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複雑すぎる下請け多重構造が欠陥を生む

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5月末発売になった『新築マンションは欠陥が9割』からの試し読み第二回。今回は欠陥を生む大きな要因である不動産業界の病理に迫ります。

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欠陥問題はなぜ繰り返されるのか。その原因を突き止めるには、まず建築業界の実態から話を始めねばなりません。そこで、2015年10月に発覚した横浜のマンション「パークシティLaLa横浜」の杭施工データ改ざん事件による傾斜問題を振り返りながら、欠陥マンションが生み出される背景を探ることにします。

事の発端は、マンションの住民が渡り廊下でつながっている別棟との接合部分にある手すりに生じた「ずれ」に気づいたことでした。しかも、その後の調査で、問題があったのは8本だけではないことが判明し、ほかにも施工データが改ざんされた杭が多数発見されています。

杭の施工不良は、マンションの安全性を揺るがす致命的な問題。建築業界に身を置く人間なら、いずれ大問題に発展することはわかっていたはずです。にもかかわらず、いったいなぜ偽装を犯したのでしょうか。

その背景には複雑すぎる下請け多重構造があります。「パークシティLaLa横浜」は、事業主(デベロッパー)が三井不動産と明豊エンタープライズ、元請けが三井住友建設、杭工事の1次下請けが日立ハイテクノロジーズ、2次下請けが旭化成建材、そして実際に施工を担当していたのは、旭化成建材の下請け業者、つまりひ孫請けだったとのことです。

しかも、実際に施工を行う職方たちの多くは、社員ではなく日給月給の請負労働者。これだけ多くの企業がかかわり、それぞれの利益を抜いていったら、最下層の職方の手元に残るのは仕事内容に見合わない金額だったかもしれません。いや、おそらくそうでしょう。しかも、建築業に携わる現場労働者(職方)は340万人といわれますが、そのうちの3割、100万人程度は社会保障未加入です。

こうした絶望的な状況で働かざるを得ないとなると、どんなに時間がかかっても丁寧な作業を心がけようという意識は生まれにくいでしょう。むしろ、「なんの保障もなく、微々たるカネしかもらってないんだから、問題がない程度にやっておけばいい」といったモチベーションになってしまったとしても仕方のないことだと思いませんか?

また、東日本大震災のあった2011年以降は熟練の職方の離職が相次いでおり、未熟な職方が増えているのも問題です。どの世界も経験や知識、技術力というのは、ベテランが次の世代に伝達していくきたわけですが、それができる人たちが建築現場から消えていっているのが現状なのです。

記事提供/『幻冬舎plus』
(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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