べればよい。

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さて、話を戻そう。ココのいちばん人気は、うなぎ1尾を贅沢に使った「うなぎ重」(3,240円)。

うなぎを包丁で切っていないのは、焼きに自信がある証。箸でサクッと切れるほど柔らかく、たまり醤油がベースのさらっとした自家製タレが旨みを引き出している。

あまりの旨さに全身の細胞が歓喜に沸いているのがわかる。ムチャクチャ旨い!

余韻に浸っていると「コレもオススメだよ」と、高須さんが「うなぎ白焼」(2,916円)を持ってきてくれた。

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いろんな味が楽しめるようにと塩やショウガ醤油、ワサビ醤油の3種類を用意。皮の香ばしさと白身の淡泊な味わいとともに脂がスッと溶ける。

キリッと冷えた冷酒が無性に呑みたくなったが、車で来たので断念。次回は運転手を連れて来よう。

お店情報

和食 潮浜

住所:愛知県西尾市一色町野田寄神54

電話番号:0563-72-7999

営業時間:11:30~14:00、17:00~21:00

定休日:月曜日

ウェブサイト:http://siohama.ne-co.info/

行列店の名物は、蒲焼きと肝を乗せた「うな肝丼」!

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最後に紹介するのは「うなぎの兼光」

ココはうなぎ問屋さんが経営母体で、市外から訪れた人々の「うなぎの産地なのに、うなぎ屋さんがない」という要望に応える形で2年前にオープン。以来、昼時は開店前から行列ができるほどの人気を博している。

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店内のカウンター席の向こう側には焼き場があり、職人たちがうなぎを焼き上げる姿を見ながら食事をすることができる。

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清らかな矢作川上流水とこだわりの飼料で育てられたうなぎを炭火の上で何度も裏返しながら強火で一気に焼き上げる。

これが旨みを閉じ込めて、皮はカリッと、身はふんわりと仕上がるコツだという。タレにもこだわり、名古屋人好みのやや濃いめの味付け。

おっと、注文したメニューがさっそくやってきた。

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うなぎ問屋さんが経営母体ゆえに、蒲焼き4切れをのせた「うな丼(梅)」が1,650円という安さ!

このメニューが巷のうなぎ屋さんではいわゆる「並」だが、蒲焼きでご飯が隠れてしまうほどの大きさに仰天! しかも、肉厚で食べ応え十分。

「これで驚いていてはいけません。ウチの名物はコレです」と、店長の加藤朝也さんが目の前に運んできてくれたメニューを見て目がテンになった。

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蒲焼き4切れとうなぎ10尾分の肝をのせた「うな肝丼」(2,000円)だ。

肝は臭みや苦みはまったくなく、新鮮そのもの。蒲焼きと交互に食べたり、蒲焼きに肝をのせて口へ運んだりとまさに至福のひととき。

生産地としてのプライドもありますから、私たちが納得したものしか出しません。もっと多くの人々に「一色うなぎ」の美味しさを知ってもらえるように頑張ります。(加藤店長)

この夏、うなぎが食べたくなったら迷わず愛知県の西尾市一色町へ。迷わず行くしかないっ!

お店情報

うなぎの兼光

住所:愛知県西尾市一色町一色東下二割18-1

電話番号:0563-73-6688

営業時間:11:00~14:00(LO 14:30)、17:00~20:00(LO 19:30)

定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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