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【世界のドローン33】1年間、泳ぎ続ける海中探索ロボット「Wave Glider」

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ドローンが活躍する範囲はどんどん広がり、空から陸、そして海を自在に泳ぎ続けるドローンが登場している。LIQUID ROBOTICSが開発する「Wave Glider」は、地球の約70%を占める海を探索するために作られた無人の海洋探索ロボットである。海上を泳ぎ回る機体と、海上に浮かぶ機体のペアで構成され、それぞれでエネルギーを自家発電することで、1年間休みなく、海からのデータを無人で送信できるようになっている。

海中を探査する方の機体は、細長い複数のオール型の翼を持つグライダーのような独特な形をしており、翼を動かすことで人間1人を引っ張れるほどの推進力を生み出す。もちろん、海中カメラや各種センサーも搭載。収集したデータは海上に浮かぶもう一つの機体へ、そこからモバイル通信を使って基地局へとリアルタイムで送信される。海上にある本体は太陽光パネルを動力源に、耐久性の高い素材で作られ、台風やハリケーンで荒れる海でも問題なく動かせるという。コントロールは遠隔から行い、目的に合わせてセンサーやソフトウエアのアップグレードも可能だ。

「Wave Glider」が作られた目的は、海水の温度や波の高さ、水質の変化といったさまざまな海洋データをリアルタイムに収集するためである。海に関するデータはこれまで、観測船や海洋データブイ以外に商船や漁船から集めていたが、一定の範囲を定期的に長期間調査する方法は意外にもなかったという。また、海上で発生する台風やハリケーンの情報は主に気象衛星から観測しているが、「Wave Glider」を使えばもっと具体的に海の天気の変化がわかり、今まで収集するのが難しかった貴重な海上や海中のデータが収集できるようになる。こうしたデータは、航行中の船や海上プラントなどの安全を守る役割も果たしてくれるという。



このような水中ドローンが注目されているもうひとつの理由に、”サメの監視”がある。ここ最近、サメによる被害が世界的に広がっているが、現状では目視での監視しか対応策がないという。そこでアメリカでは「Wave Glider」でサメの行動を海中で間近に監視し、いち早く警報を出す計画が進められている。さらにこの計画では水中ドローンでサメの行動を長期間研究し、人に近づかない方法を開発するところまでを目指している。

水中ドローンについては、先日、台湾・台北市で開催された国際ITイベント「COMPUTEX TAIPEI」でも、水中動画撮影用の潜水艦型ドローンが展示されており、注目を集めていた。より高度な機能を持った「Wave Glider」は、海に関するさまざまなビジネスで需要が広がっていくかもしれない。

COMPUTEX TAIPEIで展示されていた水中撮影用ドローン(撮影:野々下裕子)

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