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ビル・カニンガム氏追悼でNYがブルーに染まる #billcunningham

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6月25日、ニューヨークのストリートスナップを撮り続けたファッション写真家のビル・カニンガム氏が亡くなりました。

87歳の高齢とはいえ、亡くなる直前まで元気に活動していたので、ファッション関係者やファンが衝撃を受けています。

普通の人の最高のお洒落を撮り続けた半世紀

カニンガム氏は1960年代から本格的にファッション写真を撮り始め、New York Timesでストリートスナップ「On the Street」を長年連載していました。

毎回カニンガム氏の気づきによるテーマがあって、トレンドやそのときの季節感、空気感が感じられました。一番最後に掲載された記事は、「Duality(二元性)」と題し、ブラック&ホワイトをテーマにしたものでした。

カニンガム氏が撮る人のスタイルは、彼自身がその信条を語った記事のなかで

「Stunner(驚くほど素晴らしい人、スタイル)を探している」

と語ったように、本当にお洒落なものばかり。また写真の方もそのスタイルの美しいポイントをこれ以上ないほどしっかり捉えていて、注意深く、でも楽しんで撮っていることが伝わってきました。

ニューヨークのファッション写真家というと、被写体も本人も華やかなセレブリティではないかとも思えますが、カニンガム氏はセレブリティに興味はなく、自分自身が注目されることも避け続けていました。いつも青いワーカーズジャケットにスニーカーというスタイルで自転車に乗り、ニューヨークの街を歩く等身大の人たちを撮っていました。

また、彼は街中だけでなくイベントやパーティの場でも写真を撮り、New York Timesでもストリートスナップの他に「Evening Hours」というパーティレポートのコーナーを担当。

それでも彼が探しているのはブランドからドレスを借りている女優やスタイリストに選ばれたコーディネートのモデルではなく、自分で考えて自分のお金で買った服で最高のお洒落をしている普通の人たちだったのです。またパーティにももちろん自転車で乗り付け、供される食事や飲物には目をくれず、ひたすら写真を撮るのがカニンガム氏でした。

そんなカニンガム氏の写真やプロフェッショナリズムが後年より多くの人に認められるようになり、2009年にはニューヨークの「Living Landmark」に認定されました。また2011年には彼をテーマにしたドキュメンタリー「Bill Cunningham New York」も公開されました。ちなみにその映画すら、彼自身は見ていなかったそうです。

ニューヨーク中がブルーに染まる

カニンガム氏が亡くなってから、ニューヨークのあちこちで彼を追悼する動きがあります。

6月末には、ニューヨークのミッドタウンにあるふたつの高層ビルが、カニンガム氏のジャケットと同じブルーにライトアップ。

このビルのひとつは、2014年までVOGUEのオフィスが入居していた4Times Square。そしてもうひとつはカニンガム氏がよくスナップを撮っていた場所のひとつ、ブライアントパークの斜向かいにあたるOne Bryant Parkです。

Johnさん(@workforbillc)が投稿した写真 – 2016 6月 29 6:25午後 PDT

7月6日からは、カニンガム氏がいつも撮影場所にしていたマンハッタンの57丁目と5番街の交差点が、1週間の期間限定で「ビル・カニンガム・コーナー」と名付けられました。

Yaara Keydarさん(@yaaronet)が投稿した写真 – 2016 7月 14 6:55午前 PDT

さらに期間限定でない恒久的なネーミングを目指し、Change.orgで署名活動が行われていて、現在6000人を超える署名が集まっています。

また同じ交差点にある百貨店Bergdorf Goodmanのウィンドウでも、カニンガム氏を追悼するディスプレイが作られました。

ソーシャルメディア上では#billcunningham、#blueforbillといったハッシュタグがあふれ、レナ・ダナムやアイリス・アプフェルなどニューヨークの著名人からも哀悼のメッセージが数多く寄せられています。

カニンガム氏の新しいスナップがもう見られなくなってしまったのは、本当に寂しい限りです。でも同時に、カニンガム氏のファッションへのひたむきな愛に共感する人たちの中では、彼の存在はいつまでも明るく、温かいよりどころであり続けるはず。

カニンガム氏のNew York Timesでのいままでのスナップはこちらで見ることができます。

New York Times1, 2, 3, New York Magazine1, 2, Change.org

image by gettyimages

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