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【ITプチ長者への道】鉄ヲタの愛は国境を越える! 前編「全世界で8,000万円を売り上げたスマホ用鉄道シミュレーターゲーム」

エンタメ

スマホアプリやLINEスタンプ、イラスト、写真など、ネットを利用して密かにヒットを飛ばした”知られざるヒーロー”を紹介する「ITプチ長者への道」。第3回は、個人制作のアプリでありながら全世界でヒットしているiOS向け電車運転シミュレーター『Train Drive ATS』シリーズの作者、Takahiro Ito氏に話を聞いた。

少年時代から育まれた「ダイヤグラム」愛が産んだ世界的ヒット作

その驚異的な緻密さが世界から称賛される日本の鉄道。その核ともいえる「運行システム」をマニアックに再現したのが、2012年に第1弾がリリースされたTakahiro Ito氏の『Train Drive ATS』シリーズである。

『Train Drive ATS』(iOSアプリ/ライト版 無料、フルバージョン 840円)の操作画面。東武鉄道とライセンス契約を結び、実際の車両が使われているが、駅や路線はItoさんが生み出した架空のものだ

「古くは向谷実さん(元・カシオペアのキーボディストで、熱狂的な鉄道ファン)がプロデュースした『Train Simulator』(音楽館)や、アーケードゲームとして大ヒットした『電車でGO』(タイトー)など、国内では鉄道運転シミュレーターはいくつも発売されています。私の『Train Drive ATS』もそのなかのひとつですが、従来の作品以上に “リアルさ”を追求しているのが大きな特徴です。タイトルにもあるように、現実の鉄道に導入されているATS(衝突や速度超過防止のための保安装置)の要素が加味されているほか、加減速度や勾配の抵抗などは綿密な物理計算を行い、線路や信号も、日本の鉄道の省令を順守して設計しています」

なかでも、Ito氏が特にこだわったのが「ダイヤグラム」。乗客が目にする時刻表の基となる列車の運行計画だ。

「運転士の視野(ゲームの画面)には存在しなくても、実際の路線上には複数の列車が走っているわけですよね。それを考慮しないと、通過待ちや追い越し、信号待ちといったイベントをリアルに再現することはできません。そのために必要なのがダイヤグラム。緻密なダイヤグラムの概念を導入したゲームは、『Train Drive ATS』がパイオニアだと思います」

左はItoさんの私物。右にあるのは、『Train Drive ATS』を制作するために考案したオリジナルのダイヤグラム

鉄道ファンならずとも、蜘蛛の巣のように繊細で複雑な鉄道のダイヤグラム(写真)を一度くらいは目にしたことがあるはず。Ito氏によれば、これこそが世界に誇る「日本の鉄道」の本質。この概念を導入したことで、『Train Drive ATS』は「日本の鉄道」を本当の意味で再現したゲームになったのだという。

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