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なぜ、土砂降りの雨のなかこの親子は笑顔で走り出したのか?

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雲の流れが速く「一日に一度は雨が降る」といわれるロンドン。雨に慣れっこな人々は、いちいち傘を持ち歩かなくたって、しばらく待てばすぐに雨が止む。こう考えているようです。

さて、その前段を踏まえた上でこのショートフィルムを紹介します。激しく打ちつける雨、なのにタイトルは『Light Rain』。

場面は土砂降りの雨の中、人々がマンションのピロティで雨宿りをしています。

辛抱強くじっと待つ人もいれば、止まない雨にしびれを切らす人たちも。すると、母親と雨宿りをしていた小さな女の子が突然、こんなことを言い出したのです。

少女:「ねえママ、雨に濡れて走ろうよ」

母:「もう少し小雨になるまで待ちましょう」

それでも聞かない女の子。「ねえ、走ろうよ」と執拗に駄々をこねます。これには、周りの大人たちも怪訝そうに親子のやり取りに耳を傾けている様子。

母:「ダメよ、みんなと一緒にここで待つの」

少女:「でもぉ〜」

母:「だってびしょ濡れになるじゃないの」

少女:「でも、それじゃ朝ママが言ってたことと違うわ」

母:「今朝、ママあなたに何て言ったかしら?雨に濡れて走ろうなんていった?」

ここで女の子は、この朝母親が口にした言葉を彼女に返しました。

少女:「ママ忘れちゃったの?今朝パパに言ってたじゃん。ガンは乗り越えらるよ。私たちならなんだって乗り越えられるって!」

どんなことだってできる。そう言った母が、雨に濡れることをためらっているなんて。シンプルでまっすぐな少女の言葉は、母親だけでなく雨をしのいでいた周りの大人たちにの胸にも届きました。

頬をつたう涙を子どもに見せまいとしたのでしょう。母親は軒先から一歩足を踏み出して、大粒の雨を笑顔で受け止めました。それから、にじんだマスカラでぐちゃぐちゃになった顔を向け、娘に語りかけます。

母:「さあ、走るわよ。ビショビショに濡れたって……シャワー浴びなくてもいいもんね。いこう!」

その場にいた誰もが、ずぶ濡れになる親子の後ろ姿に表情を緩ませ、何か自分の中に納得したものを得たのでしょう。そうして……。

意を決したように、ひとり、またひとりと降りしきる雨の中を駆け出していったのです。みな子どものような顔に戻って、無邪気に。

おばあちゃんだって。

落ち込んでしまうときほど
顔をあげていこう

これは、作家Bob Perksによる事実に基づいたストーリーなんだそうです。日々の中でほんの些細なことにも頭を悩ませ、心痛めるのが人間。誰にだってうまくいかないことはあります。ましてや、それがどうにもならないことなら尚のこと。

さて、動画はイギリス国内のガン支援センター「Macmillan Cancer Support」へと2009年に提供(寄贈)されたもの。リリースからすでにだいぶ月日は経ちましたが、これまで本当に多くの人の耳目に触れてきました。

親子のコミュニケーションそして周りの人々の行動から、動画のタイトルをなぜHeavy Rain(激しい雨)ではなく、Light Rain(やさしい雨)にしたのかが、分かったような気がしませんか?

「うまくいかないときほど、前を向いて歩こう」

Licensed material used with permission by imageynation

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