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キスが原因で感染する!? 通称「キス病」と呼ばれる「EBウイルス感染症」とは?

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「EBウイルス感染症」を知っていますか? 別名「キス病」とも呼ばれる感染症で、あまり珍しくない病気なのですが、その割に広く知られていないようです。

今回は「EBウイルス感染症」について、医師に詳しく聞いてみました。

「EBウィルス感染症」とはなんですか?

EBウイルスはヘルペスの一種で、とても身近なウイルスです。日本では3歳までに80%が初感染し、成人では90%以上の人が既に感染しているといわれています。

EBウイルスが体内に入ると血液中のリンパ球のうち「B細胞」と呼ばれる細胞に感染します。リンパ球には「T細胞」という細胞もあり、感染したB細胞をT細胞が増やさないようにすることで対抗します。

大半は経過良好の「伝染性単核症」とよばれていますが、高齢者や胃の細胞に感染した場合には、悪性リンパ腫や胃がんになることもあります。

「EBウイルス感染症」の感染経路は?

一般に、唾液を介して感染するため、別名「キス病」と呼ばれています。飲み物などの、回し飲みや口移しがきっかけになることもあります。

他にも、輸血や骨髄移植など、血液を介しても感染することがあります。

「EBウイルス感染症」は、どのような症状が出ますか?

【小児期の感染】

発熱、喉の痛みが出て数日で改善します。このため、扁桃炎と診断されていることも多いです。

【思春期以降になって初感染】

小児期と比べ症状は重く、以下の症状があります。

・発熱

・全身倦怠感

・全身のリンパ節腫脹(特に扁桃腺の腫れと痛み、首のリンパ節の腫れが目立つ)この状態を「伝染性単核症」と呼びます。

肝臓や脾臓も腫れ、血液に異型リンパ球がみられるため、血液検査をして抗体が検出されると「EBウイルス感染症」と診断されます。

医療機関に行くべき目安、治療方法を教えてください

【医療機関に行くべき目安】

発熱は1週間ほど続きます。発熱やのどの痛みで水分がとれない場合には、病院で受診してください。

また、全身の寒気がしてガタガタ震える場合はすぐに受診しましょう。リンパ節の腫れや痛みが強いときは、痛み止めの処方をしてもらうと楽になれます。

【治療方法】

基本的には安静にして、症状に応じ、対症療法を行います。

脾臓がとても腫れている場合、腹部に衝撃があると脾臓破裂の恐れがあるため、安静にすることが重要です。

抗ヘルペスウイルス薬や、細菌に効く抗生剤は用いられませんが、細菌感染による扁桃腺と区別が難しいときには抗生剤が使われます。

扁桃腺がとても腫れた場合や、二次的に肝臓などの臓器障害や血液異常が強い場合には、ステロイド剤が用いられることもあります。

ほとんどの場合、良好な経過で2カ月以内によくなりますが、ウイルスは完全に体からいなくなるのではなく、B細胞の中に潜んでいて、共存していくことになります。

「慢性活動性EBウイルス感染症」はどう違うのですか?

「EBウイルス感染症」の中でも、良好な経過をたどる「伝染性単核症」に対し、まれに数カ月以上症状が持続し、全身状態が極めて悪くなってしまう病態を「慢性活動性EBウイルス感染症」といいます。

また、一旦完治した後に何年も経って、加齢や免疫抑制剤などの要因が重なって「慢性活動性EBウイルス感染症」になることもあります。

リンパ球のB細胞の中にひそんでいるEBウイルスは増えすぎないようT細胞に見張られています。

しかし、加齢、疲労、免疫抑制剤 などのよって免疫が低下するような状態では、再び活動性を帯び、T細胞までが感染した状態となり「慢性活動性EBウイルス感染症」となってしまうのです。

「慢性活動性EBウイルス感染症」の症状、治療法は?

【症状】

伝染性単核症と似た、以下の症状があらわれます。

・発熱

・全身倦怠感

・リンパ節腫脹

・肝脾腫

・皮疹

しかし、場合によっては急変することもあり、肝不全や心不全、腎不全、また血液の成分が減少してしまう血球貪食症候群という状態をおこすと、非常に危険です。

蚊に刺されると潰瘍化して発熱やリンパ節が腫れる、などの症状が3割の人にみられると報告されています。

根本的な治療をしないと次第に再発を繰り返し、悪性リンパ腫や白血病になって数年で約半分の方が亡くなります。

【治療法】

これまでさまざまな治療が試されていますが、残念ながら完治するのは容易ではありません。

しかし免疫抑制剤や抗がん剤を駆使して、造血幹細胞という血液をつくる細胞を移植して、症状をなくす状態に導くことに成功した例もあります。

最後に医師からアドバイス

「EBウイルス感染症」はとても身近な感染症で、大半は良好な経過をたどりますが、さまざまな病気を引き起こす可能性があります。

発熱が1カ月以上続く、リンパ節がずっと腫れているなどが現れたら、ためらわずに医療機関を受診することが重要です。

(監修:Doctors Me 医師)

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