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ジャケットの色を変えただけで昇進した、ある女性会社員の話

ジャケットの色を変えただけで昇進した、ある女性会社員の話

317。

この数字を見て、何の数字なのかすぐにピンと来ますか?

正解は女性ファッション誌の数。なんとなく「大量の情報が流れている」とは思っていても、いざこうして具体的な数を見ると、あらためてその情報量は「洪水レベル」なのだと気づかされます。

こうした状況の中、情報に流されずに「自分にピッタリな服」を選ぶのは難しいもの。では、どのようにして、自分に合う服を見つけたらいいのでしょうか。

発売後2ヶ月を待たずに4刷が決まり好調な『4つの性格タイプから見つける いつの間にか人生が変わる服』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)の著者で、「パーソナルスタイリスト」として活動している、みなみ佳菜さんにそのヒントを聞きました。

――ファッション誌で見かける言葉に、違和感をおぼえるものがあると聞きましたが。

みなみ:あります。特に、「おしゃれ」「ダサい」という言葉に違和感をおぼえますね。これらの言葉は世の中からなくなればいいのにとさえ思っています。

――ファッションに関わる仕事をされている方なのに、「おしゃれ」「ダサい」という言葉に違和感をおぼえるとは意外です。

みなみ:「おしゃれ」や「ダサい」という言葉を使った途端、人はつい特定の「おしゃれな人」「ダサい人」を思い浮かべてしまうもの。そして、それらのイメージと自分とを比べて、持つ必要のない劣等感を持ってしまうのです。

そうして、イメージと自分との間にあるギャップを無理に埋めようとして、混乱してしまうケースが少なくないんです。

――失敗例としては、たとえばどのようなものがありますか?

みなみ:よくあるのは、管理職などに昇進したての女性が、少しでも「役職者らしい、しっかりした印象」を与えたいからと、無理やりブラックのジャケットを選んでしまうというケースです。

もともと強いリーダーシップが魅力になっている方なら問題ないのですが、その方が本来もっている繊細さや女性らしさを殺してしまっているとしたら問題です。外から見た印象と実際の中身とにズレが出てしまっているからです。

そのようなズレがあると、たとえ第一印象は良くても、話しているうちに相手が「あれ? こういう人だと思ったのに、なんだか違うな」と違和感をおぼえたり、「ちょっと不思議な人だな」と距離を置きたくなってしまいます。

こうしたすれちがいを引き起こす元凶が「おしゃれ」「ダサい」という言葉だと思っているんです。

――中身と外見を一致させることがいかに大切かということですね。

みなみ:はい。中身と外見を一致させたことで、驚くほど状況が好転したというケースをひとつご紹介しましょう。キャリアアップのため、鎧をつけるかのようにブラックのジャケットを着ていた女性の話です。

彼女は仕事で成果を上げているにもかかわらず、なかなか貫禄が出ず、思ったような評価を得られずにいたタイミングでたまたま、装いについての私のところに相談にやってきました。そしてカウンセリングの結果、彼女本来の魅力を周囲に伝えるには、ブラックではなくピンクベージュのジャケットを着ることをすすめたのです。

私のアドバイスどおり、ジャケットの色を変えた彼女は、職場で評価されるようになり、その直後に異例の昇進となったそうです。

――ちなみに、みなみさん自身が、「中身と外見を一致させること」の重要性を意識するようになった原体験はあるのでしょうか。

みなみ:少し長くなってしまいますが、話は幼少期にさかのぼります。6歳のときに両親が離婚し、私は母に引き取られました。以来、母は働きに出るため、家をはずすことが増えていったんです。

学校が終わって家に帰っても、「これでパンでも買いなさい」とキッチンにお金が置いてあるだけ。母も女手ひとつで子どもを育てることにストレスを感じていたのか、たまに顔を合わせれば折檻がはじまるという日々が続きました。

両親が離婚する前の私は、お友達の真ん中でみんなを笑わせるのが大好きな子どもでした。それは、「かなちゃん、吉本に入れやー!」と言われるほどです。でも辛い日々が続く中で、しゃべる気力も食べる気力もなくなり、着るものもいつしかボロボロに……。気づけば、すっかり友達はいなくなっていました。

幼いながら、このどん底な状態を抜け出そうと考えに考え、ある日「私ホントはおもろいはずやん!」と、貯めたパン代をバッとつかんで近くのデパートに走りました。そして、「イーストボーイ」というブランドショップで、明るい黄色と白でデザインされたボーダーTシャツを買ったんです。

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