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実家の相続[上] トラブルのもと! 未登記の家はどうすればいい?

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実家の家や土地の相続で注意しておきたいことを3回にわたって紹介する。今回は、実家の建物が未登記の場合についてだ。住宅や土地が誰のものなのか、権利関係を記録してある登記。実は、この登記がされていない家というのがある。そのままにしておくとどんな問題が起こるのか、札幌土地家屋調査士会副会長の小川和紀さんに話を聞いた。

建物の未登記はなぜ起こる? 固定資産税を納めていても未登記かも

一戸建てを新築したら建物の所有者や所在地、家屋番号、構造、床面積などが記載される「建物表題登記」と、建物の権利を公示するための「所有権保存登記」を行う。ところが、

「建物を現金で建てた場合や、勤務先の社内融資で抵当権設定が求められていなかった場合などに未登記のケースがあります」(小川さん)

建物表題登記は所有権が発生してから1カ月以内に行わなければならない義務があるのだが、所有権保存登記については義務がない。ただし、住宅ローンを借りて建て、建物に抵当権を設定する場合には、所有権保存登記がされていることが前提となるため、住宅ローンを借りていれば所有権保存登記はされているのだが、住宅ローンを利用せずに建てた場合は登記されていない可能性があるのだ。義務であるはずの「建物表題登記」すら行われていないこともある。

あなたの実家はきちんと登記されているだろうか。「毎年、固定資産税を納めているみたいだから、だいじょうぶなのでは?」というのは勘違い。固定資産税は地方税で市区町村役場が課税するもの。建物に対しての権利を示した登記とは別物で管轄も違うため、未登記の物件であっても自治体が調査を行い、固定資産税の納税通知書が届くケースもある。

未登記の実家、そのままでもいいの?どんな問題がおこる?

未登記の実家をそのままにしておくと、どんな問題があるのだろう。困るのは、将来売却をするときや、相続が発生したときだ。

売却の場合、建物の所有権が売主から買主に移転することを明確にできないため、未登記のままでは買主は購入を見送ることが多い。買主にとっては、購入後に売主ではない人が所有権を主張してくるリスクがあるからだ。また、売主があわてて登記をしたとしても、手続きのための書類の手配などに時間がかかり、引き渡し日がずれてしまうと、取り引きが不成立になるケースもある。これは、建物まるごと未登記の場合だけでなく、増築をした部分の登記をしていない「一部未登記」の物件の場合でも起こることだ。

将来、相続が発生したときも未登記はトラブルのもと。例えば「両親共に亡くなり、一人っ子の子どもがそのまま住み続ける」といった場合は、特にトラブルはないかもしれない。しかし、子どもたちが相続した実家の売却をすることにした場合、スムーズに売買取引をするには登記がされていることが必要だ。相続人全員で遺産分割をして所有権保存登記を行い、現在の権利者が誰なのかを明確にしなくては売ることは難しいのだ。

不安に感じたらまず確認。親が元気なうちに登記をすること

実家はもしかしたら未登記かも……と不安に感じたら、まずは親に確認してみよう。親の記憶が曖昧な場合は、法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を請求。所有権に関する事項の欄を確認しよう。なお、登記事項証明書がとれなければ、建物表題登記もされていないということ。

「確認の結果、実家が未登記だと分かったら、早めに家を建てた人の名義で登記をするのがオススメです。未登記のまま亡くなり、長期間放置している間に相続人の中の一人も亡くなっていたりすると、その子どもが相続に関わることになり、権利関係が複雑になります。また、建物の登記には建築確認済証や建築会社の証明書が必要ですが、新築後、数十年が経過している場合など、書類が行方不明になっていたり、建築会社がなくなっていたりということも。その場合、建物の権利が誰にあるかの証明が難しくなります」(小川さん)

未登記かも、という不安があるなら、今年のお盆休みに帰省した際にでも、実家がきちんと登記されているか確認してみるのがオススメ。未登記だった場合は、早めに登記を済ませておくと安心だ。●取材協力

札幌土地家屋調査士会
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