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北川景子と桐谷美玲 「夏ドラでコメディ挑戦」の明暗

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 各局が鎬を削る新作の出来が気になるタイミングである。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

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 次々にスタートした夏ドラマ。コメディタッチの作品が競演しています。ぐいぐい視聴率を伸ばしていきそうな勢いのドラマもあれば、何だか空回り?しそうな気配のドラマもあって、これからの展開に興味津々。中でも、北川景子、桐谷美玲といった超美形の主役たちが、思い切ったコメディエンヌに挑戦している姿が注目を集めそう。

●北川景子の「クールホットなコメディエンヌ」

 筆頭に取り上げたいのが、『家売るオンナ』(日本テレビ系 水曜午後10時)。三軒家万智(北川景子)は、「私に売れない家はない」と豪語する超営業ウーマン。予測できない手練手管を繰り出し、時に顧客のプライベートな問題にずんずん入っていって、住むべき家を提案して営業成績を上げる。その中に、「幸せな暮らしとは何?」「家を買う意味とは何?」という生活にとって本質的なテーマが見え隠れする。

 主人公・三軒家万智を演じる北川景子さんが、ハンパなく弾けています。スゴイ美人のやり手営業、鉄面皮でニコリともせず「人はいずれ死ぬ」などと子ども相手に説教。部下を厳しい声で罵倒し、「金を得るために家売っているのです」と堂々と宣言する超リアリスト。

 と、ここまでぶっ飛んでくれれば、完全なるコメディとして笑って見ていられます。鬼のような形相、抑揚を消し去った棒ゼリフ、木によじ登り……北川さんは役に体当たり。 もはや「クールビューティー」を突き抜けた、振れ幅が爽快。「クール&ホットなコメディエンヌ」の力技を見せてくれそう。

 このドラマ、「不動産業」というお仕事をテーマに設定した点も冴えています。多くの人々にとって人生で最も大きな買い物であり関心事である「家」。一歩部屋に入れば、そこに暮らす人の生々しい人生が覗ける。「家」をめぐってさまざまな人生模様が映し出されるオムニバスドラマになりそうです。

●月9・桐谷美玲は空回りの危険?

「世界で最も美しい顔100人」にも選ばれた桐谷美玲さん主演の月9『好きな人がいること』(フジテレビ系月曜午後後9時)。このところ低迷し続けて話題の月9。今期はどんなドラマを繰り出して復活を狙うのか。

『好きな人がいること』は、鎌倉のレストランが舞台。パティシエのヒロインを演じる桐谷さんとイケメン三兄弟の4人が、一緒の家に暮らしつつ恋愛模様を繰り広げるという、ロマンチックラブコメディーです。

 筋立ては、甘くてベタ。ストーリーよりもむしろ、各シーンシーンで今人気の俳優たちの姿を鑑賞するという風合い。山崎賢人、三浦翔平、野村周平という3イケメンの、いわば「ショーケース」となっています。

 主役を張る桐谷さんも、頑張っている。「美人」という固定観念、自分にまとわりついた殻を突き破ろうという気概と根性を感じます。ですが、手足をバタバタさせながらキーキーと叫ぶ姿は、どうにも安作りのコント調。安易な脚本と、旬の役者たちの人気に依存した演出のせいでしょうか。

 恋愛模様のストーリーの中で、桐谷さんがどんな風な変化を見せてくれるか、今後に期待します。

●「笑いは押しつるものではない」と考える機会をくれた朝ドラ

 コメディタッチと言えば、今のテレビ画面の中で一番滑っているのではないか、と思えるのがNHK朝ドラ『とと姉ちゃん』。

 名編集者として登場した、花山伊佐次役の唐沢寿明さん。登場するやいなや、声を張り上げて怒鳴る。上から目線で説教する。激怒の大立ち回りは、思い切り刺激を盛ったつもりかも。

「基本的に台本通りにやろうと思っていない。もちろん基本の線は変えずに、プラスアルファで付け加えるんです」(「MANTNANWEB」2016年07月09日)と自信満々。コメディ的な誇張表現を狙っているのかもしれません。

 でも。何だかその極端な演技に、「俺は面白いだろ」の押しつけがましさを感じてしまうのは私だけ? 自分の演技に酔っている気配さえ、感じてしまうのは私だけ?

 役者はとことん演じる。演じれば演じるほど、見ている側が自然に、「クスっ」と笑ってしまう。ついつい、「ほろり」と泣かされてしまう。それをもって役者の力量、というのではないでしょうか。おそらく、一番やってはいけないのは、「押しつけ」。ここで笑ってください、驚いてください、泣いてください、という演技の押しつけでは?

 花山伊佐次は、戦後の時代の流れに抗い批評的な精神を貫いた花森安治がモデル。スカートを履いたりおかっぱにしたりとユニークな人物だったゆえに、朝ドラで「一歩間違うとドタバタギャグになりかねない」と危惧されていた役柄でもあります。どうかこれ以上、滑らないことを祈ります。

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