ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

第67回 余談

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 6月28日付毎日新聞報道によれば、和歌山にある大阪刑務所丸の内拘置支所の共同室(雑居)に、エアコン3台が取り付けられたそうである。3台というから、雑居が3部屋あるのだろう。
 昨年、同支所において、熱中症を原因として、死亡者が出たことを受けてのことだそうだ。また、エアコン以外にも様々な熱中症対策を施しているそうである。いいことだと思う。

 人間、暑さにはある程度耐えられるが、寒さには耐えがたいと思っていたが、こと熱中症となれば話は別である。熱気ムンムンの部屋にいれば、こまめに水分補給をしたとしても、熱中症となる可能性は大きい。
 では、なぜ刑務所の部屋にはエアコンを入れないのだろうか。

 私見である。まず、拘置所生活においては、いかに水分を補給するかは、各自に任されている。したがって、刑務官は、巡回の折に、「ちゃんと水分を摂れよ」という指導をするぐらいしかなく、強制的に水分補給をさせるわけにはいかないという事情が一つあるのではないだろうか。
 これに対して、刑務所においては、刑務作業の合間をぬって、ポカリスエットだとか、麦茶とかを強制的に飲まされる。また、運動時間などにあっては、熱中症に対して、刑務所はかなり気を使っている。そこに第1の相違があるのではないだろうか。

 また、刑務作業に従事している方が、汗もかき熱中症に罹患しやすいのではないかと思われるが、私の経験によれば、刑務作業工場内は、かなりの数の扇風機が回されており、工場自体も開放されているので(すべての戸があいている)、風通しはかなりよく、先に説明をした水分補給と相まって、熱中症罹患率が低いのではないかと思われる。
 拘置所では、刑務作業はもちろんなく、基本的には一日中座っているだけである。特に共同室の場合、4人程度の者が入っており、庭側など一面にしか窓がないから(窓の向かい側には通風孔もあるが)、その風通しの悪さは、刑務所の比ではないと思うのだ。

 旭川刑務所であったか、ほぼすべてを単独室にして、ベッドを入れ、暖房も装備するといった措置を採ることが発表された際、犯罪被害者から「そんなに優遇するな」との声が挙がった。しかし、宮崎あたりでも、冬の寒さはひどいものであったから、北海道では暖房がなければ死亡に至るおそれもある。

 今回の熱中症対策については、さすがに昨年死亡者が出たことを受けての対策であるから、そのような声も挙がらないとは思う。
 近い将来には、冷暖房完備ということになるかもしれない。それでも、拘置所は無罪推定の働く未決の者を収容する場所であるし、刑務所であっても、刑罰は懲役刑であるにすぎないのであるから、拘束され、微々たる報奨金で刑務作業に従事することをもって、十分であり、冷暖房を完備したところで、快適な生活を送ることができるわけではないのだから、それほど声を荒げることもないとは思うのであるが、いかがなものだろうか。

 嘘か誠か、拘置所の改善で思い出したことがあるが、誰かが、拘置所に畳が入ったのは、列島改造論、ブルドーザーで有名な元首相T氏のお声がかりだという。彼が、拘置所に入ったとき、板敷きで、せめて畳を入れよと指示をしたのだとまことしやかに言われたことを聞いたことがある。
 次回から大分刑務所の話に戻す。(つづく)

元記事

第67回 余談

関連情報

法、納得!どっとこむの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP