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「稀勢の里」優勝を逃したからこそ綱取りチャンス!と見る理由


NHK大相撲ジャーナル 2016年8月号
Fujisan.co.jpより

大相撲名古屋場所、最大の見所は大関・稀勢の里の綱取りなるか!?です。

横綱昇進への条件は、優勝、14勝以上などとされています。30歳という年齢を考えるとこれがラストチャンスかもしれません。

 

相撲ファンからは「モンゴル横綱勢にかなわない」「年齢的に厳しい」「期待させてダメなパターンでしょ」という悲観的な声が聞かれます。確かに稀勢の里はこれまで幾度となくファンをがっかりさせてきました。

 

横綱昇進の確率は?

意外と思われるかもしれませんが、私は期待値を込めて70%と見ました。結構高いです。

その根拠は、まず前2場所の成績がいずれも13勝2敗と安定していて、しかも負けた4番は白鵬2敗、鶴竜、日馬富士が各1敗と横綱のみ。やはり横綱超えが一つの鍵です。

 

そして最大の要因は、おかしなことを言うと思われるかもしれませんが“春場所で優勝できなかったこと”です。

「優勝したほうがイイだろーが!」と突っ込まれそうですが、もちろん理由はあります。そのあたりを説明します。

 

【過去の綱取り挑戦】

平成に入って、大関止まりだった力士で在位中に優勝後、綱取りを賭けた次場所の成績を見て下さい。横綱昇進の条件は2場所連続優勝ならほぼ確定、内容にもよりますが最低でも13勝などと言われています。

小錦   平成元九州 14-1初優勝→ 平成2初10-5 

     平成3九州 14-1優勝 → 平成4初 12-3

     平成5初  14-1優勝 → 同  春 9-6
霧島   平成3初  14-1優勝 → 同  春 5-10
貴ノ浪  平成8初  14-1初優勝→ 同  春 11-4

     平成9九州 14-1優勝 → 平成10初10-5
魁皇  ※平成13春初優勝と名古屋優勝の次場所は途中休場

     平成15名古屋12-3優勝 → 同  秋 7-8

     平成16秋  13-2優勝 → 同 九州 12-3
栃東   平成14初  13-2初優勝→ 同  春 10-5

     平成15九州 13-2優勝 →平成16初 9-6

     平成18初  14-1優勝 → 同  春 12-3
千代大海 平成14名古屋14-1初優勝→ 同  秋 10-5

     平成15春  12-3優勝 → 同  夏 10-5
琴欧州  平成20夏  14-1初優勝→ 同 名古屋 9-6
琴奨菊  平成28初  14-1初優勝→ 同   春 8-7

 

チャンスが幾度かあった大関もいます。12勝と惜しかったケースもあります。

しかし、多くの場合早い段階で下位に星を取りこぼし上位に敵わずというパターンが多いです。

 

平成に誕生した横綱は9人。大関で、最初のチャンスで即綱取に成功したのは

   平成4九州  14-1優勝 →平成5  初13-2優勝=横綱

朝青龍 平成14年九州14-1優勝 →平成15年初14-1優勝=横綱

2人だけ。

 

平成の大横綱・貴乃花は3度目の挑戦、白鵬も2度目の挑戦で横綱に。

大相撲に横綱制度ができて約300年、横綱は71名しか出ていません。角界の頂点に座るのは並大抵の偉業ではないわけです。

 

優勝すると困ること

横綱昇進のチャンスを活かすも殺すも、私は優勝後、次の場所までのスケジュールが重要だと思うのです。

 

最近で言えば琴奨菊

今年初場所で日本出身力士10年ぶりの優勝を果たし、綱取りに注目が集まった春場所は、なんと8勝7敗というがっかりな成績。

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